通訳の仕事に行っている職場での出来事。
ランチタイムにオフィスに戻ると、小さな謎のピンバッジが私のデスクに置かれていました。近づけて見ると、カナダのメイプルリーフとアイルランドのシャムロックという2つのモチーフを合体させたロゴ。「トロント2017」との文字が入っています。

赤いメープルリーフと緑色のシャムロックが合わさって一つになっている!
来月オンラインで「モンゴメリ作品とアイルランド」と題してお話させていただくので、このところ、『赤毛のアン』をはじめとするモンゴメリ作品の舞台であるカナダと、作品に出て来るアイルランドをあらためてつなぎ合わせて、2国を合体させるような作業を進めていたところでした。
職場の人は知りようもない私の研究テーマがなぜここに?
もしや、天から降ってきたメッセージ?
天国のモンゴメリが「頑張って~」とよこしてくれたプレゼントだったりして!
…などと、あれこれ妄想。このタイミングで、こういうモノが実体となって現れるなんて、不思議としか言いようがない!
しかもトロントと言えば、晩年のモンゴメリが暮らし、作品にも登場する街。先日、私と同じ主催の元で先行してお話された梶原由佳さんのオンライン講演は、まさにトロントからのライブでした。
後ほどこれは、同じ職場で働くアランさんからのプレゼントだったことが分かりました。
職場の人たちとは日々いろいろなおしゃべりをしますが、中でもとくに波長が合う人というのがいるもので、アランさんはそんなひとり。仕事とは特に関係のない、アイルランドの歴史や遺跡の話、植物の話などをよくしています。
アランさんは以前はトロントにお住まいで、2017年のカナダ建国150周年の際、現地のアイルランド人&アイルランド系の人たちのイベントの中心人物だったそう。これは、そのときの記念バッジとのことでした。
アランさんがトロントに住んでいたことは聞いていたけれど、私がモンゴメリ作品を介してカナダに思い入れがあることは彼は知りませんでした。『アン』のことも、モンゴメリのことも話したことはなかった。
なのにどうして、このタイミングでこのバッジを私にくれたのでしょう。不思議…!
ちなみに、シャムロック+メイプルリーフの下にデザインされている街並みは、きっとトロントとダブリンで(右のタワーはもちろんCNタワー!)、真ん中の盛り土はニューグレンジ遺跡に違ない!と深読みしましたが違いました(笑)。
これはすべてトロントの街で、私がニューグレンジだと思ったのはロジャーズ・センターというスタジアムのドームだそうです。
アランさんはニューグレンジ遺跡のすぐ近くにお住まいなので、てっきり…笑。
トロントには過去に2度行ったことがありますが、2度とも、モンゴメリの生まれ故郷であり作品の舞台であるプリンス・エドワード島を訪ねた際に1~2日立ち寄った程度でした。
最後に行ったのは
2010年のクリスマス。そして、パンデミックでなかったら昨年秋に再訪する予定でした。
前回の訪問時、2007年に出来たというオンタリオ湖に面するアイルランド・パーク(トロントに上陸したアイルランド移民を記念した公園)を見逃したので、次回はぜひ見に行きたい。ダブリンにある、移民船を目指して歩く人たちの銅像が、トロントに上陸した人たちとなってそこにあるのです。
アランさんが写真を見せてくれたり、トロントのことをあれこれ話してくれたりして、楽しいランチタイムのひとときでした。
やはり、縁のある場所、縁のある人、縁のあるトピックって、こうして天から降ってくるみたいにもたらされるんですよね、ちゃんと。
『赤毛のアン』に導かれて、アイルランドにたどり着いた私の人生。来月の講演を皮切りに『アン』とアイルランド絡みでいくつかプロジェクト進行中(ちょっと難航中)ですが、「これでいいのだ!」(←天才バカボン風)と見えざる力が背中を押してくれているような気がして、きっと最善の方向へ進んでいくに違いないと思えてきたのでした。
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コメント
メイホア
2021/10/16 URL 編集
naokoguide
彼女もカナダ+アイルランドでしたね!
彼女のフェアリー年代記、昔から気になりながらまだ読んでおらず、すっかり忘れていました。
舞台はアイルランドなのだとばかり思っていましたが、トロント舞台のものもあるんですね。
アマゾンで中古の原書を見つけたので早速購入しました。思い出させてくださって、ありがとうございます!
2021/10/17 URL 編集