通訳の仕事に行っている職場にはキャンティーン(社員食堂)があって、ランチが1ユーロで食べられるというありがたさ。
メニューは日替わりで、シェパーズパイやローストポークといったいわゆるアイルランド料理のほかに、中華風、日本風、キューバやメキシコ風…などエスニック料理もあり、なんちゃってながらも味はおいしいので、今日のランチは世界のどこへ~と、ささやかな「ランチ旅」を楽しんでいます。
そして今日は金曜日。メニューは日々サプライズですが、金曜日のアイルランド料理だけはフィッシュアンドチップスと決まっています!
一週間も終わりに近づき、木曜あたりになると「今週ももうひと息だね!」と週末を楽しみにし始めるアイルランド人ですが、私も一緒になって「フィッシュアンドチップスの匂いがし始めたね~」とワクワク。
アイルランドのB級グルメ代表とも言えるフィッシュアンドチップスですが、大人も子どもも大好きで、ちょっぴりジャンキーでトリート(お楽しみ)感もアリ。家で作るのではなくお店で買って食べるもので、家庭でのお母さんの味とは違った「ご馳走」感があるのかもしれません。
海辺の行楽地で食べる定番フードでもあり、楽しい思い出と直結している人もいることでしょう。一週間の仕事終わりにふさわしい、週末に向けてテンションの上がる「ご苦労様フード」なのです。

じゃ~ん、本日のフィッシュアンドチップス。町のお店に引けをとならいおいしさ、マッシィピーズ(グリーンピースのマッシュ)が添えられるのが嬉しい♪
金曜日がフィッシュアンドチップス・デーというのは、伝統的なアイルランド人の食習慣としても理にかなっています。
キリスト教国では(イエスキリストが十字架にかけられた)金曜日に肉食を控え、代わりに魚を食べる習慣があります。現代のアイルランドでそれを踏襲している人はほとんどないでしょうが、「金曜日は魚」というすり込みにより、高カロリーなフィッシュアンドチップスをガッツリ食べて一週間の労をねぎらいましょう、というアイデアが気分的に正当化されるのが良い。
お料理をさぼりたいときの口実にもなりますよね、「金曜日は魚だから!」って。(笑)
職場にはアメリカ人も多くいて、彼らも例外なく金曜日のフィッシュアンドチップスを楽しみにしています。
「USにはフィッシュアンドチップスはないの?」と聞くと、「(彼らの出身地であるアリゾナ州には)こんなにおいしいのはない」のだそう。魚もイモも最高!と、大きな身体をゆすってムシャムシャ食べている姿が微笑ましい。
とは言え、当地に来てまだ数ヶ月というアメリカ人&日本人の同僚の中には、マッシィピーズを食べるとお腹がキュルキュルする、とか、油が強くて食べきれない、と言う人もいます。
そんな彼らにアイルランド人が、「まだまだ食べたりない、もっと食べて慣れなくちゃダメ!」と一喝し、(ペロリ平らげている私を指さして)「見ろ、ナオコを。20年住んでるとこうなるんだぞ!」とお手本にされた私は、単純に喜んでいいのやら…。
※フィッシュアンドチップスに関する過去ブログ(ダブリンで食べられるところ)
→
夏の気分でフィッシュアンドチップス!(クロンターフのベッショフ)(2021年3月)
→
シーフードの人気フードトラック、ソルティー・ブイ(2021年4月)
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コメント
ようはっぱ
給食の人気メニューみたいな?
2021/09/04 URL 編集
naokoguide
日本で言ったら…う~ん、カレーとか唐揚げとはちょっと違うような。家では作らず、手抜きしたいときとかに買って食べる国民食…みたいな。
ぴったりのものが思いつきませーん!
2021/09/04 URL 編集