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リバーダンスの源流、マケドニアとアンディ・アーヴァイン

ギリシャの休日の記憶が薄れないうちに、もうひとつだけ書いておきたいことが。
今回、現地で野崎洋子さんと合流させていただき、おかげで本当に楽しく、たくさんおしゃべりさせていただく中でさまざまな気づきや刺激をいただきました。

訪れたギリシャ北部のカヴァーラという町は、かのアレキサンダー大王を生んだ古代マケドニア王国だった地。現在はギリシャ領ですが、歴史的・地理的にはマケドニアで、ギリシャの国旗のほかにマケドニアの旗もときどき見かけました。

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テッサロニキ空港から車を走らせて行く途中、ギリシャ領マケドニアのこういう旗がトンネル入り口の岩場に大きくペイントされていました

滞在中、野崎さんと一緒にカヴァーラの要塞にのぼり、街とエーゲ海を眺めていたときのこと。どうして要塞の上でそういう話になったのかは忘れたけれど、伝統音楽のプロである野崎さんがおっしゃっていたことがこちら。↓



そうか、リバーダンスがエスニック・ケルトであることは分かっていたけれど、ルーツはバルカン民族音楽で、ここマケドニアがまさにその地だったんだ!と再認識。
ダブリンの自宅に戻り、持っていたリバーダンスのCDを見ると、「Macedonian Morning(マケドニアの朝)」って曲がちゃんとあるではないですか。
ああ、エーゲ海に昇る朝日を見ながら歌って踊るべきは、ジュディ・オングじゃなくて、リバーダンスだったのか~。(マケドニアと言えばコレ、とか言いつつも、野崎さんも資生堂ナツコだったからまあいいか・笑)



ちなみに、野崎さんがツイートしておられる動画で赤いギターのような楽器を弾いているのが、若き日のアンディ・アーヴァイン(Andy Irvine)さんです。
アイルランド音楽の吟遊詩人とも称せされる大御所ミュージシャンで、60年代にバルカン諸国を旅して出会った民族音楽を持ち帰り、アイルランド伝統音楽と融合させた人。上記動画を見ると、ケルトとバルカンという2つの源流が交わって化学反応を起こし、なんだかものすごくカッコいいものになっていることが、伝統音楽素人の私にも分かる。
野崎さんによれば、アンディが弾いているのはギターじゃなくてブズーキだそうで、その後のアイルランド伝統音楽にブズーキが定番となったのもこの方の影響だそう。
90年代に始まったリバーダンス以前にエスニック・ケルトの潮流はすでに存在し、その先駆者がアンディ・アーヴァインさんだったんですね。

ちなみに昨年ヒマールさんより、アンディ・アーヴァインさんの日本語訳による詩集が発売されています。
「NEVER TIRE OF THE ROAD/旅に倦むことなし アンディ・アーヴァインうたの世界」 柴田元幸訳 2020年3月17日刊行!

アンディ・アーヴァインさん&上記詩集について説明されている野崎さんのブログ
アンディ・アーヴァイン、詩集発売! もちろんケルト市でも販売します(2020年2月)

また、野崎さんツイートの上記演奏が含まれたCDは、The Music Plant CD Shopで購入可能です。
ANDY IRVINE & DAVY SPILLANE - EAST WIND

これまで数えきれいなほど見たリバーダンス公演ですが、次に見る機会があったら、今回訪ねたマケドニアを意識しながら鑑賞できることでしょう。旅は音楽、音楽は旅、こういうつながり、とっても好きです。
そして今回もつくづく思ったのは、ケルトはやっぱり「つながる」なあ、ってこと。ギリシャへ行ったらそこはマケドニアで、さらにはリバーダンスにつながっていくとは。
グルグルと渦を巻いてついてくるケルト、この普遍性がたまりません!

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ピリッポイ古代遺跡で見つけたケルトの渦巻きそっくりさん

【ギリシャ関連過去ブログ】
エーゲ海の町カヴァーラ(ギリシャの休日・その1)
ピリッポイ古代遺跡と、ラストサパーのイカ(ギリシャの休日・その3)

【野崎洋子さんのブログにもギリシャの休日話いっぱい】
ギリシャ出張(DAY 5)最終日 ピリッポイ古代遺跡〜ナツコごっこ〜ヤヌシュレクチャー〜最後の夕飯 ※ここから日付をさかのぼって読んでいくと全日程あり
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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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