ギリシャの休日、
その1、
その2に続き、もう一回だけ記しておきます。
今回滞在したカヴァーラから車でほんの20~30分のところに、世界遺産の大遺跡がありました。
アレキサンダー大王の父フィリッポス2世により築かれ、ギリシャ、ローマ、ビザンチン時代を通して繁栄したという都市、
ピリッポイの古代遺跡(Archaeological site of Philippi)です。

ギリシャ時代に築かれ、ローマ時代に改築したという劇場にて、ご一緒した
野崎洋子さんと

やはりここでも、そのほか多くのギリシャ~ローマの都市同様、ギリシャ時代は悲劇喜劇が上演され、ローマ時代になると剣闘士や動物の格闘など興行が行われたらしい
現在のギリシャは経済がふるわず、かつての貧しさを乗り越え今や一人当たりのGDPが世界第3位となった豊かな国アイルランドから来た私の目には、インフラもサービスもどこそこイケてない感(←個人的には好み)が目立ってしまうのですが、この国の持つ歴史の風格…とでも言いましょうか、それには逆立ちしてもかなわないなあ、という気にさせられます。
カヴァーラの街を歩いていても、ビーチで寝転んでいても、高速道路を車で走っていても、建物が朽ちていたり、道路がボコボコだったりはするのですが(←20年前のアイルランドを彷彿させるなつかしさアリ)、どこかこう、で~んと構えた感じがあり、威風堂々とした空気感がそこここに漂っているのです。
圧倒されるような都市遺跡。かつての栄光って、遺伝子みたいにその国の土壌に残っていくんですね。

フィリッポス2世時代のレリーフ。マケドニアの盾と槍を持つ戦士だそう。周囲のギリシャ文字の意味はわからないけれど、『ケルズの書』に出てくる「キー・ロー・イオタ(X・P・I)」だけは読める!笑
私も野崎さんも頭の中がケルトになっているようで、遺跡の中についついこういうものを見つけて反応してしまうのが可笑しい。

お、ケルトの渦巻きが!(そういえばイオニア式のモチーフは渦巻きに似ている。アカントスの葉のようなものもあるので、イオニア式とコリント式の融合?)

ケルティック・ノットみたい!
あまりの暑さに広大な遺跡全部を真剣に見ることは出来ず、ちょっと端折りながら見学。神殿やローマ浴場の跡に建てられたという複数のバジリカや、聖パウロが投獄された牢屋などもありました。
モザイクも一部残っていたらしいのですが、見逃してしまったようです。

フォーラム全景。ローマ時代のマーケット跡にて「ここでケルト市をやろう~」などとついつい盛り上がってしまう野崎さんと私
こういうローマ、ビザンチンの古代遺跡は、添乗員時代、中東などでよく見ました。
シリア、レバノン、キプロスなどで見てきた遺跡群とオーバーラップして、当時のいろいろな思い出が脳裏をよぎる。90年代に添乗で何度も訪れた国々は、今や政情不安になってしまった地も多いのですが、出来ることならまた訪ねてみたいと近ごろ強く思うようになりました。
いつか行けるでしょうか。
この晩が短いギリシャ滞在の最後の夜で、野崎さんはお仕事で外出されたので、私はホテル近くのタベルナで夜の海を見ながらひとりラストサパーをしました。
タコ、チーズ、トマト、ナス、スイカ、トウモロコシ…といったおいしい食べ物については
初日のブログに書いたとおり。この時点で食べたいものはだいたい制覇していましたが、ひとつだけまだ食べていないものが。
地中海地方に来たら必ず食べたい、イカのフライです!

じゃ~ん、大きなぶつ切りのイカ揚げ!めちゃめちゃおいしくて食べ終わりたくなかった~笑
ちなみに奥にあるお皿はギリシャ風ナスのサラダ。焼きナスを刻んで、ガーリック、ピーマン、トマトなどと合わせた冷菜なのですが、こちらも忘れられない美味しさでした。
遺跡とイカで今回の旅の締めくくり。(「イ」だけ共通・笑)
ギリシャに来るのは3度目でしたが、今回がいちばんおいしくて楽しかったのは何故でしょう。パンデミックで待ちに待った海外旅行だったから?
飛行機に乗れただけで嬉しかったし、慣れない右側通行での運転さえも、その緊張感でアドレナリン値がぐんぐん上がっている感覚が快感でした(笑)。
コロナ禍の海外旅行、第一歩を踏み出してみて良かったです!
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