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ビクトリア時代の面影を残す海辺の町、ホワイトヘッド

先日、北アイルランドのゴビンズ(The Gobbins)のクリフウォークへ行った帰りに、近くの町ホワイトヘッド(Whitehead, Co. Antrim, Northern Ireland)に立ち寄りました。
19世紀末~20世紀初頭、ゴビンズを含む周辺地域の観光の拠点となったのがこの町。当時の面影を残す鉄道駅がありました。

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レンガ造りのレトロな駅舎。近隣の港町ラーン(Larne)~ベルファースト(Belfast)を結ぶ、現役の鉄道路線です

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ホームにある待合室。よく見ると、屋根の切妻部分がシャムロック模様☘☘☘

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ホームをつなぐレトロな橋はどうやら名所のよう。向こうに見えるのはアイリッシュ海。海沿いを走る列車はさぞかし眺めがいいことでしょう

ゴビンズのガイドさんが、ゴビンズ創業当時は鉄道チケットにクリフウォークの入場料が含まれていて、駅から送迎車が出ていたと言っていましたが、その駅というのはここだったのか、と分かりました。
当時は海辺のシーサイドタウンとして人気の保養地で、最盛期には町に7軒を数えるホテルがあったそう。現在のホワイトヘッドには宿泊施設は一軒もなく、ベルファースト(Belfast)やキャリックファーガス(Carrickfergus)など周辺のより大きな町に観光拠点が移ってしまったんですね。

ちなみに、駅の近くには鉄道博物館がありました。ここホワイトヘッドはアイルランド鉄道保存協会の本部のある町だそうで、鉄道ファンにはよく知られた地のようです。

線路の向こうは海辺のプロムナード。ダッチゲーブルのカラフルな家並みがなんとも素敵でした。

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張り出し窓のある正面の造りが、19世紀後半~20世紀初頭のビクトリア~エドワード時代の面影をよく伝えています

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まるでおもちゃの町かのような一角も!

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私たちはここで海とカラフルな家並みを眺めながら、駅の近くで買ったフィッシュアンドチップスを食べました。やっと見つけたレストランが予約がいっぱいで入れず仕方なくテイクアウトしたのですが、思いがけずフィッシュはフレッシュ、チップスもカリカリ!びっくりするほどおいしいフィッシュアンドチップスでした

この海辺のプロムナードも、ゴビンズを開発した鉄道エンジニアのワイズさんが手掛けたもの。(詳しくは過去ブログ参照
鉄道や駅を建設するだけでなく、利用する人々がより楽しめるよう、地元にビジネスが還元されるよう、駅のある町や周辺の観光資源も同時に開発&プロモーションしていったんですね。

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海水を仕切って作られた、いかにもビクトリア時代風のレトロな屋外プール。19世紀末、町を活気づかせるためのアトラクションとしてプロムナード沿いに建設されたもの

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民家にカエル…とギネス!カエルにギネスを備えるという知られざる北アイルランドの習慣か?…と思いきや、カエルではなく、庭仕事中のこの家の主の喉をうるおすためのものでした(笑)

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海ではさまざまなアクティビティーが行われていました。ヨットをこぎ出す人、泳ぎにやって来る人、写真はSUPを楽しむ若い人たちのグループ

町の外れには展望ポイントがあり、町の北側にある崖下のウォーキング道が見えます。

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この崖下の海沿いにあるのがブラックヘッド・コースタル・パス(Blackhead Coastal Path)。崖の上にはにブラックヘッド灯台(Blackhead Lighthouse)が。名前の由来は、ホワイトヘッドまでは(白い)石灰岩質、そこから先はゴビンズを含め(黒い)玄武岩質だから

ブラックヘッド・コースタル・パスは、ゴビンズに先がけて19世紀末、やはりワイズさん主導で開発されたウォーキング道です。ここもぜひ歩いてみたい。
都市ベルファーストや、世界遺産ジャイアンツ・コーズウェイといった有名観光地の影に隠れがちなこのエリアですが、はっとするほど美しい景色の連続にあらためて魅せられました。
今後、機会あれば再訪して、さらに探索したいなあと思いました。
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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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