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おかえりなさい、ボート競技のメダリストたち!

オリンピックもそろそろ前半終了、アイルランドはこれまでのところ、ボート競技で金1&銅1、ボクシングで銅1の、3つのメダルを獲得。残念ながらメダルには手が届かなかった昨日の男女混合リレー、本日の体操あん馬やゴルフなど、決勝進出またはギリギリのところまでいった競技も多く、人口500万人弱の小国としてはなかなかの健闘ぶりと言えるのではないでしょうか。
(日本のメダル獲得数は今のところトータル30個くらい。アイルランドの人口は日本の25分の1ほどですから、アイルランドのメダル3個は、日本の75個に相当!笑)

そのメダル受賞者の帰国第一号として、ボート競技でメダリストとなった6名が本日午後、東京からドーハ経由でダブリン空港に到着しました。
男子ダブルスカル金メダリストのポール・オドノヴァン(Paul O'Donovan)選手とフィントン・マッカーシー(Fintan McCarthy)選手、女子クオドルプルスカル銅メダリストのエミリー・へガティー(Emily Hegarty)選手、フィオナ・マータ(Fiona Murtagh)選手、イーマー・ラム(Eimear Lambe)選手、アフリック・キョー(Aifric Keogh)選手。
限られた数のメディアや家族たちが空港で出迎え、「メダルを取っても取らなくてもあなたたちは誇りよ~」と温かく迎える様子が報じられました。

Tokyo 2020: Ireland's Olympic rowing medal winners return homeRTE
おかえりなさい、メダリストたち!若さ弾ける元気な選手たち、とっても嬉しそう。写真はTokyo 2020: Ireland's Olympic rowing medal winners return home (RTE News) より

ボート競技はアイルランドの得意とするところで、前回のリオ・オリンピックでも、今回金メダルに輝いたポールと、ポールのお兄さんガリー(Gary)のオドノヴァン兄弟コンビが銀メダルを持ち帰っています。
今回のオリンピックでは補欠選手含む17名がボート選手として東京へ行きましたが、そのうちの6名がアイルランド南西部ウェスト・コークの人口2700人の小村スキバリーン(Skibbereen, Co. Cork)のボートクラブ出身というのがスゴイ。
金メダリストとなったポールとフィントンはじめ、銅メダリストのひとりエミリー(ポールの3rd cousin=みいとこ、だそう)、女子ダブルスカルに出場したイーファ・ケーシー(Aoife Casey)選手、そして男女それぞれのダブルスカル補欠だったポールのお兄さんガリーとリディア・ヒーフィー(Lydia Heaphy)選手。小さな村のクラブから多数のオリンピック選手を輩出し、前回今回合わせて3つのメダルが持ち帰られ、今やスキバリーンは世界のボート競技のメッカに!

ウェスト・コークは美しい入り江が連なる風光明媚な地で、主要都市から離れた田舎だけれど、歴史的・伝統的に人々がオープンマインド。
スキバリーンは小さな村ながらボートだけでなく、GAA(アイルランド国技)も盛んで、スポーツでの青少年育成に村をあげて力を入れているようです。ボート競技は長身の方が有利なため、コーチは常に村の背の高い子どもをスカウトしているんだ…と、クラブのOBである元競技者が笑いながらTVで言っていました。
ポール&ガリーのオドノヴァン兄弟はリオでの銀メダル受賞後、同じアイルランド人にも理解不可なほどの(笑)強いコーク訛りのインタビューとそのリラックスした人柄で話題となりましたが、フィントンにも双子の兄弟がいて、やはり兄弟そろって世界レベルのボート競技者だそうです。


金メダルをかじるフィントンと、インタビューの受け答えがいつも笑えるポール↑

今回もやはりスキバリーン・コンビの面白さ健在で、とくにポール、訛りだけでなく、長髪&ひげの隠遁者アスリートみたいな風貌から醸し出される雰囲気も最高でした。金メダル受賞直後のインタビューでは、勝因は「(準決勝でボートから落ちた)スウェーデンみたいに落ちずに、ボートにとどまっていたから」って言ってました(笑)。
身近で2人を撮影し続けているスポーツカメラマンによると、勝利の直後、ポールはフィントンの方へ振り向いてひと言、「Savage…」とつぶやいたそう。日本語にすると「ヤバい…」って感じのスラング(笑)。

ダブリン空港到着時も、ほかのみんなは首からメダルをかけているのに、ポールだけはかけていませんでした。「日本に比べてここは涼しくていいねえ」とか言って、まるでメダルなど人ごとかのよう(笑)。
おそらく記者が「メダルはどこ?」って聞いたのでしょう、「ミスター・オドノヴァンは、メダルはバッグの中に入れたままであると認めました」と、のちほど記事に書かれていたのが笑えました。
もしかしてそこには、以前に彼がインタビューで言っていた「メダルのためだけに競技をしてるわけじゃない」というフィロソフィーがあったのかもしれず、今回補欠で出場できなかったお兄さんのガリーへの気遣いもあったのかな…なんて深読みしたりしてしまいましたが、やっぱり単にバッグに入れっぱなしなだけだったような気もする(笑)。

メダリストたちは今夜それそれの地元へ戻り、密にならない程度のささやかなパレードなどで歓迎されたようです。
スキバリーンには、フィントンとエミリーが車で到着。村を通る様子がSNSで伝えられましたが、そこにポールの姿はありませんでした。ポールのお母さんがインタビューで、「息子のひとりが金メダリストになったのは嬉しいけれど、もうひとりの息子は出られなかったのでちょっと複雑…」と言っていたのを思い出し、お母さんの気持ちを考慮して人目につかないように別行動したのかな…なんてまたまた深読みしたくなりますが、きっと違う気もする。今ごろポールはどこにいるのでしょうか(笑)。

いずれにしても、スキバリーンの村は温かな「おかえりなさい」ムードに包まれているよう。
村の中心には手作りのオリンピック広場が作られ、ボート・クラブはポップアップショップをオープンして記念Tシャツなどを販売しているとのこと。オリンピック町おこしにも積極的なようで、なんだか私もスキバリーンに行きたくなってきました!

skibereenolympicrowing
スキバリーン村より。ポール&フィントンはアイルランドのオリンピック史上10組目の金メダリストとなります。私もここで記念撮影したい~!写真はPics: Cork's Olympic heroes are back on Irish soil (Echo LIVE.ie)より
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コメント

sima-s

「メダルを取れても取れなくても、選手たちは私たちの誇りである」「メダルのためだけに競技をしているわけじゃない」ああ、どこの国のどこの人も、こうであってくれたなら良いのに、と涙が出そうになりました。というより、オリンピックは本来そういうものであったはずだと思いました。

naokoguide

sima-sさんへ
そうですよね、本来オリンピックって、なんかこう清々しく、温かく、感動的なものですよね。
今回コロナ禍の開催ということでいろいろな意見があったおかげで、個人的にはより着目し、オリンピックとは何ぞや、ということをあらためて考える良い機会となりました。
オリンピックが通常のスポーツ競技会と違うのは、スポーツという全世界参加の文化イベントだからなんだってこともあらためて認識しました。
競技だけでなく、各国の選手たちのバックグランドや素顔の報道も興味深いですよね。練習用のプールがないので普段は海で泳いでます、タイムが計れないのが難点です、って言ってるソロモン諸島の競泳選手とか!
アイルランドの体操あん馬の選手が、メダルを逃した決勝のあと、悔しさを押さえながら「前向きに頑張ってここまでこれたことが自分にとっての勝利です」ってきっぱり言い、それに感動したアイルランド首相がその言葉をツイートしたことに感動しました。
選手たちにとっては、勝っても負けてもかけがえのない経験。そこを大事に見守れる世の中でありたいものです。
非公開コメント

naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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