ついにアイルランドでも、感染力が極めて強いというデルタ変異株が深刻に懸念されるようになり、制限緩和に足止めがかかりました。
来週7月5日より、レストランやパブなど飲食店の店内飲食の再開を含むさらなる緩和が進められる予定でしたが、NPHET(政府の公衆衛生緊急チーム)の、(このまま緩和を進めれば)「9月には新規感染者が日に7000人にのぼる(現在300~400人台)」、「楽観的に見積もっても、9月までの数ヶ月で2000人の死者が出る」といった非常に厳しい科学的知見や提言を受け、本日ミホール・マーティン首相は予定していた緩和の一部を延期することを発表しました。
店内飲食の再開は、最低2週間の延期。7月19日までに見直しされるとのことですが、ついにお店を開けられる!と期待して準備していたレストラン業者、パブのオーナーたちは落胆&怒り心頭。
店内飲食が出来るようになっても、ワクチン接種済みの人、もしくは、コロナウィルスに感染して回復した人のみに限るとの新しいプランも発表され、波紋を呼んでいます。不公平ではないか、とか、ワクチンを接種したくない人(健康上の理由で出来ない人)への差別になるのでは、とか。
飲食店の怒りは政府も当然予測したでしょうから、それでも延期させなければならないほど、このまま緩和を進めるのは危険であり、それだけ切迫した状況であるとも言えます。
下記、7月5日から延期・変更される、もしくは予定通りに実施される主な内容です。
※参照→
What Covid-19 restrictions will apply next month? (RTE News) など
●7月5日~
【当初の予定から、延期・変更】
・
レストランやバーでの店内飲食の再開→延期・
個人宅へはほかの3世帯まで訪問して良い→ワクチン接種済みの人は人数の制限なく屋内で会って良い・
ほとんどの屋内イベントは最大50名まで参加可。厳格な公衆衛生対策が実施されている大規模会場でのイベントは、最大100名まで可→延期・
屋内でのトレーニング、エクササイズ、ダンスなどの活動は、最大6人までのポッド(グループ)で行って良い)→延期【予定通り、緩和を実施】
・結婚式の披露宴は50名まで参加可
・ほとんどの屋外会場でのイベントは最大200名まで参加可。5,000人以上収容可能な屋外会場は最大500名まで可
7月19日からはEU全体の枠組みの中でのデジタル・サートを運用した海外渡航が始まりますが、アイルランドの公衆衛生チームならびに政府は、不要不急の海外渡航は避けるべし、とのアドバイスを出しています。
海外旅行には行けるけど、行かない方がいいですよ、といった、強制力を伴わない、日本で言うところの「自粛」。いよいよ感染対策も、個人の判断にゆだねられる部分が大きくなってきたということでしょうか。
ワクチンの接種状況ですが、アイルランドは成人の41パーセントが接種を完了したとのこと。接種順位は40代におりてきていますが、ここで少々停滞気味のようです。
というのも、アイルランドでは49歳以下にはアストラゼネカ社とジョンソンアンドジョンソン社のワクチンは使用しないとしていたから。この決定は見直されることになったようで、若年層へのワクチン接種を加速して、なんとかデルタ変異株に追いつかれないように政府も必死です。
とは言え、この変異株とやらはワクチンを接種しても感染するケースが次々確認されているそうで、困ったものです。なんだか目に見えない大きな敵が迫ってきているかのような不気味さ…。
今回の緩和延期が功を奏して、第4波を避けられることを願うばかりです。

なんともさわやかな夏の夜。首都ダブリンとは言え、下町風情の残る私の住む界隈では、暑い日の夕方はみなドアを開け放して隣り近所とおしゃべりしながら家事をしたり、花の世話をしたりしています。私がくしゃみをしたら、隣りの家から「Bless you!」と聞こえてきた!子どもやネコが駆け回っているわ、まるで昭和の時代の長屋暮らしかのよう~笑
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