今日は夏至。北半球では昼の時間が一年でもっとも長くなる日ですが、緯度の高いアイルランドでは、この時期の日の入りは夜10時前後。妖精や魔女がとくに活発になる、マジカルな時でもあります!
アイルランドには古代の太陽信仰との関連が示唆される巨石遺跡が数多くありますが、冬至の朝日が差し込むニューグレンジ遺跡など、いずれも春夏秋冬の太陽の動きに合わせて建造されています。
夏至の夕日が差し込むのはスライゴの
キャロウキール巨石古墳(Carrowkeel, Co. Sligo)。
※過去ブログ→
キャロウキール巨石古墳群(2009年4月)
今年の夏至はぜひともキャロキールで沈む夕日を眺めたかったのですが、あいにくスライゴまで行く時間が取れず。代わりに、夏至前夜の昨晩、ダブリンからほど近い古代アイルランドの聖地、タラの丘(Hill of Tara, Co. Meath)へ出かけ、アイルランド島の4分の3が見渡せる!と言い伝えられる丘の上で夕暮れ時を過ごしました。

夜9時半ごろ、丘に到着。まだまだ青空が残る中、北西の空がサーモンピンクに染まり始めていました

南西の空には半月が輝いてとてもきれい
この時期、日の入りは夜10時ごろ、日の出は朝5時ごろですから、夜は1日の3分の一以下…ということになります。
天気が良ければ、本当に暗闇になる時間は4時間くらいしかないでしょう。
タラの丘の夕日と言えば、2年前の6月、空が燃えるようなオレンジ色に染まるのをお客様とご一緒に眺めたことが忘れられません。
タラの丘で夕日…なんて、『風と共に去りぬ』の一シーンみたい。夕日に染まるタラ農場を見つめながら、アイルランド人のお父さんが「土地こそがすべてじゃ~」とスカーレットに語る、あの名シーンが思い出され、頭の中では「タラのテーマ」がずっと流れていました。(笑)
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タラの丘に夕日が沈む…(2019年6月)
昨晩も夕焼けを期待しましたが、残念ながら太陽は雲の中へ隠れてしまい、空が焼けることもなければ、沈む夕日も見ることが出来ませんでした。ひとつとして同じ夕暮れ時はないわけですから、それはそれできれいでしたが。

日の入り時刻の夜10時ごろ。多くの人が丘にすわって暮れゆく空を眺めていました

丘の中央にある「運命の石」。古代ケルトの時代、王にふさわしい人が選出されるとこの石が叫びをあげた…と言い伝えられています
タラの丘は近年、アイルランドのグランストンベリーのような立ち位置になってきて、夏至には古代宗教に傾倒する人たちが集まったりします。昨晩も(コロナ禍にも関わらず!)結構な人が集まって集会を行ったり、キャンプをしたりしていました。
明るい夏の夜、皆さんも妖精や魔女のいたずらにご注意を!☘
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