通訳の仕事で工事現場に立ち入る必要があるため、国が定めるヘルス&セーフティーの一日講習を受けに行きました。
アイルランドの建築/製造現場で仕事をする人はすべて、職種に関わらず、この講習を受けてセーフ・パスをもらわなくてはならないよう。日時と場所を指定され、ランチ持参との注意点だけはしっかり聞き逃さず、お弁当を持ってピクニック気分で出かけた私は、会場に着くまで何をするのか実はよくわかっていませんでした(笑)。
午前中の休憩とランチタイムをはさみ、朝から夕方までびっしりのスケジュール。すでに現場経験はあるけれど、アイルランドで仕事をするためのパスが必要という外国人が数名、見習い志望のティーンエージャー、建設会社で機器の受注を担当することになったという若者…など、年齢、国籍、バックグランドの違う10名が同じ教室で机を並べました。
久しぶりに教室で先生のプレゼンを見聞きしてノートを取ったり、質問されて答えられたり、答えられなかったり…というのは新鮮で楽しかったけれど、内容が自分の興味のあることだったらもっと集中できたかも(笑)。
学校の勉強に興味を持てず、先生の言ってることがさっぱり頭に入ってこないのにすわっていなくてはならず、早く休み時間にならないかな~、給食まだかな~って思っている小学生の気分でした。
こんな生徒で申し訳ないくらい、先生は熱心で面白い方でした。現場をリタイアしたこの道数十年のベテランで、現職時代の実例を引き合いにいろいろな体験談をしてくださったのが良かった。
工事現場でなくとも役に立つ話もあり、例えば、気が急いている時に集中が切れて事故を起こしやすいので、とにかくテイク・タイム(時間をかけてゆっくり)を心がけ、たとえ上司にせかされても安全を優先すること、とか、職場に怒りっぽい人や気難しい人がいても、怒り返さず、一歩引いて気長に構えるべし、その人は何か事情があって自分自身に怒っているだけだから、とか。(かつてそういう同僚がいたが、あとで分かったことには、離婚調停の真っ最中だったそう…)
先生、いいこと言うなあ、これを聞いただけでも今日来た甲斐があったなあ、と思いました。
コロナ禍でこういう講習がどのように運営されているのか、それを体験できたことも貴重でした。
政府が定める規定に従い、マスク着用、ハンドサニタイザーはもちろん、教室の机は1メートル間隔で並べられ、通常より少人数で開催。休憩、ランチは別室で、私たちが使用するたびに職員の人が消毒してくれていました。
教室の机の下には専用ゴミ箱が設置され、プリント類はクリアケースに入れて開催の24時間前から机の上に放置。講習中に具合が悪くなった人が行く、プレハブの隔離室まで準備されていました!
(幸いにも一度も使用していないそうです)
政府から支給される再オープン費用はこういうところに使用されているのか…と実感。
長い1日の終わりにテストがありました。落ちてやり直しになったら仕事をくださった会社に申し訳ないなあ~と心配でしたが、無事に合格。あー、良かった。
講習中はさっぱり頭に入っている気がしなかったのに、先生の教え方が良かったのでしょう、まるで睡眠学習でもしたかのようにテストを受けたら出来ていた…という、何やら魔法じかけの講習会でした。
さすが魔法と妖精の国、アイルランド☘

今日は雨降り。長い1日を終えて自宅に戻ると、メアリーローズが朝よりもたくさん花開いて迎えてくれました♪
- 関連記事
-
コメント