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3種のブルーベル見分け方、ボタニック・ガーデンズにて

近所で見かけるブルーベルの花が森に咲くものとはずい分雰囲気が違うので、気になって調べたら外来種であることが分かり、ちょっぴりだまされた気分に(笑)。花には悪気はなく、外来種もそれはそれできれいではあるのですが。

北西ヨーロッパ原産のブルーベルの花。アイルランドの5月の風物詩で、魔法が宿るとか、花を鐘に見立てて鳴らすと妖精がやって来るとの言い伝えも。
アイルランド島には3種のブルーベルが自生していて、アイルランド・イギリス土着の在来種、スペイン・ポルトガル由来の外来種、その2種が掛け合わさった交配種があり、大きさ、花の付き方、おしべの色などで見分けられます。
3種の違いを分かりやすく説明した動画(英語)がありましたので、見分け方をまとめてみました。



【在来種】アイリッシュ(ブリティッシュ)・ブルーベル(Hyacinthoides non-scripta)
花の色が濃い、花は茎の片側に釣り下がる(そのため、花茎が湾曲する)
花はチューブ型で花びらの先が反り返る
おしべがクリーム色
葉の幅が細い
香りが強い

【外来種】スパニッシュ・ブルーベル(Hyacinthoides hispanica)
土着のものより背が高い
花の色が薄い、花は茎の両側に釣り下がる(そのため、湾曲せず直立)
花はベル型で花びらが開いている
おしべはブルーで、時間が経つとクリーム色になる
葉の幅が広い
香りはほとんどない

【交配種】(Hyacinthoides × massartiana)
土着のものより背が高い
花の色・付き方・おしべの色は上記2種のどちらもあり
葉の幅が広い
香りはほとんどない

ボタニック・ガーデンズ(National Botanic Gardens, Dublin 9)で今ブルーベルが咲き誇っていると聞き、早速この見分け方を実践してみよう!と、出かけてみました。

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自宅から片道5~6キロ。ランニングがてら走って行き、途中で友人ディヴィッド&クリスティーンと合流して園内を一緒に散策しました。藤の花が咲き始めた入口ゲート

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入口を入ると、そこはまるで小さなキューケンホフ!チューリップの見事な花壇に目を奪われました

さて、園内の森の方へ歩いて行き、香りの強い在来種に出会えることを願いつつ、ブルーベル探しをしました。

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こちらは外来種のスパニッシュ・ブルーベルの特徴ズバリ。背が高く、花は茎の両側に付き直立、花色は薄く、花びらがベル型に開いています。極めつけはおしべがブルー。香りはまったくしませんでした

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こちらは花茎が垂れ下がっているので、もしや在来種では…と思うものの、花のかたちはチューブ型ではなくベル型。花びらも在来種にしては広がりすぎ。周囲の花よりはアイリッシュ寄りだったので、スパニッシュよりアイリッシュの血を多めに引いた交配種なのでしょう。在来種でない証拠に香りもありませんでした

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ときどき白い花もあってきれい。これはスパニッシュでしょうか

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そしてピンクも。こちらはきっと交配種?

そして、かなり探し回りましたが、在来種らしきブルーベルは園内では見つけられませんでした。外来種の勢いにおされ、ダブリンではもはや見られなくなっているのでしょうか。
参考までに過去にアイルランド西部の森で撮影したアイリッシュ(イングリッシュ)・ブルーベルの写真です。花の形を比べると違いが顕著です。

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3年前、スライゴの森で撮影した在来種。花がチューブ型で花びらが反り返っていますね。過去ブログ参照→ブルーベルの森とマス・ロック(2018年5月)

こちら古い記事ですが、ロスコモンのロックキイ森林公園(Lough Key Forest and Activity Park, Co.Roscommon)もこの時期、アイリッシュ・ブルーベルで森が一面染められます。
ブルーベルの季節となりました(2010年5月)

そんなわけで、残念ながらアイリッシュ・ブルーベルには出会えなかったのですが、外来種、交配種との見分け方はバッチリ会得しました。
そして、あれこれ見ているうちに、雑種とも言える交配種がなかなかいいなあ…と思い始めました。スパニッシュとアイリッシュ(ブリティッシュ)のミックス。お父さん似だったり、お母さん似だったり、それぞれ違って面白い。
白やピンクに色が変わってしまうのも、何か事情があるのでしょうね。お父さんの浮気がバレちゃった…みたいな感じ?(笑)

植物園にはそろそろ、セイヨウシャクナゲが咲き始めていました。シャクナゲは花色により開花時期がずれるので、ブルーベルに比べ花の見ごろが長く、これから6月初旬まで見られるでしょう。

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鮮やかなサーモンピンク

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ほんのりピンクがかかった白も素敵です

明日より大幅に制限緩和が行われ、県外へ移動できるようになります。未練がましいようですが、花の時期が終わらぬうちにアイリッシュ・ブルーベルが咲き誇る森へも出かけようと思います!
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コメント

Yama

いま花盛り 
動画、よくわかりました。背景の林の植物にも目を凝らして楽しみました。ありがとうございます。読者のなかで一番喜んだのがワタシかもしれません。
本物のブルーベルをいつか見てみたい、と憧れています。

スパニッシュ・ブルーベルが今庭で満開です。移植しようと土を動かしたせいで、庭に散らばった小さい球根からアチコチで花を咲かせています。ブルーとピンクと白の花の3種類。おまけにこの球根には「牽引根」があって、上下左右に動き回るのです。牽引根の形は、スクリュードライバーと同じ。回転の方向を変えることで動くのです。
あまった球根をよその土地に放り投げておいたら、いま隣の林で花盛り。そのうち動画の林のようになるかもしれません。隣の芝生は青い、林に放り投げたほうが綺麗に咲いていて、あわてて回収に忙しくしています。
その林で鳴いているのはスズメの仲間の「ウソ」。うそぶくはこの鳥の鳴き声からきています。

naokoguide

Re: いま花盛り 
Yanaさん、こんにちは。
この動画、よくわかりますよね。おしべの色が違うというのに感動しました。
「ウソ」ぶく鳥のウソ、とってもきれいな鳥なんですね。色とりどりのスパニッシュ・ブルーベルに鳥のさえずり、日本の里山も素敵だなあ、と想像をめぐらせています♪
非公開コメント

naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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