ついに発表されました、ロックダウン後の制限緩和のロードマップが。
3ヶ月に及んだ半径5キロ圏内の移動制限も、あと2週間弱でついに終了。4月12日より、居住県内(県境在住者は半径20キロ圏内)に行動範囲が広げられることが昨晩正式に発表されました。
もはや高望みしません、まずは県内の山や海へ自由に行けるようになるだけで嬉しい!
以下、昨日発表された、制限緩和のロードマップの主な内容です。
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Changes at a glance: From sport to meeting friends(RTE News)など参照
●3月30日~
・ワクチン接種が完了した人(※)は、ほかの一世帯の接種完了者と、マスクをせず、2メートルのソーシャルディスタンスも保たず、訪問し合い、屋内で会って良い
(※)2度の接種のあと2週間を経過したら、ワクチン接種完了とみなされる
●4月12日~
・移動は、これまでの半径5キロから、居住県内(県境在住者は半径20キロ圏内)へ拡大
・ほかの一世帯と屋外で会って良い(自宅の庭はダメ)
・全生徒が学校へ登校、教室での全授業再開(現在は一部の学年のみ登校)
・住宅工事再開、就学前児童やチャイルドケアに関するプロジェクト再開
●4月19日~
・ナショナル・レベルのGAA(国技の球技)のトレーニング、および、試合再開(シニアに限る、20歳以下はダメ)
・スポート・アイルランド(スポーツ発展のための政府機関)が認定するような、高度な競技者のトレーニング再開
●4月26日~
・屋外スポーツ施設の再開(ゴルフ場、テニス・コートなど)
・屋外の観光施設の再開(動物園、ペット・ファーム、史跡など)
・18歳以下による屋外で行う非接触スポーツのトレーニング再開(ひと群れ15人まで)
・葬儀への参列者は、これまでの10人から、25人に拡大
●5月4日~ ※感染状況により見直しの可能性あり
・すべての建設現場の再開
・小売店は、屋外店舗から段階的に再開
・美容院、床屋など、直接的な接客を伴うサービスの再開
・宗教の集いの再開(教会のミサなど)
・博物館、美術館の再開
●6月中
・それまでの進行状況により、ホテル、B&B、ゲストハウスの再開を検討
●7月/8月中
・大多数の国民がワクチン接種を完了することで、さらなる再開が見込まれる
今回の発表のいちばんのポイントは、ワクチン接種が完了したら、完了した人同志は家を訪ね合うなど屋内で社交出来るようになるという点。「ワクチン・ボーナス(Vaccine Bonus)」と呼ばれ、アイルランドはこれを導入した、世界でも数少ない国のひとつだそう。
ワクチンは現在、70代の人が一回目の接種を、80代以上の人がそろそろ2回目の接種を終え始めています。遅れが指摘されるものの、それはイギリスと比べるからで、日本と比べて考えがちな私にはそれほど遅い気はしません。EU内の国別接種順位ではアイルランドは真ん中くらい。
4月以降は配給が増えてペースが加速するそうですから、接種完了者の輪が徐々に若年層に広がり、「ワクチン・ボーナス」により社交グループが拡大していくことになります。このことは裏を返せば、ワクチンを接種しないと他者との社交も出来ない世界になる!…ということに。
一方、職業によるワクチン接種の優先順位が取り払われることも発表されました。これまで優先順位が高いとされていた学校の先生なども、ほかの人と同様に年齢による接種の順番を待つことに。
職業上の優先者を選別するのが困難であるという理由のようですが、ソーシャルディスタンスを保つことがほぼ不可能な環境で日々子どもと接している小学校の先生などには年齢による優先順位の低い若い方も多いため、落胆と反発の声があがっているようです。
新規感染者数のグラフは、ここへきてプラトー(台形)、もしくは、ちょっとだけ右肩上がり。変異株が手強く、昨年と同じ制限をしているのに効果が薄いのです。
それでも政府は、これ以上のロックダウンは国民のメンタルヘルスの点からもう限界…と判断したのでしょう。厳しい制限の最後のひと押し、その先を楽しみに待ちましょう、と前向きな姿勢が強調されましたが、一方で政府の公衆衛生チームは第4波の危険があり得ることも指摘しています。
あとはもう、ワクチン頼み。この2週間が最後の半径5キロ圏内の暮らしになりますように!

昨日のダブリン湾。白いヨットが希望の象徴かのように浮かんでいました
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