プランクトンさんのケルト情報サイト「
ケルティック・ジャイア」で、アイルランドのロケ地/ゆかりの地めぐり第3弾として、今度はゲーム作品「Fate」シリーズのキャラクターゆかりの地を紹介させていただきました。
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「Fateシリーズ」キャラクターゆかりの地を巡る旅(ケルティック・ジャイア)
「Fate」シリーズとは、2004年にコンピューターゲームとして発売された「Fate/stay night」をはじめとする一連のゲーム作品。2015年にスマホゲームの「Fate Grand Order」がリリースされ、より広く知られるようになりました。
今や漫画やアニメ、映画にもなり、大変な人気なのだとか。
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Fate/Grand Order 公式サイト→
劇場版 Fate/stay nightこのゲームにはケルト神話の英雄たちが数多く登場しており、「Fate」からケルトやアイルランドに興味を持つ人が増えているのだそう。
そう言われてみれば過去数年、クーフーリンゆかりのナーヴァン・フォートへ行きたい、とか、ディルムッド終焉の地であるベンブルベンを見たい、といったご依頼の頻度が高まっていました。そのお客様たちの多くが「ゲームがきっかけで…」とおっしゃっていたのですが、それがこの「Fate」だったのか!と今さらながらつながったのでした。
キャラクターの一覧などを見ると、ケルト神話のほか、アーサー王伝説のランスロットとか、ギリシャ神話のヘラクレスもいる!
かと思えば、ドラキュラのヴラド公とか、マリー・アントワネット、ジャンヌ・ダルク、レオナルド・ダ・ヴィンチ…といった実在の人物も混ざっていて、なんと、沖田総司までいるではないですか。
これはもう、驚きの世界観。神話や歴史を国も時代も越えてゴタマゼにし、それを再構築してしまう創造力がスゴイ。ゲームの内容はいまだによくわからないけれど、この世界観こそが、世にいうダイバーシティーなのでは…!
今の若い人たちがこのボーダレスな感覚をすんなり受け入れて、ここから国内外の神話なり、歴史なりに興味を広げているっていいなあ、と思いました。
かくいう私も、ケルト神話には漫画で親しみました。
添乗員として初めてアイルランドに来ることになった20数年前、同僚のひとりが貸してくれたのが、
『爆笑ケルト神話』(シブサワ・コウ編、光栄)。
英雄クーフリン、フィーアナ騎士団のお通りだい、グラニアとダアモオト、妖精はどこから来るの?、ケルト民族解剖…など全10章とコラムからなる漫画イラスト満載の一冊で、ケルト神話の理解に多いに役立ちました。
のちに自分用にも購入し、カバーは若干色褪せましたが、今もときどき参照しています。(現在、絶版)

私の愛蔵ケルト神話関連書を、3冊並べてみました♪
上記写真のほかの2冊について。
写真右の
『ケルト事典』(ベルンハルト・マイヤー・著、鶴岡真弓・監修、平島直一郎・訳、創元社)は、4000円以上もする翻訳書で、タイトルの通り、ケルトのすべてがアイウエオ順で掲載された事典です。
昨年、初版から20年を経て突如として売り上げが上昇し、出版元もびっくり…と話題なった書ですが、なんと、「Fate」シリーズの人気でケルト・ファンが急増したことが原因だったよう。
そのニュースをSNSかどこかで見て、この本どこかで見たことあるなあ…と思ったら、自分の本棚にありました(笑)。いつ買ったのかもすっかり忘れていましたが、人気の本なんだ!と再認識し、ときどきページをめくっています。かなり学術的でマニアックな一冊ですが、ケルト好きなら持ってて損なし。
そして、写真左の
『ケルトの白馬』(ローズマリー・サトクリフ・著、灰島かり・訳、ほるぷ出版)は、気軽に読めるヤングアダルト向けの歴史ファンタジー小説です。
4年前の夏、イングランド、ウェールズ、アイルランドの聖地を訪ねる旅をご案内させていただき、
この物語のテーマである「アフィントンの白馬」を見に行ったのです。そのときのお客様が「この物語を読んでここへ来たかったのです」とプレゼントしてくださったのがこの本です。
ローズマリー・サトクリフ(Rosemary Sutcliff、1920-1992)と言えば、中学生か高校生のときに『
思い出の青い丘』という自叙伝を読み、児童文学作家としてその名を記憶していました。ローマ時代のブリテン島を舞台とする物語は数冊読んだ記憶がありますが、ケルト絡みの作品は当時まだ翻訳されておらず、存在を知りませんでした。
ですので、大人になってまさかケルトつながりでサトクリフに再会するとは思いもよらず、とても懐かしい気持ちに。
サトクリフはクーフリンやフィンマックールを主人公にした物語も書いています。やはり「Fate」の影響によるケルト・ブームのおかげでしょうか、昨年、新装版コレクションが出版されました。
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強く生きた少年たちの物語 サトクリフ・コレクション 新装版近いうちに取り寄せて読みたいと思っていますが、今夜のところは手元にある『ケルトの白馬』を再読しようと思います。一度読んだきりで内容を忘れてしまったし、「Fate」シリーズを知って、私もケルト・ブームにすっかり巻き込まれたので!
(仕事柄、いつもケルト・ブームのつもりだったのに…笑)
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