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フィル・ライノットが育ったクラムリンをめぐる

今日はFMまつもとのラジオの収録。いつもお世話になっている旅と音楽の番組「Hickory Sound Excursion」に再び呼んでいただき、信州・松本とダブリンをSkypeで結んでパーソナリティーの久納ヒサシさんとお話させていただきました。
今回のトークは、当ブログでもしばしば話題にさせていただているアイルランドの伝説のロックバンド、ティン・リジィ(Thin Lizzy)のフロントマン、フィル・ライノット(Phil Lynott, 1949-1986)について。私の好きなフィルとリジィの曲をかけていただきながら、フィルへの想いや、曲とダブリンの関係など、思うままに語らせていただきました!
放送日など詳細は追ってお知らせ致しますね。

ここ数年、リジィの結成50周年で記念切手が発売されたり、フィルの生誕70周年の記念コイン発行、そして今年は没後35周年…と節目の年が続き、静かな再ブームの兆し。
相次ぐロックダウンで公開が延期され続けているフィルのドキュメンタリー映画『Phil Lynott: Songs For While I'm Away』も、次に映画館が開く時にはきっと…と期待しているのですが。

昨年12月には映画公開に先駆けて、フィルが育ったダブリン市内クラムリン(Crumlin, Dublin 12)の家に記念プレートが取り付けられ、ご遺族などが集まって除幕式が行われました。→WATCH Plaque honouring Phil Lynott unveiled at childhood home in Crumlin
我が家からほんの2キロほどのところなのに、そういえばまだ見に行っていなかったなあ、と思い立ち、収録後に出かけてみることに。
雪の舞う寒い日でしたが、ランニングしながら、フィルが少年時代を送ったクラムリンゆかりの地めぐりを楽しみました。

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ここがフィルが育ったレクラン通りの家(Leighlin Road, Crumlin, Dublin 12)。長屋のように連なるテラスド・ハウスの一軒。フィルのお母さんフィロミーナさんのご実家で、イギリスで仕事をするお母さんと離れて、祖父母と暮らしていました。今は血縁関係のない別の方が住んでおられます(番地はフィルの伝記『My Boy: The Philip Lynott Story』には書いてありますが、プライベートな住宅であり、昨今のニュース報道では明かされていないので、あえてここにも記さないことにします。ファンの方で見に行きたい方は個別にご連絡ください♪)

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「フィリップ・パリス・ライノット(1949‐1986)、ミュージシャン、ここに暮らした」と記された、ダブリン市の記念プレート。アイルランドではみなフィルの生前から「リノット」と発音してきましたが、最近「ライノット」と正されつつあるので私もそうすることにしました

ごく普通の住宅地なので、勝手に写真を撮るのもなんだか怪しい人みたいで嫌だなあ、と思い、許可をいただこうと玄関をノックしてみたもののお留守でしたので、敷地に入らない距離から撮影させていただきました。
イギリスを根拠地として音楽活動をしつつも、自分はアイルランド人で、ダブリン出身で、クラムリン出身である!とことあるごとに話し、そこにアイデンティティーを見出していたフィル。
1950~60年代、ダブリンでほぼ最初の「肌の黒いアイリッシュ」としてここで育ち、この通りを駆け回ったんだなあ、と感慨深い想いでした。

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このすぐ近くのサンドライブ・ロード(Sundrive Road)には、アイルランド国旗の3色を背景にしたフィルのドローイングが。エーモン・ケント公園(Eammon Ceannt Park, Crumlin, Dublin 12)の、この通り沿いにある2つの入り口のうち、南の入り口にあります

走りながら、フィルが通った中・高等学校前も通ってみました。

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クロハー・ロード・コミュニティー・カレッジ(Clogher Road Community College)、通称セント・ケヴィンズ・カレッジ(St. Kevin's College)。建物はフィルがいた頃と同じではないかもしれませんが

一昨年、フィル生誕70周年の記念コイン発行を祝って、マイケル・D・ヒギンズ大統領がこの学校を訪問。学校のブラスバンドがフィルとリジィの曲を演奏してお迎えしたそうです。→President Higgins Honours Legendary Singer Phil Lynott at his former Dublin School
ヒギンズ大統領が熱烈なフィルのファンであることを私は知っています!2015年、お客様をご案内して大統領官邸を訪問した際、執務室の壁に在りし日のフィルとローリー・ガラハーの巨大白黒写真が飾られているのをこの目で見ましたから。(笑)

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近くにある聖バーナデット教会(St. Bernadette's Church, Clogher Road, Crumlin, Dublin 12)。フィルのお母さんもフィルもこの教会へ行ったのかな…

ホウス(Howth, Co. Dublin)にあるフィルのお墓や、お葬式が行われた教会、シティセンターにある銅像など、有名になってからのゆかりの地へは何度も足を運んでいるのに、そういえば、無名だった少年時代のゆかりの地めぐりはこれまでしていませんでした。今住んでいる家のすぐ近所なのに、まったくもって灯台もと暗し、です。

ドキュメンタリー映画を観る前に読んでおこうと思い、昨年、デジタル書籍で購入しておいたフィルのお母さんフィロミーナさんにより書かれた伝記『My Boy: The Philip Lynott Story』(Written by Philomena Lynott & Jackie Hayden)も、これを機に読み始めました。
まだ最初の2章を読み終えたところで、フィルがやっと3歳になったところですが、フィロミーナさんがフィルを身ごもり、産み育てることになった経緯が実話とは信じがたいほどに衝撃的。未婚の母に加え、黒人の赤ちゃん…ということでフィロミーナさんが受けた差別、偏見のひどいことと言ったら…。
でも、フィルのお父さんが母子を捨てたんじゃなかったことを知って嬉しかったし、まだ二十歳にもならないフィロミーナさんが社会の偏見に屈することなく、ときに戸惑いながらも自分の心に正直に潔い決断をしていく、その姿に感激しきり。
この本、絶版なんでしょうか、ペーパーブックは信じられないほどの高値になっています。→アマゾン(アマゾンUKでもほぼ同じ値段)
日本語訳はありませんが、難しい英語ではないので、ぜひ多くの人に読んでもらいたいなあと思いました。時間もあることですし、私が訳しちゃおうかなあ。

※ティン・リジィとフィル・リノットに関する過去ブログ
『青い城』のバーニイは「ティン・リジィ」に乗っていた(2021年1月)
フィル・リノットのドキュメンタリー映画トレーラー公開!(2020年8月)
シン・リジー結成50周年記念切手!(2019年10月)
さようなら、フィル・リノットの母・フィロミーナさん(2019年6月)
ダブリンにてフィル・リノット展開催(2011年3月)
ジョイスの「ダブリン」とフィル・ライノットの「ダブリン」(2008年12月)
フィル・ライノットのお墓参り(2008年8月)
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コメント

Reico

聖地!!!
貴重なお写真と情報!!ありがとうございます。
普通だったら見られなかったおうちの写真や学校の写真が嬉しいです♪
少年フィルがこの道を歩いたなんて思うと感慨深いです。
映画シング・ストリートも重なって・・・。キュン。

MY BOYで番地確認(笑)。MY BOYは友達のK子さんに訳していただいて読ませてもらいましたが(wordにまとめてあるんです♪研究会としてmixiで発表したのです(^_^))10年も前のことなのでもう一度読みたくなりました。本当に本当に衝撃でした。辛い状況でも力強く生き抜いた母と息子だったのですね。ナオコさん出版しちゃってください!そして映画も日本に持ってきて上映会を開いてくださったら・・・うれしいなあーー♪

naokoguide

Re: 聖地!!!
Reicoさん、こんにちは。
My Boy、今読み進めてますが、本当に素晴らしいですね!フィルの生い立ちのほかにも、女性の生き方として考えさせれることがいっぱい。
訳された方も素晴らしい!それを無料で公開されるなんて。
映画の上映会、Reicoさんが言ってくださらなかったら思いもしなかったけれど、なんとかできないかどうか、考えてみます!
夢は広がりますね~
非公開コメント

naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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