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冬至のグレートコンジャンクションをタラの丘で観測

朝はニューグレンジからのライブ配信、そして夜は木星と土星のグレートコンジャンクション…と、今年の冬至はなんとイベントフルなんでしょう。
20年おきに起こるグレートコンジャンクションですが、今回は1623年以来の大接近で、肉眼で見える時間帯に起こり、しかも冬至にピタリ重なるなんて絶対に見逃せない…と、南東の空が広く暗い場所で必ず観測しよう!と以前から計画していました。
冬至当日の今日は天候がすぐれず見えそうにないことが事前の予報からわかっていたので、昨日友人を誘ってタラの丘(Hill of Tara, Co. Meath)へ出かけ、古代のアイルランド王が即位した丘の上で神秘の瞬間を見てきました。

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午後5時2分。日没から約1時間後、やっとスマホに写るくらいに見え始めました

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スマホの夜空アプリ。木星と土星がぴたり重なっています。右下は冥王星、肉眼では見えませんがすぐ脇にあるんですよね

2つの惑星はまるでV字を描くように互いに接近してきて、12月2日には7.19度にあった木星が、本日21日には0.06度まで下がっています。12月の初めころは高い位置から見え始めたので長い時間見えていましたが、今は日没後、暗くなり出してからの1時間くらいしか見えない。
厳密には上のアプリのように完全に重なるわけではなく、土星は木星の左肩にポツリくっついているように見えるはずなのですが、まだ空にインディゴブルーが残っていたときにはわかりませんでした。
(日本では木星と土星の位置は逆に見えたはずです)

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5時16分。丘の上にある古代に王様を決める儀式で使われたという「リア・フォール(運命の石)」を中心に据えて、左に月、右にグレートコンジャンクション(矢印)という配置で撮影することに。月は三日月なのですが、輝きが強くて満月みたいに写っています

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5時23分。この頃から、木星の左上に土星がポチリあるのが確認できるように。初めは目の錯覚?と疑いましたが、友人が持ってきてくれた双眼鏡で見たら間違いなかった!

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5時29分。闇夜に近づき、かなり強い光で瞬き出しました。そろそろ寒さも限界になり、雲に入ってしまいそうなので、この辺りで見納めか…

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5時38分。丘を折り始めたもののついつい振り返って見てしまう。タラの丘にもひとつあるニューグレンジと同じタイプの古代の羨道墳越しに振り返ると、マウンドの左上、雲に落ちる直前に輝いていました

それにしても暗くなるほどに星がよく見えること!それこそ降ってきそうな満点の星空です。西には火星が黄色く、東上空にはこと座のベガと白鳥座の両の羽根が。我が家からは見えにくい北側の空には、オリオン座もシリウスももう上がっているではないですか。天の川もうっすら見えました。

そして、中学生の頃だったか英語の教科書でその物語を読んで以来、「ヒシャク」(Big Dipper=「大きなヒシャク」の意味)」と私が呼び続けている北斗七星を探すもなかなか見つからない。
さらに丘を下り、聖パトリックの銅像のところまで来て、日本で見るよりずっと低い位置に似た星があることを発見。アプリで確認すると、やっぱりそれが大熊座でした。(ヒシャクは大熊座の一部)

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5時53分。下の方に北斗七星、右端中央には北極星が。写真をクリックして拡大していただくとかろうじて見えるかも

なんとマジカルなひとときだったことでしょう。こういう古代遺跡のある地はパワースポットに違いないので、天体の光をここで浴びるのは特別なことだと私は思っています。
大地とひとつになって溶けてしまいたくなった!(というのはちょっとウソで、現実は足元ドロドロ、暗くて見えないけれどきっとヒツジの糞だらけなので絶対転びたくない!と思っていました・笑)

グレートコンジャンクションはもちろん、気になっていた星座がたくさん見られて、天体観測も楽しめました。
古い年をタラの丘で送り、新しい年をニューグレンジの朝日で迎えるなんて。マジカルでパワーみなぎる新年の始まりになるに違いありません。

一昨日の講座にご参加くださったお客様が、スマホでニューグレンジに朝日が入る瞬間を見ながら、夜空を見上げてグレートコンジャンクションを観測されたそうです。
これぞ日本とアイルランドの時差がなせる業…すごい!100万馬力にパワー充電されたことでしょう。
時空の隔たりって、実は私は好きなのです。離れていてさみしいんじゃなくて、その不思議なループホールみたいなところにスゴイことがある気がして。

アイルランドは明日から1日1分程ずつ日が長くなります。冬至来れば、春遠からず♪
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アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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