今日は寒かったけれど空気が澄んだ美しい日で、日没後の南西の空に白く明るい星がキラリ光っているのがよく見えました。さらによ~く目を凝らすと、その左斜め上にもうひとつ小さい星がキラリ。
実はこの2つは惑星で、大きい方が木星、左上の小さい方が土星です。

自宅前から写真撮ってみましたが…煙突の右に光っているのが木星、土星は煙突の真上にかすかに映っていますが写真だとほとんど見えませんね
星占いのお好きな方は、昨年あたりから「2020年の終わりにグレートコンジャクションが起こります!」とさかんに言われているのを耳にしておられることでしょう。
グレートコンジャンクションとは20年に一度、木星と土星の2つの惑星が重なり合う現象のこと。占星術では木星が「拡大、開放」を意味するのに対し、土星は「規律、抑制」といった対極的なイメージの象徴。相反する力がぶつかり合うダイナミックな星回りとして注目されます。変化のとき、時代の節目…として読み解かれるようですね。
それが今まさに夜空で起こりつつあるのを、この目で見届けることが出来るというわけです!
今回のグレートコンジャンクションは特別に神秘的で、2つの星(惑星)は毎日0.1度ずつ距離を縮め、なんと12月21日の冬至にぴったり重なり合います。(日本時間では12月22日)
しかも1623年以来、約400年ぶりにその距離がもっとも縮まるのだとか。今後もグレートコンジャンクションは20年ごとに起こるものの、次に今回と同じくらいぴったり重なるのは60年後の2080年までないそうです。
※参考→
December sky: Jupiter and Saturn to appear closest to each other since 400 years ago (The Irish Times)
冬至と言えば、アイルランドでスペシャルな場所はボイン渓谷のニューグレンジ遺跡(Newgrange, Co. Meath)ですね。
5200年前に巨石で建設された羨道墳(せんどうふん)。古代の人が考案した特別な仕掛けにより、冬至の朝日が石室に一直線に差し込むミステリアスなモニュメント。
ニューグレンジは考古学上は古代遺跡ですが、実は夜空の星の配置とも深い関係にあり、天文学の視点から読み解くと深い秘密が隠されている…との説を唱える専門家も。
2年前、
TBSの世界遺産の番組コーディネートをしたときに解説をお願いした先生が、天文考古学の専門家でした。天文学と考古学を合体させた学問分野が確立されていることに感激し、それ以来私も、ニューグレンジと夜空の関係により関心を持ちました。
本日、地元の研究家アンソニー・マーフィーさんが、ニューグレンジ遺跡の頭上でキラリ輝く木星と土星を撮影しました。(2つの星は写真左上)
A CLOSE ENCOUNTER
Jupiter and Saturn in the cold twilight skies above Síd in Broga (Newgrange) this evening. The giant...
Posted by Mythical Ireland on Monday, 7 December 2020
この2つの星が日々接近していって、古代の人が一年の終わりと始まり、モノゴトの終わりと始まり、さらには命の終わりと再生…と考えた冬至の日に、ぴったり会合するんですね。なんて神秘的!
来週末のニューグレンジ冬至スペシャルのアイルランド・カルチャー講座では、そんな夜空と遺跡との関係についてもお話できれば…と思っていますので、皆さんどうぞお楽しみに♪
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山下直子のアイルランド・カルチャー講座 特別篇~世界遺産ニューグレンジの冬至の謎に迫る!~(オンライン講座)
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