昨日はパンデミック禍に始めた『赤毛のアン』仲間とのオンライン読書会の記念すべき10回目だったのですが(これについてはまた後日)、会が終わってから、翌日の今日11月30日が作者L.M.モンゴメリ(L. M. Montgomery, 1874 – 1942)の146回目のお誕生日であることに気がつきました。
そういえば5年前、モンゴメリの141回目の誕生日には、Googleのロゴが『赤毛のアン』の動画になったんですよね。ちょうどその時、昨日の読書会でもご一緒だったアン友達のユウコさんがダブリンに訪ねて来てくれていて、動画を一緒に見たことを思い出しました。
※過去ブログ→
『アン』のお友達、ユウコさんの訪問(2015年12月3日)
先日、
ネットフリックスのドラマ『ザ・クラウン』を見ていて、ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill, 1874 – 1965)の言動で気になることがあり調べていたら、チャーチルとモンゴメリが生まれ年も同じバースデー・ツイン(同じ誕生日の2人)であったことを知り、びっくり。
文学と政治…と功績は違えど、146年前の今日、同じ星のもと、大西洋のこちらとあちらで2つの偉大な魂が生まれたんだわ~と感慨深い気持ちに。
生まれ年はバラバラですが、11月30日生まれには、モンゴメリのほかにも世界的に有名な文豪がいます。ひとりは『赤毛のアン』の愛読者でもあった、『トム・ソーヤーの冒険』の作者マーク・トウェイン(Mark Twain, 1835 - 1910)。
そしてもうひとり特筆すべきは、ダブリン生まれのジョナサン・スウィフト(Jonathan Swift, 1667 - 1745)。『ガリバー旅行記』の作者として知られる彼も、11月30日生まれなのです。
そんなわけで今日は文豪のゆかりの地をめぐるべき!と思い、モンゴメリやマーク・トウェインはさすがに無理なので(笑)、ジョギングがてら行ける、私の半径5キロ以内に集中している「スウィフトゆかりの地めぐり」をしてきました。

ジョナサン・スウィフトが司祭長を務めていた聖パトリック大聖堂(
St Patrick's Cathedral, Dublin 8)。1210年後頃完成したノルマン・ゴシック様式の教会堂は現在外観の修復中で、まるで工事現場さながらの様子…

今日は太陽がまったく顔を出すことのない、一日中夕方みたいな曇天でしたが、教会堂の脇に咲くカンザクラがきれいでした。今、ダブリンの各地で咲いています
聖堂は明日からレベル3に制限緩和され一般入場が可能になりますが、本日はまだ閉鎖中。内部にあるスウィフトゆかりの見どころは、過去に撮影した写真を掲載しますね。

スウィフトの胸像と墓碑(アーチの上)。胸像はいくつか作られている中で、これが本人にいちばんよく似ているといわれています

こちらが床にはめ込まれた記念プレート。一般に墓所と言われていますが、聖パトリック大聖堂には地下クリプトがないので、このプレートの真下に埋葬されているのではありません。実際のお墓は教会堂外の墓地にあります。1713~1745年、78歳で亡くなるまでの32年間、この教会の司祭長でした
庭の東側には「文学パレード(Literary Parade)」と呼ばれる赤レンガ造りのアーチがあります。ひとつひとつのアーチの中に、1988年の市政1000年事業で作られたダブリンゆかりの文学者の記念プレートがはめ込まれています。
ジェームズ・ジョイス、ブレンダン・ビーハン、W.B.イエィツ、ジョージ・バーナード・ショー…などと並んで、いちばん南側がスウィフトです。

肩書は風刺作家(satirst)、代表作は『ガリバー旅行記』のほかに、『A Tale of a Tub(桶物語)』、『ドレイピア書簡(Drapier's Letters)』があげられています
庭を北東角の出口から出ると、向かいにある公営アパートの壁に『ガリバー旅行記』のストーリーが描かれているのを見ることが出来ます。

上階の円形の中に各シーンが描かれています

そのうちのひとつ、こんな感じ。小人に梯子で登られるガリバー
そして、353年前の今日、スウィフトが生まれた家もこの近くにありました。残念ながら今は取り壊されていますが、近くに生家がありました、と書かれた記念プレートがダブリン城裏手に設置されています。

シップ・ストリート(Ship Street, Dublin 8)の、キャッスル・ストリート(Castle Street, Dublin 8)へ抜ける小径入口のアーチにはめ込まれた記念プレート(Ship Street LittleとShip Street Greatの角近く)

文字が見えにくいですが、「ここより約100フィード北西の、現在は取り壊されたHoey's Court27番地で、聖パトリック大聖堂の司祭長ジョナサン・スウィフトは1667年11月30日に生まれた。1745年10月19日死去」と書かれています
私はここで折り返してしまいましたが、もう一か所ダブリンのスウィフトのゆかりの地めぐりとして行くべき場所は、スウィフトが学んだトリニティー・カレッジ(Trinity College Dublin, Dublin 2)でしょうか。
こちらも本日まで閉館、明日から再オープンしますが、『ケルズの書』のあるオールド・ライブラリー(
Old Library)のロング・ルームには、ジェームズ・ジョイスが40ある中でいちばん出来が良いと言ったというスウィフトの胸像が見られます。(見学はオンラインで事前予約要)
それにしてもアン、トム・ソーヤー、ガリバーを生み出した人がみな同じ誕生日なんて。11月30日生まれは文豪になりやすいんでしょうか。
ちなみに私はアイルランド人の劇作家ジョン・ミリントン・シングときっかり100年違いのバースデー・ツインであることがちょっぴり自慢で、作家向きかしら~って思いたいのですが、チャーリー・チャップリンと坂上二郎さんも同じ誕生日なので、コメディアンになったら成功できたのかもしれません!(笑)
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コメント
Pearl
あのGoogleの動画、まだ見られるのね。
何年かぶりに見てすっかり思い出しました。
それにしても、ふと思い立った時に散歩するのがスイフトのゆかりの地という環境がなんとも羨ましいわ。
2020/12/02 URL 編集
naokoguide
懐かしいですね~、ずいぶん昔の気がしていたけれど、5年前だった!
スウィフトがいちばんご近所かも。生きた時代が300年くらいずれちゃったので会えないけどねー(笑)。
2020/12/02 URL 編集