友人ディヴィッドがその内容を絶賛し熱く語るのに感化され、ミシェル・オバマさんの著書『Becoming』を読みました。一昨年出版されて話題となったもので、
『マイ・ストーリー』(集英社)のタイトルで日本語訳も出ていますよね。
生い立ちから、弁護士時代のバラク・オバマとの出会い、キャリアと子育て、ホワイトハウスへの道、ファーストレディとしての8年間が、実直で飾らない言葉で綴られた自叙伝。ミシェルさんの地に足の着いた庶民的な人柄やモノの見方、どんな地位や立場にあろうとも「等身大の自分で」というスタンスを貫こうとする生き方が素晴らしいのはもちろん、何より胸を打たれたのが、ホワイトハウスの華やかな表舞台の裏で、さまざまな葛藤や闘いに傷つき落胆しながらも、善意を信じてしたたかに対処していくオバマ・ファミリーの姿でした。
折しもアメリカ大統領選の結果が出たところですが、トランプさんは依然として敗北を受け入れず、政権交代にまったく協力的でない様子。
そんなニュースを日々見聞きする中、夫が大統領に当選しちゃって、私たち本当にホワイトハウスに住むの?と戸惑い気味のミシェルさんを、歴代のファーストレディの先輩たちが党派の違いを超えて温かくサポートしてくれるエピソードは印象的でした。
ローズ・ブッシュさんは、オバマさんが夫の政策を激しく批判したことなどお構いなしに、ミシェルさんを温かく迎えます。ブッシュさん自身も双子の娘さんたちも総出でオバマ一家を歓迎し、ホワイトハウスを案内してくれたそう。
ほんの数か月前まで予備選で激しく闘っていたヒラリー・クリントンさんも、娘の学校についての情報や、ファーストレディだったときの自分の失敗談を快くシェアしてアドバイスしてくれたのでした。
当時副大統領だったバイデンさん一家との家族ぐるみのお付き合いや、夫人のジルさんと意気投合してさまざまな活動を共に行っていたことを読み、ちょっと安心しました。
この状況でバイデンさん夫妻がスムーズにホワイトハウスに移り住めるのか心配ですが、仮にトランプ夫妻が何もしてくれなくても、オバマ夫妻がサポートしてくれるでしょう。
オバマさんご夫妻は大統領の任期中にアイルランド島に2度いらしたのですが、どちらの訪問もそのとき私自身が何をしていたかということの記憶と強く印象に残っています。
最初は2011年5月。私は
葉加瀬太郎さんのNHKの番組ロケをしていたのですが、大統領の到着前日に
撮影のためにダブリン空港へ行ったら、空港の敷地一帯が迷彩服の軍隊にぐるり取り囲まれていて驚きました。
オバマさんが到着した日はとても風の強い日だったことも覚えています。
西海岸のカウンティー・クレア(County Clare)の小さなパブで、マーティン・ヘイズとのセッション撮影の準備をしながら、ダブリン市内で熱狂的に迎えられて演説するオバマさんをテレビでチラチラ見ていたものです。
2度目は2013年6月、G8サミット出席のために北アイルランドを訪問されたとき。安倍総理はじめ世界の首脳陣が次々到着した
ベル―ファストに私もサミットの仕事で居合わせたのですが、アメリカ大統領の到着だけは特別でした。
一瞬にして道路が封鎖され、携帯電話の電波が一斉に途絶えた!日本政府が本部としていたヒルトン・ホテルへ大急ぎで駆け込み、ホテル隣りのウォーターフロント・ホールで行われているオバマさんの演説をテレビで見ていたのですが、終了するや否や、何十台という数えきれない黒塗りの車両がずらり一列に並んで再び空港へ向かっていくのを圧倒されながら窓から眺めたものです。
ファーストレディになったばかりのミシェルさんが信じられないくらい大袈裟な警備に驚く場面を読み、あのときのことを思い出しました。
オバマさんのサミット出席中、ミシェルさんと2人のお嬢さんはダブリンに滞在されました。老舗ホテル・シェルボーンから徒歩3分のゲイティー劇場へリバーダンス観劇に行くだけで凄まじい警備だったそうです。
著書の中で、移動のたびに人々に迷惑をかけることに対し罪悪感を抱いていた…とミシェルさんは書いておられ、あの時も笑顔の裏で複雑な気持ちだったんだろうな、とはじめて思い当たったのでした。
2011年のご訪問の際には、ダブリンでの演説後、ご先祖の村モニゴール(Moneygall, Co. Offaly)へも足を伸ばされたオバマさんご夫妻。(そのこともミシェルさんの自伝に出てくるかしら、と期待して読み進めていましたがありませんでした。残念)
その訪問を記念して、2014年7月4日のアメリカ独立記念日に、モニゴール村への入り口となる高速道路の降り口に「バラク・オバマ・プラザ(
Barack Obama Plaza)」と名付けられたドライブインがオープンしました。
クレア(Co. Clare)やケリー(Co. Kerry)へサーフィンに行く時は必ずここを通りますし、周遊ツアーの移動中の休憩にもしばしば利用するので、私は何度もオバマさんご夫妻と記念撮影をしています(笑)。

サーフィンへ行く途中に撮影した一枚。かなりホンモノっぽく見えませんか・笑(2018年6月撮影)

オバマ・プラザの壁の一画にはめこまれた、モニゴール村訪問時の写真。この夏立ち寄って時には、表にお2人の銅像もあることに気が付きました
オバマさんの「ひいひいひいひい」祖父はモニゴール生まれの靴職人ジョセフ・カーニー(Joseph Kearney)さんで、1849年にアメリカへ渡り、オハイオ州に居を構えました。父のあとを追って移民したモニゴール生まれの息子ファルマス(Falmouth Kearney)さんの末娘メアリー・アン・カーニー(Mary Ann Kearney)さんがオバマさんの母方ダンハム(Dunham)家に嫁いだことでアイルランドの血が入ることに。
オバマ・プラザ上階のビジターセンターは、オバマ大統領をはじめとするアイリッシュ・コネクションを持つアメリカ大統領に関する展示館となっています。
※過去ブログ→
オバマ大統領のアイリッシュ・コネクション
第44代アメリカ大統領バラク・オバマのご先祖の地はモニゴール!との誇らしげなプレートが床に

アイルランド系アメリカ大統領の代表選手ジョン・F・ケネディと、レーガンさん、クリントンさんの展示

アイルランド系のアメリカ大統領はオバマさんまでで22人、次期大統領のバイデンさんが23人目…と言われますが、ここの展示リストには一人多く記載されています。ブッシュさんがイギリスの侵略のきっかけをつくったと言われる古代レンスター王ストロングボウや、バイキングを駆逐した最後のハイ・キング、ブライアン・ボルーの血をひいている…と書かれているのも興味深い
このリストに間もなくバイデンさんも加えられることでしょうね。→
次期アメリカ大統領当確バイデン氏のアイルランド系ルーツ(バリナとクーリー半島)次期ファーストレディのジルさんもミシェルさんのように地に足の着いた、意志の強い方のよう。英語教師の職を続けたいというご希望が叶ったら素晴らしいと思います!
- 関連記事
-
コメント