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マーシュ・ライブラリー見学

ダブリンの図書館と言えば『ケルズの書』のあるトリニティー・カレッジのオールド・ライブラリーが有名ですが、同じく約300年の歴史を誇るマーシュ・ライブラリー(Marsh Libraryも小規模ながら一見の価値があります。

marshlibraryentrance
マーシュ・ライブラリー入り口

格言う私もいつも前を通り過ぎるだけで、中をのぞいたのは昨日が始めて。
ガイド仲間のSineadと一緒に見学に出かけ、大変感激して帰ってきました。

1701年、時の大主教ナルキッソス・マーシュ(Narcissus Marsh, 1638-1713)により、アイルランド初の公共図書館として開館したマーシェ・ライブラリー。
有名な聖パトリック大聖堂のお隣りに位置し、当時は主教館とも棟続きだったそうです。(現Kevin Streetの交番がある場所に、当時は主教館がありました)

入り口の呼び鈴を鳴らすと、陽気な図書館員のおじさんが「Welcome!」と飛び出してきてくれました。
トリニティーに比べるとずっと小規模だけれども、ヒューマン・スケールでよりリアルな印象の書棚が、扉の向こうにずらり!まるでハリーポッターの世界そのもの。

marshselves
HPより(内部は撮影禁止)

蔵書は約25000冊。15~19世紀の書物が主で、アイルランド一古い1432年の書もこの図書館に納められています。(安全上の理由から、その位置は教えてもらえませんでした)

陽気なおじさんとひとしきりおしゃべりした後、現館長のマリエルさんと職員の方がいらっしゃる閲覧室兼、事務室へ。
1916年のイースター蜂起の際、飛んできた流れ弾によって損傷を受けた書棚を見せていただきました。裏にあったビスケット工場の方から飛んできた弾が書棚をぶち抜いたそうで、弾の跡が今も残っています。

図書館と言えばプライベートなものが主流だった時代にあり、公共図書館としてオープンしたマーシュ・ライブラリーは、本の盗難対策に万全を期していました。
以下の2つのことが行われていたのですが、当時としては大変画期的な試みとして評価されていたそうです。

・特に貴重な図書は「ケージ(檻)」と呼ばれる書棚に入れた。
・多くの図書に鎖をつけて、持ち出せないようにした。


300年前の美しい装飾が施された「ケージ」はこの図書館いちばんの見所のひとつであり、本に取り付けられた金具も一部残されていました。

お隣りの聖パトリック大聖堂の司祭長を務めていたジョナサン・スウィフト(『ガリバー旅行記』の作者)は、この図書館の理事でもありました。
その関係で、スウィフトの遺品(デスマスクのレプリカ、著作など)も少々、展示されています。
興味深かったのは、恋人ステラの頭蓋骨の型。スウィフト自身のものは聖パトリック大聖堂内部に展示されています。
19世紀には、頭蓋骨のサイズが頭脳の良し悪しと関係すると考えられていたので、過去の偉人の墓を掘って頭蓋骨を取り出し、その型を取って研究することが盛んに行われていたそうです。

トリニティー・カレッジ同様、ここでもテーマに沿った本の特別展が常時行われており、現テーマは「New World(新世界)」。
5月頃からは「中国」をテーマにした図書の展示に切り替わるそうです。

ちなみにここの図書は、現在も基本的に閲覧可能
私たちが訪れた時も、旅行者らしい若い男性が閲覧室で白手袋をはめて、手書きの美しい楽譜本を閲覧中でした。

ダブリンの「隠れた名所」という名にふさわしいマーシュ・ライブラリー。
とても有意義な午後を過ごし大満足の私たちでしたが、それにしても、設立した大主教の名がオモシロすぎる…!
「ナルキッソス(Narcissus=スイセン) ・マーシュ(Marsh=沼地)」なんてジョークとしか思えないような名ですが、れっきとした本名なんだそうです。

マーシュ・ライブラリーMarsh Library
平日 10:00~13:00、14:00~17:00/土曜日 10:30~13:00
(火・日曜日は休館)
入場料 大人€2.50、学生・シニア€1.25、子供は無料



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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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