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ハロウィーンの夜の敗北…

ラグビー・シックスネーションズ最終節、アイルランドは悪夢のようなミス続きで35対27でフランスに敗北。優勝に王手がかかった勝利を逃してしまいました…。
ハロウィーンの夜。外では花火が光り、爆竹音が恐ろしいほどに鳴り響くのをよそに、手に汗にぎりながら自宅てテレビ観戦。
ああ~、先週のホームでの対イタリア戦はあんなに好調だったのに。やっぱりパリでは勝てないのだろうか、アイルランドは。
ひどくがっかりしてしまい、昨夜は試合後、ふて寝してしまいました。
※詳しい戦況と結果はこちらの記事がわかりやすいです→イングランドが3強V争い制し3年ぶりに欧州王座奪還 アイルランドは最終節で首位転落


A tough night in Paris, but we'll come back stronger. Thanks for all the support from back home and around the world. 💚

#TeamOfUs #ShoulderToShoulder #IrishRugby

Posted by IrishRugby on Sunday, 1 November 2020



悔しいけれど、イングランドの優勝おめでとう。
ところで、ボリス・ジョンソン首相はシックスネーションズは見ないのかな。イングランドの優勝がかかった試合の夜に、「来週から再ロックダウンします」というスピーチをしていましたが、イングランドの人たちはみな、ラグビーを見ていてそれどころではなかったんじゃ…。

話をアイルランドに戻します。
これがファン心理というものなのでしょうか。簡単な試合ではないとわかっている場合でも、なぜか「アイルランドは勝利する!」という前提で観てしまうので、昨日みたいな試合展開になると相当がっかりするんですよね…。
どうして~、何があったの~、あの選手どうしちゃったの~と悶々としてしまう。スポーツですから、いくらプロとは言え、調子のいい時と悪い時がある…ということなんでしょうけれど。

その、どうして~と悶々としてしまうことについて、私が過去2年近くその状態で目が離せなくなっているのが、アルスター所属の若手のホープ、ジェイコブ・ストックデイル君です。
2018年、アイルランドがグランドスラム(全勝優勝)を果たしたシックスネーションズで新星のごとく現れ、トライマシーンとまで呼ばれる活躍ぶりだったのに、翌2019年以降すっかりオーラが消えたようになってしまった…。
※過去ブログ参照→祝・アイルランド!ラグビー6ネーションズ優勝(2018年3月)

彼はナチュラルに才能とパワーを持った選手で、あまり考えずに伸び伸びプレイしていたときはそれを全面に出せていたのだけれど、場数を踏んでいるうちにいろいろ考えなくちゃならなくなって、そうしたらうまく出来なくなっちゃった…って、そんなふうに見えるんですよね。性格もおっとりしてそうですし。
メカニックの資格を持つほどの車好きで、古い車を改造したりするのが趣味だそう。高校時代からのガールフレンドとこの夏に婚約し、インスタグラムに仲睦まじい写真をしばしば投稿しているのも可愛い。
まだ24歳ですから、ラグビーも人生も成長中…ってことでしょうか。

でも、15番をさせるのはどうなんでしょう。ストックデイル君はそもそもポロポロとボールを落としがちなんですよね。明らかに手に吸盤がついているタイプの選手ではない。(あ、もちろんそんな人はいないのですが、在りし日のブライアン・オドリスコル様は吸盤ついてました、絶対に!笑)
ロブ・カーニーがいなくなり(今年のシックスネーションズから代表に選ばれなくなって契約解除)、ジョーダン・ラーマ―も怪我で出られないので15番をする人がいなくて、アルスターでは15番のストックデイル君を抜擢してみた…ということなのでしょうか。

スタジオには解説者としてローナン・オガラが来るはずだったようですが、新型コロナ禍の移動制限で来られず、代わりにロブ・カーニーが来ました。ロブはボールスブリッジ(Ballsbridge, Dublin4)に住んでいて、Virgin Mediaのスタジオから半径5キロ以内だから。
ストックデイル君がボールを落としたり、取れなかったりしたことについて、昨晩のパリは大雨でコンデションも悪く、「ああいうボールを扱うのは見ているよりもずっと大変なんです!」って。長年にわたりアイルランドの15番を務めてきたロブが言うならそうでしょう、と私もやっと納得(笑)。
でも、彼だったら落とさなかったと思う。ロブが選ばれなくなったのは34歳という年齢もあるでしょうが、彼自身はまだ引退する気はなく、次のシーズンはオーストラリアでプレイするそうですから、それだったらもう一年くらいアイルランド代表に置いて欲しかった…。なんだか経験のある選手が急に少なくなってしまって、ファンとしては残念なんですよね。

昨日の試合で唯一良かったことは、代表100キャップ獲得を達成したキアン・ヒーリー(Cian Healy)がトライを決めたこと!
ジョン・へイズ、ブライアン・オドリスコル、ローナン・オガラ、ポール・オコンネル、ローリー・ベストに続き、アイルランドで6人目の100キャップ獲得選手となったキアン。DJチャーチの愛称で知られ、数年前には本当に野外フェスでDJをしてたんですよ!
もとチーム・メイトのジェイミー・ヒースリップが、試合前に「チャーチ(教会)よ、パリッシュ(教区)みんなで応援してるぜ!」とSNSに投稿していたのが可笑しかったです(笑)。
※参照→Honouring centurian Cian Healy another spur for Ireland (Irish Examiner)

まもなく秋のエイトネーションズが開幕、2週間後にはウェールズとの試合がありますので、早く立ち直ってまた良いパフォーマンスを見せて欲しいものです。
それまで待てない私は、昨晩の悪夢の記憶を輝かしい過去の栄光にぬりかえることにしました。
2018年11月、アイルランドがニュージーランドにホームで初の歴史的勝利をあげた試合を久しぶりにまた観返して、結果を知っているはずなのに涙、涙、涙…。あのオールブラックスに一度のトライも与えず、誰もがベスト・パフォーマンスだった「2018年の奇跡」。
ストックデイル君のウィニング・トライ、ロブ・カーニー、ピーター・オマホニーの活躍も素晴らしかった。あの勝利後、アイルランドは世界ランキング一位に輝いたのでした。ああ、あの頃はよかった…。
今のところ、YouTubeで「Ireland V New Zealand 17 November 2018 Rugby」と検索すると出てきますので、アイルランドの輝かしい栄光に酔いしれたい方はぜひ♪
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コメント

Hongnao

いやあ残念でした。
前半のPenaltyとかミスの多さ(ゴールキックも不調だったし....たらればですが、もうちょっと決まっていれば同じ追いかける展開でももう少し違ったかもですね)を見た時点で正直勝ち目はないなって感じました。よくぞ8点差まで縮めたねえって印象でした。貫徹でしたが、しばらく寝付けなかったです。
一発勝負になるとプレッシャー感じちゃうのかしら、WCでベスト8止まりなのはそのあたりに原因ありか!?
ストックデール君については、UlsterでFBなんてやってたかなあ!?ラーマー君が離脱したから体大きいこと買われて急遽FBになったのかしら.....と思っちゃったりしました。
最近の彼についてはWBやっててもちょんげで相手の頭越して走りこむプレーばっかりで素人目ながらちょっとつまらないと感じていたので、WBはキーナン君が出てきて、コンウェイ君とで出来上がっちゃうかも......2018年の頃を思い出して奮起ほしいですね!!

Autumn Nationsでは、リンクローズ君、ラーマー君復活で、England、Walesに勝って、決勝でおFranceに勝っていただきたいものです。(でもおFranceは今のメンバーがこのまま順調にいけば強いなあ.....と思います。)

私の気分転換は2000年vsおFranceのオドリスコル君(当時)のハットトリックでありました。

naokoguide

Hongnaoさんへ
お、2000年のオドリスコルのハットトリック、いいですね~。私も今日はあれを観よう!
やっぱりオドリスコルはすごかったですね~、デビューからずっと天才ぶりを失わなかった。今はすっかりいいパパ&夫になっちゃってるみたいで、女優の奥さんのインスタにほのぼのした様子で頻出してますが。

ストックデイル君は今季からアルスターで15番になったみたいですが、もともとフルバック志望で、Under20のときはずっとフルバックだったんですって。(あれで~?って思っちゃいますけど)
性格…ですかね、愛にあふれるご家庭で育った感じ。のびのび、おっとり。お父さんが牧師さんで、本人も試合前は必ずお祈りするって何かのインタビューで言ってました。北アイルランドの子なので、ラグビーをとおして分断をなくす…みたいな活動もしているって。

フランスの10番、ヌタマックでしたっけ、彼、すごいですよね。まだたったの21歳であの目つき。インターナショナルな試合には、ああいう闘志と自信に満ちた態度が必要なんでしょうが、ああいう子はアイルランドにはいないわ~って思いながら見てました(笑)
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naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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