アイルランドに戻ってきてからというもの、なんだか時差ボケ気味らしく、毎朝とっても早く目が覚めてしまいます。
ゆっくり朝ごはんを食べ、いくつか用事を済ませても尚、長い長い午前中。友人とのランチの約束までまだ何時間もあるので、
朝から優雅に(!)映画鑑賞に出かけることにしました。
cineworld・ダブリンのシティーセンターで一番大きな映画館
休日には長い行列の出来るチケット売り場も、さすが月曜日の午前中、広いホールはがら~んと静か。
午後は7.20ユーロ、夜と休日は9.20ユーロの鑑賞料金も、
午前中はたったの5ユーロとお得です。
2階のおやつ売り場(ポップコーンや変なキャンディー、スナックを売っています)へアイスを買いに行くと、売り場のお兄ちゃんもさすがに暇らしく、
「ミス・ポター観るの?そりゃ、いいチョイスだよ~、えっと何だっけ、そうそうコットンテールだよね~、あのウサギの名前。それをクリエイトした人の映画なんだよ~、知ってる?」
…と、私が「ピーターラビットだよ」と訂正するのも聞かず、べらべらと話し続けていました。
私が大のウサギ好きで、家には体長約70センチの湖水地方から連れ帰ってきた巨大ピーターラビットがいることなど、彼には知る由もないわけですが、「コットンテール」が口をついて出てきたところを見ると、彼もなかなかの「ウサギ通」だったりして!
(注:ピーターには、フロプシー、モプシー、コットンテールという3匹の兄弟がいます)
アイスを食べながらシアターへ入ると、予想通り、がら~ん。観客席を隅から隅まで見渡してみたのですが、
どうやら私の他には誰もいないみたいです…。

誰もいない観客席に向かって懸命に演技するレニー・ゼルウィガー…思わず写真を撮ってしまいました
大画面を独り占めして
、『ミス・ポター(Miss Potter)』を堪能(ちょっと寂しくもありましたが…)。
ピーターラビットの作者であり、優れた植物学者(特にキノコ通)、晩年は牧羊飼育に長けた女性ファーマーとしても才能を発揮した
ビアトリクス・ポター(Beatrix Potter, 1866-1943)の生誕140周年を記念して製作されたというこの作品。
女性の権利が著しく抑制されていたビクトリア時代にあって、自らが創作した絵本の印税で独り立ちしていく彼女の半生が描かれていました。
彼女の死後、
湖水地方の土地や家は遺言によりナショナル・トラストに寄贈され、そのおかげで、美しい景観が今に残されていることはよく知られています。
数年前、ポターの住んだヒルトップ農場を訪れた際、何もかもがピーターラビットの世界そのままで、とても感激したことを思い出しました。
子供の頃からピーターラビットに親しみ、伝記や、解読された暗号日記まで読んで育った私にとって、ビアトリクス・ポターは格別に思い入れのある人物。
映画は、事実関係と若干前後する部分があったりしたものの、オタクのみが知りうるくらいのもので許容範囲。何より英国の田園風景が美しく、大げさ過ぎるくらいのコテコテの上流階級の英語が、真似して言ってみたいくらい面白かったです。
ウサギ好きにも、ブリジット・ジョーンズ好き(!)にも楽しめる、チャーミングな作品でした。
日本では今年の秋に公開されるようですが、誰もいない映画館で鑑賞…というのは、ちょっと難しいかもしれませんね(笑)。

我が家の巨大ピーター。実物大…より大きい!
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