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アイルランド全土、レベル3に制限引き上げ(移動は県内のみ)

昨晩流れた衝撃の再ロックダウンかも…というニュースから一夜明け、政府がNPHET(緊急公衆衛生チーム)の提言を受け入れてナショナル・ロックダウンに踏み切るのかが注目されましたが、結局そうはなりませんでした。
本日夜9時頃、ミホール・マーティン首相のスピーチがあり、あさって10月7日(水)より3週間、アイルランド全土に移動は県内のみとするレベル3の制限が適応されることが伝えられました。
ダブリンとドネゴールの2県はすでに先月よりその制限下に置かれていますが、あさってからはほかの地域もすべて他県との行き来が出来なくなります。

そのほかレベル3の主な内容は、他家への訪問は一世帯・6人まで、屋内での集会やイベントはプライベートな社交も含め自粛、屋外での集合は15人まで、映画館・劇場・博物館・美術館の閉鎖、など。
飲食店は営業できますが、現在ダブリンとドネゴールがそうであるように、屋内飲食に制限がかかるのではないかと思います。
※レベル3の詳しい内容はこちら(英語)→Explainer: What does Level 3 mean?(RTE News)

それにしても3月にパンデミックが始まってから、アイルランド政府がNPHETの提言を退けた政治判断をしたのはこれが初めて。
制限がもっとも厳しいレベル5(ナショナル・ロックダウン)への引き上げを勧めたNPHETに対して、政府の決定はレベル3(ローカル・ロックダウン)ですから、双方の意見には2段階も隔たりが。そのことについての説明がミホール・マーティン首相のスピーチではあまりにもさらりと素っ気ない印象でしたので、納得がいかずなんだかモヤモヤ…。
政府がNPHETの提言を退けたもっと詳しい理由説明があるべきだ!と思い、その後の記者会見やレオ・ヴァラッカー副首相が出演した報道番組を観ていたのですが、やはりジャーナリストたちがその点をしつこく突っ込んでいました。結局のところ、ドノリー保険大臣やレオ副首相の発言を総合すると、経済やメンタルヘルスとのバランスを考慮して、急激な制限引き上げは避けるべきとの政治判断が働いたということでしょう。

確かに、長期化している新型コロナ対策において、再ロックダウンばかりが解決策とはもはや言えなくなってきています。せっかく再稼働し始めたビジネスをここで止めてしまうとそれこそ再起不能になりかねない。そして、政府の予算にも限りがあるわけですから、これ以上休業補償を増やすわけにもいかない…という事情もきっとあるのでしょう。

レオ副首相もドノリー保険大臣も、再ロックダウンしたところで効果が出なかったら後がない、プランBの余地を残しておきたい、というようなことも言っていました。
じゃあ、国民の命を危険にさらしてもいいのか、と切り込むジャーナリストもいましたが、政府が言いたいのは、レベル3の制限の中で踏ん張ってみましょうよ、ということではないかと思います。現政権がそういったことを国民にうまく伝えきれていない印象がぬぐい切れず、個人的にはその点が心配ですが。

ちなみに今夜の報道番組に出演したレオ副首相が、昨晩のNPHETの提言が勇み足だったと発言し、波紋が広がっています。発言からは、まるで休職中だったトニー・ホーロハン高等医務官が昨日復帰し、これまでの経緯を無視して決断したかのような印象も。その点については、何か混乱があったのかもしれませんね。
国民を惑わせたNPHETに対して、レオ副首相はけしからん!と思っている様子でした。マーティン首相もほかの大臣もその点いかにも政治家然としていて、奥歯にものが挟まったような言い方しかしないのに対して、やはりレオは小気味よい。ジャーナリストの質問を回避することなく、直球でスカーンと答えてくれるので気持ちがいいです。
※参照→Tánaiste says NPHET recommendation 'not thought through'(RTE News)

いずれにしても、これから3週間のローカル・ロックダウン(移動は県内のみ)ということは、今月はもうサーフィンには行けないなあ。

covidbroucher1020
先週配布された5段階の制限レベルを図解したリーフレット。アイルランドの2つの公用語、アイルランド語・英語の2か国語対応です(写真はアイルランド語の表紙)

【10/6追記】
在アイルランド日本大使館のサイトに詳細がわかりすくまとめられています(日本語)→アイルランド全国における行動制限措置のレベル3への引上げ(10月6日発出領事メール)
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コメント

ひとまず、まず、

直子さんこんにちは。

毎日RTEをチェックしていた際に、驚いた情報でした。
全土レベル3で、結果は3週間後に分るだろうという事ですね。

NPHETは国にとってどれほど重要なことなのか、国民の皆さん、よく考えて行動して下さい、という事もあるのでしょうか。
自分が無症状の感染者かもしれない、という気持ちをもって行動しないといけないですね。

日本も落ち込んだ経済を復活させるため、観光業・飲食業・鉄道運輸系のキャンペーンが始まりました。
感染に気をつけつつ、また世界が活気に溢れるよう願うばかりです。




Re: ひとまず、まず、

Yukoさん、こんにちは。
NPEHTのレベル5への引き上げ提言は、それだけ感染拡大が深刻化しているというアラートにはなったと思います。
ウィルスとの共存が出来てくるにつれ、ウィルスが蔓延しているという事実をなかったことにし始めている人も確かに出てきたので…。

NPHETの提言が出されるタイミングが悪かった。日曜日の夜に、それも木曜日にはレベル2のままで変更なし、って言ってた矢先だったので。突然すぎて国民を混乱させた…という点で、レオ副首相は憤慨したみたいです。そういうタイミングが命取りになることを彼は首相経験からよくわかっているのだと思います。

日本はなんだかんだ言って感染者の数が少ないですよね。公衆衛生への理解と責任感が暮らしに浸透している度合いが欧州とは全く違うことをあらためて知らされた気がしています。

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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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