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オンライン読書会『アンの青春』

パンデミック禍に始まったアン仲間とのオンライン読書会も、8回を数えるまでになりました。
4月の開始当初より参加人数も増え、本日は東京、千葉、神奈川、静岡、名古屋、高崎、トロント、そしてダブリン…と時間も空間も越えて10名が集い、にぎやかに『アン』談義に花を咲かせました。

前回の『赤毛のアン』に続き、今日はシリーズ第2作目の『アンの青春(Anne of Avonlea)』。
村の小学校教師となったアンのさらなる活躍と冒険(失敗?)が、牧歌的なアヴァンリーの、まるで「真珠が一つずつ、そっと糸からすべりおちるように、単純な、小さな喜びを次々にもってくる一日一日(第19章・村岡花子訳)」の中で、楽しく活き活きと描かれた一作です。
NHKでも放送が始まった『アンという名の少女(Anne with an E)』を見て、大絶賛ながらもハラハラさせられた身としては、穏やかなアン・ワールドへお帰りなさい~!と迎えられた気がして、ほっとひと安心…といった気分でもありました(笑)。

モンゴメリ作品は19世紀終わり~20世紀初めの開拓時代の面影残るプリンスエドワード島の生活様式、料理、植物、ファッションなどが細々と織り込まれているのが魅力でもあり、本作にもそのような描写が頻出します。ファン歴〇十年のメンバーたちから、鋭く興味深い気づきが次々と飛び出し、充実の2時間でした。
その中からいくつかご紹介しますと…

●グリンゲイブルスでは普段は紅茶を飲んでいるようだが、モーガン夫人をお迎えしたしたときはコーヒーが出された!(アン・シリーズでコーヒーが出てくるのは多分ここだけ?)アメリカ人のご婦人が同行していたから、彼女の好みに合わせて気を遣ったのかしら。それにしても、グリンゲイブルスにはコーヒーもちゃんと常備されていたのね!(第16章参照)

●エレファンツ・イヤーズ(elephant's ears)という植物の正体は?村岡訳は「秋海棠(シュウカイドウ)」。ヒマラヤユキノシタという説もあるけれど…。正体の候補、ほかにあったら教えてー。(第13章参照)

●塀に製薬会社のけばけばしい広告を貼ろうとしている村人を説得する役目を担ったアンは、心配のあまり「紫丸薬(purple pills)」の広告で塀一面が覆われる夢を見る。「紫丸薬」と言えばモンゴメリがのちに書く『青い城』に出てくる「レッドファーン社のパープル丸薬」じゃない!当時そういう薬があったのかなー?(第14章参照)

●ミス・ラヴェンダーの結婚式で、(カーロッタかもしれない!→昨日のブログ参照)シャーロッタ4世が放り投げた古い靴がアラン牧師の頭に見事に命中。当時は古い靴を投げて(牧師さんの頭に当てて?)門出を祝う風習があったのか?そういえば昔の絵本に結婚式で靴を投げている挿絵があります、とすかさずおっしゃる方がいるのがこのメンバーのスゴイところ。(第30章参照)

●フレッドがダイアナにプロポーズするのは柳の木の下。柳(willows)には「恋を失った女性」の意味があり、『アンの幸福(原題:Anne of Windy Willows=柳風荘のアン)』には未亡人や恋を長く失っている女性がたくさん出てくる。アンもそのとき遠距離恋愛中。でも「柳の木の下で別れるとまた会える」って言い伝えもあるのよねー。そういえば、ダイアナとフレッドの新居は「一本柳農場(Lone Willow Farm)」でした!(第29章参照)

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本作に登場するブルーウィローのお皿(村岡訳では「呉須焼きのお皿」、第14・17章参照)。ミセス・バリーから借りたもののようにホンモノでも大皿でもないけれど、このお皿においしいものがのって出てくるとやっぱり嬉しい♪ カウンティー・スライゴのカフェ、ジャム・ポットにて

本作はアン・シリーズの中でも、アンとダイアナの友情がもっとも際立つ作品といえましょう。生気みなぎるアンの素晴らしさはもちろんですが、ダイアナの性格の良さ、賢さにあらためて感動。「結婚して女の子が生まれたら、アンってつけるわ」とすすり泣くダイアナに、思わずもらい泣きしてしまう…。(第26章参照)
そういえば、小学生のときに初めて読んだときからずっと好きな一節は、アンへ向けたダイアナの言葉でした。アンと同じように自分の名前が平凡でつまらないと感じていた少女に、大きな気づきを与えてくれたこの言葉。ダイアナ、ありがとう。

(アンという名前には優雅さがなく、バターつきパンやぼろつぎや雑巾の匂いがする…と不満をもらすアンに)「あたしはそうは思わないわ。アンという名前はあたしには、ほんとうに威厳のある、女王のような感じがしてよ。でもたとえ、あんたの名前がケレンハパッチなんていうのであっても、やっぱりあたしは好きよ。自分の名前をすてきにするのも、わるくするのも、その人しだいじゃないかしら。(中略)」
「美しい考えかただわ、ダイアナ」アンは心から感激した。「自分の名前を美しいものとするような暮らしをする。たとえ、その名が、はじめは美しくないとしても、それを耳にしたとき、人々の心に、なにか美しい、快いものがうかぶような名前にね。ありがとう、ダイアナ」
(第21章、村岡花子訳)


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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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