新型コロナ禍で閉鎖していた移民管理局(Garda National Immigration Bureau = GNIB)が7月20日より再開し、閉鎖に伴いキャンセルとなっていた4月のある日の私のアポイントメントが今日になったと連絡があり、行ってきました。
10年ごとのVISAの更新は終了していたのですが、IRP(=Irish Residence Permit)カードという在留カードのようなものを発行してもらわねばならず、その手続きがまだ済んでいなかったのです。
今回の新型コロナがきっかけで、更新手続きの多くがオンラインで出来るようになりました。移民管理局へ出頭するのは新規の場合のみになりましたが、私のVISAのタイプはオンラインで更新できない例外だったようです。
ところでこの移民管理局ですが、20年前に私が来た頃は「エイリアン・オフィス」という名称でした。エイリアンって…私は宇宙人?(笑)
「在留外国人」という意味ですが、イメージはやっぱり宇宙人/異星人ですよね。個人的には、やったー、宇宙人になれたーと嬉しかったのですが、まもなくその名は改められ「イミグレーション(移民)」という単語が用いられるようになりました。
移民…というと、アイルランドの歴史を扱う仕事柄か、ジャガイモ大飢饉とか、アニー・ムーアとか、どうしてもその手の話を連想してしまいます。2週間前のオンライン講座でもその話をしたばかり。
なので、宇宙人にはなれなかったけれど、ここへ来るといつも気分は新天地へ夢を馳せる移民…でした(笑)。
現在の10年VISAのステイタスになる以前はもっと頻繁に更新手続きが必要だったので、移民局には数えきれないほど足を運んだものです。00年代のエイリアン・オフィス改めイミグレーション・オフィスは、今では考えられないほど手続きが煩雑で、劣悪かつ、感じが悪かった…。
当時の建物はハーコート・ストリートにあって、予約チケットを取るために深夜から並ぶ…という異常な事態でした。並び屋となって商売する人たちが現れたくらい(笑)。
寒い中、雨にうたれながら何時間も並んだ挙句、目の前で「今日のチケットはありませんっ!」と言われて泣き怒ったことも。かと思えば、夜中にポットに紅茶を入れて持って来てくれて、一緒に並んでくれた友人もあったなあ。
ああ、こんな状況でもアニー・ムーアの時代に比べたら、移民船に揺られるわけでもなく、シラミ検査をされるわけでもなく、書類を全部なくされたけれど(そんなことがあったのです!)、先人の苦労を思えば何のその~と「移民」であることの苦難を半ばロマンチックに感じていたような気がする(笑)。
(アニー・ムーアについての過去ブログ参照→
コカリナが奏でるアイルランドの歌「涙と希望の村」 by 黒坂黒太郎さん)
ところが、10年ぶりに出頭した移民局はロマンチックになるにはほど遠く、とてもきちんとしていました。スタッフは親切だし、手続きも驚くほどスムーズ。広い待合室には一度に4、5人しか入れず、ウィルス対策もばっちり。
ある時から在留外国人はみな新規登録時に指紋を取ることになったらしいのですが、私は10年ぶりだったからかそれをしていなくて、別室で巨大なコピー機のような機械に向かって指をぐりぐり。担当してくれた女性スタッフと、フェイスシールドとマスク越しに世間話で盛り上がり、「あなたのオーラカイリーのバッグ素敵ね」「あら、あなたのメガネもステキ」「日本のご家族は皆さん元気?」…なんて和やかにおしゃべりしたのでした。
ああ、時代は変わったなあ。もはやエイリアンには戻れない(笑)。

移民管理局の看板にテディベアがいました。そういえばロックダウン中、通る人が楽しめるようにテディを窓辺に飾りましょう…という運動がありました。あの時のものかな?
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コメント
草野めぐみ
ホストマザーから移民管理局に並んでることを教えてもらい、当時1月で天気も悪かったことから、大変だなーと思っていました。
今はそんなにスムーズになってるんですね。
もう寒空に並ぶ人たちはいないんですね~。時代の流れを感じました笑
いよいよ明日が最終回ですね。楽しみでもあり終わって欲しくない複雑な気持ちで明日を迎えそうです。
明日も楽しみにしています!
2020/07/30 URL 編集
naokoguide
そうなんです、ついに明日で最終。おかげ様で皆さんに応援していただき、なんとかここまでこれてほっとしているのと同時に寂しくもあります。
毎週、熱心に観てくださり、本当にありがとうございます♪
2020/07/31 URL 編集