ダブリンのフリンジ(シティーセンターの周辺)の中でも近年ホットなエリアのひとつがストーニーバター(Stoneybatter, Dublin 7)ではないかと思います。
昔ながらの下町風情を残しつつ、おしゃれかつクオリティー重視のレストラン、カフェ、食材店が道の両脇にずらり。いちばんのお気に入りは私の
旅のヒント本でも紹介しているL・モリガン・グローサー(
L Mulligan Grocer, Dublin 7)で、食事が抜群においしいのはもちろん、友人たちとみなで集った数々の想い出のあるガストロパブ(ちょっと高級なイメージでこだわりのお酒と食事を提供するパブ)です。
※過去ブログ参照→
マリガンでサプライズの誕生会他店同様、新型コロナ禍の休業要請で閉店していましたが、先週から週末だけ再開したと聞きつけ、友人ディヴィッドが早速に予約を取ってくれました。
この数日、ここのスコッチエッグをどれほど楽しみにしていたことか!

マリガンの看板メニュー!スコッチエッグはアイルランドのレストランではありそうでなく、ここ以外では見たことがありません。料理や季節に合わせた添え物が凝っているのがここのディッシュの特徴のひとつで、今日はルバーブのジャムとピカリリー(野菜の辛子漬け)が添えてありました
マリガンのメニューは古書にはさまれた読書するかのような長々しいもので、それがウリでもあったのですが、新型コロナ対策でそれも変わっていました。

食事メニューはプラスチックフィルムをラミネートした紙一枚、ドリンク・メニューは各テーブルに置かれたこのQRコードを読み込みスマホで見る仕組みに

店内はすっきり、ソーシャルディスタンス対策ばっちりです
アイルランド人は食事&ワインはするけれど、食事&ビールはあまりしません。その常識をあえてくつがえし、各食事に合うクラフトビールのお勧めをメニューに記載しているのも、このお店をこだわりのガストロパブならしめている理由のひとつでしょう。

普段ビールはめったに飲まない私も、昨夜はお勧めに従ってみました。
Whiplash Pulloverというダブリンで醸造しているIPAで、缶が素敵。アルコール度数が4パーセント以下の軽いビールで、まるでレモネードみたいにさわやか~
ここでのメインディッシュの私の定番は、今やダブリンでは絶滅危惧種とも言える(!)チキン・キエフなのですが、今日はそれがメニューになく、代わりにチキン・シュニッツェルがありました。(スキーで中央ヨーロッパに行くと毎日のようにシュニッツェルを食べる私を知っている友人たちは、ナオコ・ディッシュがある~と即反応・笑)

キエフはガーリックバターが中に入っているけどこちらは上に。このガーリックバターがただものではないおいしさで、何のハーブが入っているのだろうとあらためてメニューを見ると、scape(スケイプ=スイセンのように地中から直接出る花茎)と書かれていました。バーナーで少しだけあぶったジェムレタス、パルメザンチーズのおせんべい、カリカリにしたベーコンくずの添え物もすべてがパーフェクト!
多くのレストランがそうしていたように、マリガンも閉店中はテイクアウトやデリバリーに切り替えて営業を続けていました。簡単なおつまみとビールは今もテイクアウト/デリバリー継続しているよう。

新型コロナ以前はなかった、2リットル入りくらいでしょうか、テイクアウト用の巨大なビール瓶!L・マリガンの店名入りなので特注でしょうか。私たちの食事中も瓶を返却に来たり、また注いでもらって持ち帰る人が入れかわりやって来ていました
ガストロパブというのはアイルランドでは新しいカテゴリーで、伝統的にはパブはパブ(お酒を飲んで楽しむところ)、レストランはレストラン(食事をするところ)でした。食事をしにパブへ行くというのはイギリスの文化で、近年までアイルランド人にはその感覚はなかった。(レストランがない地方の町や村でパブがそれを兼ねるとか、観光客向けに食事を出すパブというのはありましたが)
マリガンはそういう意味で異色の、古くて新しい、食も雰囲気も味わい深いお店。こんなにがっつり食べてもお腹がもたれないのも、添え物やお勧めドリンクとの食べ合わせがよく考えられているからでしょうね。
ああ、昨晩食べたばかりなのに、スコッチエッグがもう恋しくなってきた~!

食後は近所のディヴィッド宅へ移動して、デザートにケーキをいただきながら映画鑑賞。昼間に「どのケーキがいい?」と注文メッセージをくれて、みなの希望通りに買っておいてくれました。私はジンジャー入りのビスケットケーキ、濃い紅茶によく合う♪映画は「ゴスフォード・パーク(Gosford Park)」を観たのですが、結末で寝落ちしてしまいました…笑
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