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映画『イン・アメリカ』に見る「青い人」と80年代のアイルランド移民

かれこれ20年前アイルランドに来たばかりの頃、アイルランド語のネイティブスピーカーである友人に、アイルランド語では黒人のことを「青い人」と言うんだよ、と教えてもらったことがあります。
なんて素敵な表現。日本だったらブルーはさしづめ空とか海ですが、肌の色にもブルーがあるんだ!と目の前に新しい世界が開けたような気がしたものです。

次の土曜日のオンライン講座でお話しする「移民」について考えていて、ジム・シェリダン監督の映画『イン・アメリカ(In America)』(邦題『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』)を思い出してアマゾンプライムで観返しました。

inamericamoview
なんだかつい最近の映画のような気がしていましたが、2003年公開なんですね!

『E.T.』を観に行く場面があるので、時代設定は1980年代初頭。アイルランドにおける移民は決して大昔の歴史というばかりでなく、1980年代にも顕著でした。この作品はそんな現代に近い時代の、アイルランドからニューヨークへ移民した一家の物語。
今回観返すまでまったく記憶になかったのですが、なんとここに、アイルランド語では黒人(black man)のことを「ファー・ゴラム」と言うけれど、それは「青い男(blue man)」という意味なのよ…というセリフが出てきて驚きました。
(ちなみに「黒い男」は「ファー・ドウブ」と言い、悪魔の意味だ、とも!)

友人が私に教えてくれたのは、この映画のうけうりだったりのかな。(笑…とも思ったけれど、彼はネイティブ・スピーカーだし、教えてくれたのはこの映画公開以前だったと思う)

『イン・アメリカ』は、『マイ・レフトフット(My Left Foot)』、『父の祈りを(In the Name of the Father)』などアイルランド映画の名作を数多く生み出したジム・シェリダン監督の自伝的な作品で、物語の中の子どもたちのモデルである監督の2人の娘さんも制作に関わっています。
最近の作品では『ローズの秘密の頁』もそうでしたが、シリアスな現実を力強く描きつつ、メルヘン&ちょっぴりおとぎ話風な結末に導いていくところがシェリダン作品らしい。案の定、号泣しました(笑)。


子どもたちがなんとも愛らしい。この2人の女の子たち、ダブリン出身の本当の姉妹なんです。お姉ちゃんの方は今も女優としてテレビ、映画で活躍中

ちなみにハロウィーンのシーンも興味深い。お父さんとお母さんはトリック・オア・トリートの習慣を知らないところを見ると、この頃アイルランドではまだやっていなかったんですね。(ハロウィーンはケルトの歳時であるサウィンが起源とはいえ、子どもたちが仮装してお菓子をもらいにいく風習はアメリカから逆輸入されたもの)
ハロウィーンに食べるとされるコルカノン(ケール入りマッシュポテト)とバーンブラック(ドライフルーツ入りケーキみたいなパン)のディナーに隣人を招き、ささやかながらも移民先で故郷の風習を大切にしていることがうかがい知れます。
バーンブラックからコインや指輪が出てくる占いもなんだか懐かしい。こちらに来たばかりの頃は、アイルランド人家庭に呼んでもらってこういうことを一緒にさせてもらったりしたものです。最近のハロウィーンはアイルランドでも子どもがお菓子をもらいに周る日…みたいになってしまって、ケーキを食べたらカリッ、大当たり~みたいなことは昔話になりつつあるようですが。

ジム・シェリダン監督のほかの作品も次々観返したくなりました。大好きでDVDを持っている『イントゥー・ザ・ウェスト』もまた観たい。(この作品は日本公開がなかったようですが、ティルナノーーークの叫びが圧巻..!)
しばらくの間、ひとりシェリダン映画祭になりそうです♪

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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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