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「ブラックバード」はいまだ闇夜で歌っている

昨日のFMまつもとのラジオ放送で、私が近所の公園で録ったブラックバード(クロウタドリ)のさえずりを流していただきました。
新型コロナ禍で過ごしてきたこの春から初夏、ジョギングに出かけてこの声を聞くのが毎日楽しみでした。市中から騒音が消えよく聞こえるようになったのか、それとも、私自身に耳を澄ますゆとりが出来たのか。
こんなに日々鳥の声を暮らしの中で聞いて、心洗われるような気持ちで過ごしたことはなかったように思います。


昨日放送で流していただいたブラックバードのさえずりと風の音。残念ながら姿はとらえられませんでしたが(5月25日撮影)

昨日の放送では、パーソナリティーの久納さんがそれに合わせてビートルズの「ブラックバード(Blackbird)」をかけてくださいました。
当初、別の曲をかける予定でした。それが間に合わず、ブラックバードつながりで…ということでこうしてくださったのですが、放送終了後、これはポール・マッカトニーが当時の黒人公民権運動にインスピレーションを得て作った曲であるとうかがい、ああ、このタイミングでこの曲をかけていただくことになったのは必然だったのだ…と驚きつつ納得したのでした。
(それを放送であえて言わない久納さんの演出が、秘められたメッセージとしてより強く感じられました)

アメリカでは1950年代、それまで行われていた白人と黒人の分離教育が違法と認められたにもかかわらず、差別と隔離をやめない学校が多くありました。米アーカンソー州のリトルロック・セントラル高校に入学した9人の黒人生徒が、州兵や地元の白人集団により登校を阻止され、米軍の護衛付きで学校に通う事態に。
行内でも壮絶ないじめや嫌がらせが続く中、登校をあきらめなかった彼らは「Little Rock Nine(リトルロックの9人)」と呼ばれ、公民権運動のシンボルとされたそうです。

そういった話を海を隔てたイギリスで聞いたポールが、辛い経験をしている人たちの助けになれば…との想いで作った曲が「ブラックバード」だったそう。
時を経て2016年、「Little Rock Nine」のうちの2人の女性にポールが対面したときのことが、曲の誕生秘話とともにこちらの記事に紹介されています。→ポール・マッカートニー、“Blackbird”を書くきっかけになった二人の黒人女性と対面

「ブラックバードは真夜中に歌う(Blackbird singing in the dead of night)」という出だしの歌詞を、いつも不思議に思っていました。鳥の鳴き声は朝や午前中によく聞こえるから。
これまで何気なく聞いていた歌詞にあらためて着目してみると、「壊れた羽根(broken wings)」や「落ち込んだ目(sunken eyes)」で必死に飛び立とうとしているブラックバードの姿が痛々しい。「立ち上がるとき(this moment to arise)」や、「自由になるとき(this moment to be free)」を待ちながら、「暗い闇夜の光に向けて(into the light of a dark black night)」飛ぶ…と歌われているのです。


Paul McCartney - Blackbird (Live)

この歌が作られてから半世紀以上も経つというのに、ポールが想いを込めた「ブラックバード」たちがいまだ闇夜で光を目指して歌い続けている現実があります。
今回のことが世界的なムーブメントとなっているのは、もはや当事者だけでなく、ひとりひとりが根底から意識を変えなくてはならないということなのでしょう。
アイルランドでも各地で黒人コミュニティーへ団結を示すアクションがとられています。昨日は北西部のゲールタクト(アイルランド語を日常的に話す地域)で「Cóir do Dhaoine Dubha (=Justice for Black People/黒人へ正義を)」 をかかげて200人がビーチに集ったそうです。
Donegal beach gathering to support justice for black people(RTE News)

※関連過去ブログ→ブラックバード(クロウタドリ)のさえずり
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コメント

ブラックバード、初めて聴きました。

ビートルズのこの曲も、その曲の歌詞の意味も、そして今もなお世界で「ブラックバードが、闇夜の中の光に向かって飛べるときを待ち、歌い続けている」ことも、初めて知りました。
「Watchman」も視聴しました。Watchmanは、アイルランドの人の身近にごく自然に「在る」神のイメージ、と思えました。U2の歌詞など読んでいると、いつもそう感じるのです。

Re: ブラックバード、初めて聴きました。

sima-sさん、コメントありがとうございます。
なるほど、ごく自然に「在る」神のイメージ。私もそれ、しっくりきます。
U2の歌詞もそうなんですね、世界中の人の心をとらえる彼らのカリスマ性は、そこからにじみ出ているのかもしれませんね。

ブラックバード

初めてお便りします。
以前から楽しく愛読させていただいています。
昔、イギリスへ行った時にクロウタドリの鳴き声の出る人形を買っていました。ナオコさんのブログを読んで思い出したので久々スイッチを押しても鳴き声は出ず。ショック!
アイルランドへも再び行きたいです。

Re: ブラックバード

八木志保さま、いつも読んでくださりありがとうございます!コメント嬉しいです。
そ、そんな人形があるんですね、イギリスには!私も見かけたらきっと買うと思います。
人形は鳴き疲れたのでしょうかね…。
ぜひホンモノの鳴き声を聞きにまたこちらにいらしてください♪

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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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