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ホウスのシャクナゲの森へ

今日から移動制限が半径20キロ以内、または、カウンティー(県)内となり、不要不急以外の小売店も多くが再開しました。
ダブリン市街地の店は開店前から行列が出来たところもあったようですが、私が真っ先に行きたかったのはこちら。ホウス(Howth, Co. Dublin)の西洋シャクナゲ(Rhododendron)の森です。

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今年は見逃してしまうかな…と心配しましたが、なんとか花の時期が終わる前に間に合ったようです!

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こぼれんばかりに花をつけた巨木

この森はディアパーク・ゴルフ場(Deer Park Golf)の裏手にあり、自由に出入りできます。この辺り一帯の土地は2年前に不動産会社に売却されたようですが、もともと中世の時代からのホウス・キャッスルの所有地で、シャクナゲも1875年、当時の城主が植えたのが始まり。
それが繁殖してジャングル化し、この森だけでなんと2000本もの木があるのだとか。

毎年4月下旬~5月上旬に咲き始め、赤、白、ピンク…と色とりどりに森が染まります。
赤や白はすでに盛りを終えたようであまり見られませんでしたが、コネマラ(Connemara, Co. Galway)やケリー(Co. Kerry)でもよく見るアイルランドでいちばん一般的なピンク色の花は最後に咲くので、まだ見ごたえがありました。

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赤はほとんどが散ってしまっている中、かろうじてきれいに咲いているものがありました

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色の薄いピンクもきれい

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芯が濃いパープルのエキゾチックな花も

森の中には人がやっと一人通れるくらいの小道がいくつかあります。ところどころ木の枝が覆いかぶさるようになっているので、身をかがめてくぐらなければなりませんが、それが楽しい。

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咲き終わった花びらの絨毯を歩きます

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妖精の気配がそこここに…

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小道はいつの間にか登り坂となり、木々の間から海が見えます

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登りつめた高台からの眺め!ホウス・キャッスルと、アイランズ・アイ(Ireland's Eye)と呼ばれる島がきれいに見えます

ゴルフ場の建物に近い登り口をまっすぐ進むともっと簡単に高台へたどり着くのですが、あえて森の中のケモノ道を行くのです。妖精とばったり出会うのを期待して(笑)。

森の奥には新石器時代(紀元前4000~2000年)のドルメンがあるので、最後にそれを見に行きました。

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「エイディーンの墓(Aideen's Grave)」の名で知られる古墳

伝説によると、最愛の夫オスカーが西暦284年のGarve(タラの丘近くらしい)の戦いで戦死してしまい、悲しみに暮れて息絶えたエイディーン姫の墓なのだそう。(ちょっと年代が合いませんが…)
写真手前に映っている早咲きのホクシャ(Fuschia)の花が、まるで妖精たちが木にかけたまま置いて行ったイヤリングのよう。

かつて近くに住んでいたこともあり、この森には何度足を運んだかしれません。お客様や友人を連れて来たこともあれば、今日のようにひっそり一人で来たことも。
朝そこそこ早い時間だったので静かで、鳥の鳴き声がすごかった。何種類もの声が静寂の中に響き渡り、一瞬コスタリカのジャングルを歩いているかのような錯覚におちいりました。

今年は移動制限下で春になり、初夏になりました。シャクナゲが咲いたかな、ブルーベルが咲いたかな…と近所では見られない花を恋しく思い、森を歩きたいとずっと思っていました。
今日はそれがついに実現し、本当に楽しくて、踊るような足取りで散策しました。魂が活き活きとうるおったような気持ちです。

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帰りにホウスの港でコーヒーをテイクアウトし、魚を買って帰りました。入店人数が制限されているので、どこでもこうして並ぶのが普通になりました

※ホウスのシャクナゲの森に関する過去ブログ→シャクナゲと「トトロ」の木春の花々・その2…ホウスにて
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アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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