ヨーロッパ大陸からアイルランド島へやって来た古代ケルト人は、固有の文字を持たない民族でした。
アルファベットの存在は知っていましたので、自分たちの言葉をアルファベット表記しようと思えば出来たのでしょうが、
コトダマ(言霊)の存在を信じていたケルト人は、敢えてそうしなかったのです。
現代のアイルランド人はちょっと皮肉屋さんで、ストレートな物言いを好まないところがあるのですが、裏を返すとそれも、
コトダマへの畏怖心の表れかもしれません。
口から発せられる言葉には魂が宿っている。人を制する力、物事を実現させる力…良きにつけ、悪きにつけ、大事なことを口にするのは慎重に…というわけです。
実際、コトダマということを意識し始めると、
話コトバに慎重にならざるを得ません。
人はどうしてもネガティブなことを思うときがあるけど、それを口に出してしまったが最後、実現してしまうかもしれないのですから。
たとえ謙遜のつもりであっても、「私は~できないから」などとは決して口にしないこと。そんなことを言った日には、出来ないことが実現してしまうかもしれないから。
他人を罵倒するような言葉もタブー。「あんな人、いなくなっちゃえ」と言って、本当にいなくなられたらどうします?
どんなにお調子者と思われようが、常にポジティブ発言していた方が、人生、豊かで楽しくなるようです。
実現させたい夢がある場合は、コトダマの力を信じて本気で口にすべし。
先ごろ、米大リーグのレッドソックスと契約を結び、「1億ドルの男」となった松坂投手は、なんと小学校の卒業式で「100億円プレーヤーになる」と宣言していたとか。これぞまさに、
コトダマ効果ではありませんか。
日本で尊ばれる考え方に「不言実行」というのがありますが、コトダマ思想に乗っ取って考えてみると、どうやら
「有言実行」の方が効果的なようです。
人に向ける言葉も、コトバの魂の働きをよく考えて、きれいで優しい言葉を使うよう心がけたいと思うのです。
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