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移動は半径20キロに!解除のロードマップ加速

本日午後レオ・ヴァラッカー首相の記者会見があり、アイルランドは予定どおり、週明けの6月8日(月)より制限解除のフェーズ2へ進むことが発表されました。(3週間前フェーズ1へ進んだとき→いよいよ制限解除、第一段階へ…マスクは「推奨」
現在、実効再生産数は0.4~0.7。解除が始まって3週間になりますが、数字は抑えられたまま順調なようです。

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こんがり健康的に日に焼けたレオ首相!数週間前の日曜日、パートナーのマシューさん、友人2人とフェニックス・パークで上半身裸で日光浴しているのをキャッチされていましたから(笑)。写真はTaoiseach's full statement: 'Now there is hope'(RTE)より

行動範囲は半径5キロから20キロになります。(田舎に住む人は20キロ行っても何の変化もない場合もあるので、半径20キロまたは県境まで、になりました)
そして、3週間ずつ5段階で解除していくという当初の予定が、なんと4段階に縮められるという嬉しい決定も。
一部項目がそれぞれフェーズ2または3に前倒しされ、ほぼすべての制限が取り払われる最終フェーズが8月10日ではなく、7月20日になりました!


「ありがとう、みんな、粘り強くウィルスを押しやってくれて」と言って、片手をあげるジェスチャーをして国民に感謝

今日のレオ首相はこれまででいちばんリラックスした様子でした。スピーチの内容もシンプルで、軽め。
今月中に新政府が誕生するとすれば、彼の制限解除のスピーチもこれが最後になるかも…と、日焼けした顔を見ながら聞き入りました。

これまでこうしたスピーチや会見のたびに作家や賢人の言葉を引用してきたレオ首相ですが、今日のスピーチの始まりは古代ローマの政治家キケロの言葉でした。

the safety of the people shall be our highest law
(拙訳)国民の安全が最高の法律です


一国のリーダーとして、そして41歳のひとりの人間としての深い教養と、健全な魂をあらためて感じました。

以下、本日改訂された6月8日(月)より解除、再開される内容です。
At a glance - what's new from 8 June and beyond on roadmap(RTE)など参照

【フェーズ2(6月8日~)】
●移動(Stay at Home→Stay Localへ)
・移動は自分の住むカウンティー(県)内、または、半径20キロ以内(遠い方を適応してよい) (これまでは半径5キロ以内)

●社交
・別所帯の人と、屋外、屋内で6人まで集ってよい(これまでは4人まで)

●スポーツ
・屋外での軽い運動、スポーツ、文化・社交イベントは15人まで
・競馬、ドッグレースは無観客で再開
・一流スポーツ選手のトレーニング再開

●商店
・小売店の再開(ショッピングセンターは6月15日から)
・オープン時間は朝10時半から。時間差でのオープン推奨
・ショッピングセンターはベンチ、噴水、フードコートに人がたまらないようにすること

●交通
・出来る限り、徒歩または自転車で。公共交通機関の利用はどうしても必要な時だけに

●マスク
・公共スペース、商店、公共交通機関でフェイスカバーをつけることを推奨

●葬式
・近親者、親しい友人など25人まで出席してよい(これまでは10人まで)

●子供
・就学前児童の屋外サマーキャンプは、15人未満までで開始してよい
・遊技場、商業施設の屋外アメニティー再開(一部条件付き)
・特別支援が必要な児童の夏季教育プログラムあり。詳細は来週発表

●仕事
・出来る限りリモートワークで
・家畜市はソーシャルディスタンスを衛生が維持できる場合に限り再開

●図書
・公共図書館、再開

●海外渡航
・不要不急の渡航は避ける。入国者には14日間の自主検疫が課せられている

●コクーナー(「繭ごもり」している人=70歳以上、疾患のある人)へのアドバイス
・引き続き、出来る限りステイ・ホーム。少人数は家に招いてよいが、ソーシャルディスタンスを維持すること
・買い物は(コクーナー用に設けられた)特別時間内にすることを推奨
・コクーナーを訪問する人は、特別に注意する

●引き続き、ソーシャルディスタンスは2メートル

【フェーズ3(6月29日~)】
●飲食
・食事を出しているバーは再開してよい。着席のみ
・レストランは、ホテル併設のものも含めて再開

●移動
・アイルランド国内、全制限解除!
・海外旅行再開については未定。レオ首相いわく「まだフライトは予約しないように」

●宿泊施設
・ホテル、B&B、キャンプ場など再開 
※移動制限の解除と合わせて、国内観光はこのフェーズから再開ということになりますね

●結婚式
・フェーズ3または4のどちらに含めるか、出席人数も含めて今後決定する

●祈り(教会、モスクなど)
・距離をとって再開

●子供
・クレッシュ(託児所)、子守り、就学前保育は再開。親の仕事再開にあたり、チャイルドケアが必要になる子供のみ
・医療従事者の子供優先

【フェーズ4(7月20日~)/最終フェーズ】
●美容院、床屋
・現状では、このフェーズ4から再開

●バー、パブ
・すべて再開  
※2メートルのソーシャルディスタンスのルールがある限り、店舗を満たすことが出来ず採算が合わないため、現実的には開けられないパブが多い

●社交
・もう少し大人数で別所帯を訪ねてよい。具体的な数は今後決定
・家族以外の小規模の社交をしてよいが、人数が制限される

●文化、娯楽
・劇場、映画館の再開。ソーシャルディスタンスを維持すること
・ボーリング場、ビンゴ・ホールなど屋内の娯楽施設の再開

●仕事
・全業種、職場に戻ってよい。リモートワーク出来ない人から順に
・業種により交代制、時間差などを取り入れること
・リモートワーク可能な人は引き続きそうすることを奨励

●スポーツ
・ラグビーやボクシングなど濃厚接触スポーツの再開
・ジム、ダンス・スタジオ、スポーツ・クラブの再開
・屋外、屋内のスポーツ観戦の再開。人数制限あり

●大規模イベント
・制限付きで、結婚式など社交イベントの再開



3月より支給が開始されたパンデミック失業保険(PUP)も期間が延長され、8月10日まで支給されることになりました。金額は変わらず週350ユーロですが、6月29日以降はパートタイムの人(失業前の収入が週199.99ユーロ以下の人)は週203ユーロに減額されるとのこと。
ビジネス休業中の給与補償も8月まで延長され、ビジネス再開のための準備金を支給する制度も設けられています。

また、今シーズンは島開きをしないと報じられたスケリッグ・マイケル(Skellig Micheal, Co. Kerry)ですが、地元からの強い要請により再考中とのこと。
もしかしたら、夏の後半に行けるようになるかもしれません。(パフィンは8月頭には海へ行ってしまうので、その前に行けるようになるといいなあ…)

「夏は失っていませんよ」と言ったレオ首相。
『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』からの希望あふれる引用で、本日のスピーチを締めくくりました。

In the end, it's only a passing thing this shadow, even darkness must pass. A new day will come, and when the sun shines, it'll shine out the clearer.
(拙訳)結局のところ、どんな暗闇が通り過ぎようとも、この影はただの通過点なんだ。新しい日はやってくる。太陽に照らされて、より明るく輝く日がね。


「ありがとう、皆さんの勤勉な働き、選択、粘り強さに。そして、新しい日に」と、自分の言葉で短く付け加えて。

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アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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