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「自分自身になりたい人はどこに行くかわからない」 by オスカー・ワイルド

10月下旬のダブリン・マラソンの中止が発表されました。完走目指してトレーニングしていた友人が何人かいるので、みんながっかりしているだろうな…。
おそらくこれがキャンセルの決定がされたイベントの中で、いちばん先の日にちかと思います。ダブリン・マラソンは海外からの出場者も多いので、それも考慮しての中止決定でしょう。ということは10月下旬でもまだ海外渡航の制限は緩和されないのかもしれない…。

数日前、世界遺産の岩島スケリッグ・マイケル(Skellig Micheal, Co. Kerry)が、今シーズンは島開きしないと発表がありました。
ボートの乗り降りに人の手を借りなければなりませんし、島の歩道は狭くて、ソーシャル・ディスタンスを適応したら崖から落ちてしまう。
今年はパフィン(ニシツノメドリ)に会えない。パフィンは静かで嬉しがるかもしれないけれど。
ご予約くださっていた個人のお客様に残念なご連絡をしなくてはならず、がっかりさせてしまったのが辛かったです。

今シーズンは長い休暇…と早いうちに覚悟を決めたつもりでいても、それがひとつひとつ確実になっていくのを目の当たりにすると、やはり気分はあまり冴えません。
でも、観光ガイドというのは私の経済活動を支える職業であって、私自身なわけではありませんから、失ったという気持ちは不思議となくて、たいていの時間は、新しいことや、これまでしたいと思いながら出来ずにいたことを始めるチャンス!と思って過ごしています。

でも、それがなかなか具体的にならない苛立ちもある。私の中では決まった道があるのですが、〇〇になりたい、〇〇をしたい、ということとも違うので、その道へ行く決まった行き方がない。
ここ数日、そんなことが頭の中をぐるぐる回って寝不足になってしまい、今日は素晴らしい夏日和で海か公園へ行ってゴロンとして過ごそう!って思っていたのに、出かける気力がわきませんでした。

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代わりに、家の前にテーブル代わりに椅子を出して、クッションにすわって音楽聞いたり、YouTube観たり…。しまいには仰向けになって太陽を浴びました

そんなことをしていたら、脳科学者で、『赤毛のアン』の愛読者でもある茂木健一郎さんが発信しているYouTubeから、素晴らしいひらめきと励ましが降ってきました。太陽の輝きとともに。
茂木さんのYouTubeがすごく面白くて、初めて見る方は茂木さんの髪がくしゃくしゃでびっくりすると思いますが、内容があまりに素晴らしいのでいつの間にか気にならなくなります(笑)。
茂木さんの発想、ものの見方、それを伝える力に毎回感動してしまうのですが、今日のはまるで、今の私の心情を知って発信してくださったかのよう。それでいいんですよ、そのモヤっとした行き先の見えない感覚でいいんですよ、脳はフル回転しているんですよ…と言ってもらえた気がしました。
ご興味ある方はぜひ動画を見てみてください。
→動画:#もぎけんの情熱脳教室「自己探究の旅こそが最高に脳を活性化させる」
(これに限らず、学校がなくても勉強は出来る!とか、茂木さんが広葉樹になったり、大気になって登場したり、メディアに映ると見えなくなっちゃう正論権太さんと対談したり…と、毎回めちゃくちゃ面白いです)

茂木さんはオスカー・ワイルドの「自分自身になりたい人は、どこに行くかわからない」という言葉を引き合いに出しておられます。本当にしたいことは抽象的で良く、モヤモヤ、(蝶々みたいに!)パタパタしているものなんだ、と。
そうか、だって○○になりたいわけではなく、まだなってみたことのない自分自身になりたいんだから。
動画の最後で茂木さんが力強く、「情熱をもって頑張りましょう!」とおっしゃられた時、思わず涙が出ました。真実と真心がこもった言葉は人を感動させます。

オスカー・ワイルドの『獄中記』の一節。手元に原文がありましたので、引用しておきます。

You would be a banker, then you become one. You would be a lawyer, then you become one.
You would be someone else who is not yourself, you become one then it is finished.
On the other hand, you would be yourself who do not know where else you would go. You do not know where you would drift ashore.
from 'De Profundis' by Oscar Wilde

銀行家になりたい人は、銀行家になる。弁護士になりたい人は、弁護士になる。
自分以外の何者かになりたい人は、それになって終わる。
一方、自分自身になりたい人は、どこに行くかわからない。どこに流れ着くか、自分でもわからないのだ。
『獄中記』オスカー・ワイルド より


※オスカー・ワイルドに関する過去ブログ→オスカー・ワイルドとエドワード・カーソンオスカー・ワイルドのお墓参り(パリ)
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コメント

こんにちは

はじめまして。はるなです。

茂木さんとオスカーワイルドのお言葉、
教えてくださりありがとうございます。
なんだか、気持ちが楽になりました。

ナオコさんのガイドブックとブログでの
素敵な文章から、
ますますアイルランドに魅力を感じ、
行ってみたい場所が増えていきます!

その日が少しずつでも近づいていると願って…
ご自愛くださいませ。

Re: こんにちは

はるなさん、コメントありがとうございます!
私と同じ気持ちをシェアしてくださって嬉しいです。

オスカー・ワイルドは獄中にいても、自分を肯定しているんですよね。「自分」というものがあって、それに正直だったからだと思います。

この、家にいる期間、アウトプットは少ないけれど、インプットがたくさん出来て心の充電をさせてもらっています。
そうしているうちに、皆さんをお迎えする環境も整ってくると思いますので、その時にはぜひいらしてくださいね。
はるさんもどうぞご自愛ください。
元気に、情熱をもって、楽しく過ごしましょう!

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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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