お隣りのイギリスも制限解除に踏み出すようで、一昨日の夜、ジョンソン首相がTV演説をしました。
隣国のニュースは常にアイルランドの関心事で、イギリスでアイルランドのことを報道する以上に、アイルランドではイギリスのことがニュースになります。ジョンソン首相の演説もアイルランド国営放送で生放送され、私も見たのですが、ジョンソンさんは語気を強めて英国民の努力をねぎらったものの、具体的な内容や方向性がないまま終わってしまい、「あれ、私、何か聞き逃したかな?」って思っていました。
「Stay Home(家にいよう)」から「Stay Alert(警戒しよう)」にスローガンを変えるとのことですが、うーん、大きく変わるような、変わらないような…。
翌日のニュースで、あの演説は英国民の3分の2が???だった…と伝えられており、混乱したのは私だけではなかったよう。
ジョンソンさんの勇み足…だったみたいで、具体的なロードマップは追って示されました。13日(水)から3段階で、まずは建設業などを再開させ、続いて6月までに店や小学校、7月以降にレストランやカフェを再開…とのことですが、
5段階で8月までかけて解除するアイルランドに比べると、ずい分ざっくり、しかもかなり早いペース。
学校、夏休み前に開けられるのかしら、イギリスは。アイルランドは9月からですが、それでも、ソーシャル・ディスタンス維持の準備のための時間もお金も足らない…って言っているくらいなのに。
イギリスとひと口に言っても地域による感染状況の差があるようで、ピークを越えました、というロンドンに対し、スコットランドはより慎重。「うちはロンドン(を含むイングランド)には追随しません、スローガンはStay Homeのままです」と言っています。
スコットランド、ウェールズ、北アイルランドは、それぞれが独自のロードマップを示していくそう。日本が都道府県ごとに対応するような、そんな感じなのでしょうか。
アイルランドと地続きで、新型コロナ対策についていちばん連携が望まれる北アイルランドは、本日早速に「ロードマップ北アイルランド版」を発表しました。
地理的なことからも、ロンドンよりダブリン式で…と匂わせていた通り、5段階で徐々に解除するやり方はアイルランドと同じですが、具体的な日付入りのスケジュールは現段階では発表されませんでした。感染状況を見ながら整えていくようです。
詳しくはこちら→
What is Northern Ireland's roadmap out of lockdown?(RTE News)
この北アイルランドの存在、島内にある国境線は、今回の新型コロナ対策でも何かと問題です。
政府は連携を取ろうとしてはいるようですが、やはり国が違うので、細かい決まり事や、ロックダウンの開始、終了期日が違ってしまい、そのずれから面倒が生じやすい。
どちらも「Stay Home(家にいよう)」には変わりないものの、アイルランドで行われている半径2キロ、5キロといった明確な外出範囲の制限が北アイルランドにはないので、週末に国境を越えてアイルランド側の行楽地に遊びに来る人たちも。アイルランド警察は北アイルランドの人を取り締まることが出来ず、国境沿いの人たちは神経をとがらせています。
さらに、アイルランドは先月よりすべての入国者に14日間の自己隔離と、隔離場所の住所などを記載したフォームの提出を求めていますが、北アイルランドからの陸路による入国者は例外。
イギリスも同様のことを始めましたが、アイルランドからの入国者は例外だそう。
ということは、アイルランドからロンドンへ行って、北アイルランド経由で陸路で帰ってくれば隔離なしで入国出来ちゃうことになり、感染拡大の落とし穴になりかねない…。
日本も都道府県ごとの感染状況の違いや対策の差が言われていますが、ヨーロッパの国同士の対策の差は、感覚としてはちょっとそれに近いでしょうか。
人間が作ったボーダー(国境)をものともせず、やすやすと超えるウィルス。線を引いても、壁を建てても、所詮は人間の悪あがきなんですよ、と釘を刺されているような気がしてなりません。

敷居をやすやすと超えようとするのは臨家のネコも同じ。
先日、窓から不法侵入してきたヒーイーと違って、一応は玄関から入って来るチャーリー(笑)
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