日本にいても、ついつい「アイルランド」に反応してしまう毎日。
おととい
Tea Cozyという素敵なティールームで、お友達と4人でお茶をいただいていた時のこと。
Tea Cozy 三重県津市広明町87-3 Tel:059-226-3016(予約制)今月のTea Cozyは「アルザスのクリスマス」がテーマだというのに、お隣りのテーブルから「アイルランド製の~」という言葉が聞こえてくるではありませんか。
素敵にデコレーションされた室内の、一体何がアイルランド製?
レース編みのコースターかしら、お菓子の材料かしら~と予想してみたもののわからず、オーナーのユミさんに尋ねてみると、
「この薪ストーブです」との答えが!

見れば店内奥には、
巨大なクッキング・ストーブが。室内の雰囲気にあまりにも溶け込んでいたので気がつかないでいましたが、店内全体のほかほかと心地いいぬくもりはこれだったのね~と納得。

左の扉を開けて薪をくべ、その熱が右の扉内のオーブンと上の鉄板コンロを温める仕組み。お湯もわかせるし、シチューも作れて、パンも焼ける。
調理も出来て暖も取れる、
実用的かつ風情のある昔ながらのクッキング・ストーブです。
今から10年前にユミさんがこのお店を開いた頃は、日本国内で薪ストーブを扱っているところがほとんどなく、やっと見つけた信州の業者からこのストーブを購入したとのこと。
Tea Cozyのお菓子やお料理はすべてユミさん手作りですが、
ストーブの薪割りも半分くらいはご自身でなさるそうです!
「Wood Stanley, Waterford, Made in Ireland」と刻まれたこのストーブは、
ウォーターフォードのスタンレー社製。

ウォーターフォードと言えばクリスタルガラスで有名なアイルランド南東部の町ですが、
スタンレー社もウォーターフォード社と同じ頃に創業した18世紀からの老舗。現在は、鉄製ストーブからキッチン用品全般を扱う大手メーカーとして知られています。
ちなみにクッキング・ストーブと言えば、
英国のアーガ(Aga)社のものが有名。
ホッチキスを「ステープラー」と言ったり、ホワイト修正液を「ティペックス」と言うのと同様、「アーガ」と言えばこの手の機具全般を指します。
私の好きな
英国人作家ロザムンド・ピルチャーさんの小説には、アーガでおいしそうなお料理が出来上がる場面がしばしば出てきます。昔風のホンモノの火のあるキッチンがありありと想像されて、読むたびに温かい気持ちになる大好きなシーンです。
アイルランド製のクッキング・ストーブに日本で出会ったというだけでも驚きなのに、私の地元である信州の業者から購入したというユミさんのお話を聞き、
このティールームとの不思議な縁を感じたこの日。
さらに驚きだったのは、お友達のMさんが持ってきて見せてくださった10年前の写真。日付は1997年3月、約10年前の私たち4人が、このティールームで映っていました。
その時は他にもたくさんのお友達と一緒だったのに、どうしたわけか、写真に写っているのはおととい集まった4人だけ。Mさんとも、Kさんとも、Eちゃんとも、その時が初対面でした。
まるで10年後に、友情が深まって再会することが運命づけられていたかのような不思議な写真…!その時もアイルランドのストーブはそこにあり、店内をほかほかと温めてくれていのたでしょう。(私自身がアイルランドと縁のない時代でしたので、気づいていなかったのですが…)
10年間、同じ場所で、変わらぬ姿で私を待っていてくれたアイルランドのストーブに感謝!皆さんの変わらぬ友情にも感謝!ところが…10年前と同じ場所、同じ位置で4人で写真を撮りましょう~と並んでみると、
当時は小学生だったEちゃんの背が伸びてしまって、どうしても同じ位置にならない(笑)。
やっぱり「10年ひと昔」ですね。

Tea Cozyの素敵なお菓子プレート
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