以前にご一緒させていただいたお客様が、アイルランドのヴァラッカー首相のことばが引用されている新聞記事があったと、きれいにスキャンしてメールしてくださいました。
昨日の京都新聞の日曜コラム「天眼」。経済学者の浜矩子さんの「今、天眼が求めているもの」というコラムです。
小さくて読みにくいかと思いますが、写真をクリックして拡大してぜひ読んでみてください。
京都新聞(2020年4月19日) 日曜コラム「天眼」より


大きな内容を、適切な言葉で端的に述べておられます。一回読んだだけでは咀嚼しきれず、何度も読み返しました。
…(天眼にかなうためには)国々が国境を「超える」ことだと思う。「越える」ではない。…越えられなくても、超えることはできるはずだ。超えなくてはならないのである。…手を差し伸べ合う。知恵を分かち合う。…最後に、
3月17日のヴァラッカー首相のスピーチの「…我々はあなた方と共にいます。」という一節を引用して、彼の魂は国境を超えている、と賞しておられます。
浜さんの感性が加わって、ヴァラッカー首相のあの時のことばがより大きな意味を持って胸に迫ってきました。
新型コロナウイルスが我々人類に与えた課題はあまりにも大きい。ポスト・コロナの世界で自分がどこまで関与して貢献できるのか今の私には思い至りませんが、浜さんのことばを自分の境遇に置き換えてみて、こんなふうに思ったのです。
私がしてきた海外旅行の仕事は国境を「越えて」来てもらうことだけど、「越える」だけでなく「超える」体験をしていただきたい、という想いでガイド業をしてきたかもしれない。そして、お客様はそれを受けとめてくださったなあ…と。
ガイディングが出来なくなり、いつまた出来るようになるのかわかりませんが、このことを忘れないようにしようと思いました。
「越え」られなくても、「超え」ることはできる、超えなくてはならない、と。
このコラムをお送りくださったお客様は、狂言師として活躍される演者さん。今、演じることが出来ずにいる多くの方のおひとりです。
あの時アイルランドで見せてくださった素晴らしい舞台は、多くの人の想いが集まって国境を「超えて」いたなあ、と懐かしく思い出しました。

本日、
お気に入りの「桜の園」にて。花びらが雪のように舞っていました
- 関連記事
-
コメント
ゆり
私は数ヶ月前にアイルランドに移住してきました。英語もつたなく、テレビも契約してない中このような状況になりました。
英語がほとんど読めないので、アイルランドがどんな状況なのかわからず不安になっている時にナオコさんのブログに出会いました。
ナオコさんのブログでアイルランドの現状、国が一体となって頑張っている事を知りとても安心しました。
また、ナオコさんの落ち着いた優しいブログにとても励まされています。
これからも応援しています。ナオコさんもお気を付けてお過ごし下さい。
2020/04/21 URL 編集
naokoguide
どなたかのお役に立ててることがわかり、そしてこうしてお伝えくださったゆりさんのお気持ちが嬉しいです。
このような時に海外にいらっしゃることは不安もあると思いますが、貴重な経験でもあります。今のところアイルランドはよく対処していますので、ここで気を緩めず今の状況を維持すれば、光が見えてくると思います。
ピークを過ぎた、ひと安心…みたいなことブログに書いたとたん、保健大臣サイモンが「過信は禁物!それがいちばん危険、みなさんプリーズ、プリーズ、家から出るのは最低限に!」って訴えてたので、まるで私に言われてるようだ!と思い、気が引き締まりました。サイモン、すごい。国民の心を読んでいる(笑)。
これからもよろしくお願いいたします。そして、ゆりさん、ご不安なことがあればいつでもご連絡ください。同じ国に住む同志ですから。
2020/04/21 URL 編集