昨日は、日本の『赤毛のアン』のお友達とのオンライン読書会第2弾でした。
前回の『アンの幸福』に続き、アン・シリーズ第7作目の『炉辺荘(イングルサイド)のアン』がテーマ。物語の気分の演出に私は
スーザンのアップルパイを作りましたが、お友達のユウコさんは、レイチェル・リンド夫人がアンに作ったレモン・ビスケットを作ったそう。
Zoomの画面に小さい窓があって、そこをクリックしたら扉が開き、ひと切れおすそ分けでーす、お返しにビスケットをどうぞー…なんて、ドラえもんがいたら叶えてくれそうなことが出来たらいいのに。(笑)
今回もそれぞれの想いや疑問点を語り合って盛り上がり、あっという間の2時間でした。
人生で繰り返し読み、想いを深めたり、新たな発見の出来る一冊(シリーズ)があるというのは、なんという喜びでしょう。
読書会参加者は40代から70代の長年のアン好き7名。人生の先輩であるシズコさんが、「アンが側にいたらあと何十年も退屈せず、孤独でも楽しく、ましてや同類とおしゃべりできたら、心ゆかたかに生きてゆかれますよ」とおっしゃられたのが印象的でした。
子どもの頃から親しんできたアンの物語ですが、アイルランドと関わりを持つようになってからというもの、登場するアイルランド・ネタを拾って検証するという新たな楽しみが加わりました。
今回読書会のために読み返した『炉辺荘のアン』に出てくるものを、2、3ご紹介したいと思います。
①
アイリッシュ・クロシェ編みレースレイチェル・リンド夫人も得意とするアイリッシュ・クロシェ編みレース。炉辺荘の住み込みお手伝いさんスーザンもその名人で、シャーロットタウンの博覧会で一等賞を取るほどの腕前。子どものペチコートやエプロンの縁飾りはスーザンお手製ですし、ドレスの首につけるカラーや、複雑なバラを編んでいるシーンもあります。
アイリッシュ・クロシェとは一本のかぎ針と細い糸で作られる立体的なレース編みで、19世紀の半ば、ジャガイモの不作による大飢饉がアイルランドを襲い人々が餓えや貧しさに苦しんだ時、「これからは女性や子供にも手に職を!」と各地の修道院が中心となって普及に努めたことから、アイルランド全土で盛んになりました。アイルランド移民などを通して、アメリカやカナダに広まったものと思われます。
→【4/21追記】これを読んだ松井ゆみ子さんが、お住まいの地域にいた神父さんが、アイリッシュ・クロシェの職人さんたちを連れてアメリカへ”プロモーション”に行った事実があると教えてくださいました。20世紀初頭くらいのことでしょうか。
以前にクラフトの講習会を行うツアーを企画したことがあり、日本からのお客様とご一緒に、アイリッシュ・クロシェの名人アン先生(「アン」と同じ、綴りの最後にEのつくANNE!)に習いました。→
アイルランドのクロシェ編み講習会その後ちょっとだけはまって、私も「複雑なバラ」を編んだなあ、と思い出し、探したら出てきた!

糸とかぎ針、あの時に編んだバラとシャムロック。アン先生いわく編み方は19世紀から変わらないそうですから、スーザンが編んだバラもこんな感じのものだったのでしょうか(ちなみにぶよぶよなのは私が編んだもの、小さ~いバラは先生作)

編んだモチーフをこんなふうにつなげて美しいドレスやショールに。過去ブログ参照→
アンティーク・レースの宝庫、シーリン・アイリッシュ・レース博物館スーザンが博覧会で一等賞を取った5インチ(12.7センチ)もの幅のクロシェ編みレースは100番の糸で編んだと書かれています。
編み方の本などには初心者は20番から始めると良い、などと書かれていて、80番で編めたらかなりの熟練者のようですから、100番というのは相当細い糸なのでしょうね。さすが、スーザン。
あと2つほどご紹介したいネタがあるのですが、長くなるので続きはまた後日に。
※(4月22日)その2をアップしました→
『炉辺荘のアン』に出てくるアイルランド・ネタ② ミセス・エーロン・ワード
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コメント
アンナム
私は「死ぬ時にアンの物語にありがとう、って言うだろうな、、」なんて夢想していたので、あんな言葉が出ました。
2020/04/21 URL 編集
naokoguide
そして、次の読書会を楽しみに待つのが、これまた楽しみの半分に当たり、日々を楽しく照らしてくれています。
アンが与えてくれた皆さんとの同類の輪は私の人生の宝だわ、ってしみじみ思っていたところです♪
2020/04/21 URL 編集