音楽をはじめとする芸術活動はアイルランドの大切な文化資源のひとつ。
コンサートもイベントもあらゆるライブ活動が休止してしまった今、国内のアーティストたちへの救済措置として、アイルランド文化庁がオンライン・パフォーマンスの場を提供しました。
優れた技能才能が枯渇しないよう、パンデミック中も活動を継続して欲しい。文化庁とフェイスブック・アイルランドの協賛で10万ユーロ(約1200万円)の資金が投入され、「アイルランド・パフォームズ(
#IrelandPerforms)」と名付けらたウェブ・イベントが始動。本日より発信が始まりました。
視聴は無料。アーティストは自主的に応募し、出演が認められたら1000ユーロ(約12万円)が支払われます。素晴らしい!
(引き続き公募中のようです)
今日から5月初めまで、連日さまざまなアーティストによるパフォーマンスが楽しめます。
伝統音楽の演奏が多いようですが、ストーリーテリングや朗読もあるよう。報道によると、シャロン・シャノンなど大物ミュージシャンも登場するとか…。(←4/14追記:シャロンのライブは4月17日18:30~に加わりました)
スケジュール&視聴はこちら→
Upcoming livestream performances時間(表記はアイルランド時間)になったら「Watch Live」をクリックするとアーティスト本人のフェイスブック・べージまたはYouTube画面にとび、そこから視聴できます。終了したライブもそのまま残されているようですから、あとで聴くことが出来ると思います。

本日プロジェクトいちばん乗りで演奏したのは、北西部カウンティー・メイヨーのハープ・ドゥオ、グローニャ・ハンブリーさんとウィリアム・ジャクソンさん(→
こちらで観られます)
ロックダウン中のこの企画、みな自宅や家の近所(半径2キロ以内!)からライブしますから、アーティストの生活環境がのぞけてなかなか面白いかも。
グローニャとウィリアムは、緑の大地とストーンウォールが窓の外に見えるご自宅からハープを演奏。普段もここで練習しているのでしょうね、とてもリラックスしていて、景色に溶け込んでいました。
夜8時半からライブしたコンチェルティーナ奏者のコ―マック・ビグリーさんは、南西部カウンティー・ケリーのヨーロッパ最西端の岬近くで、大西洋に沈む夕日をバックに演奏。(→
こちらで観られます)
カメラを動かして景色を見せてくれたり、ひとしきり自己紹介したあと、なんと40年もの!というクラッシックなキャンピングカーからのライブ。演奏の合間にまわりの景色にまつわる話、楽器の説明、家族の話などを楽しそうにしながら。
そもそも伝統音楽ってこういうものですよね。土着の景色や暮らしの中に当たり前にあるもの。聴かせるためにトラベル(移動)するのではなく、こうしてその土地で演奏されるのが本来の姿なのかもしれませんね。
このプロジェクトですが、考えれば考えるほど、よく考慮された救済資金の使い方だと感心します。アーティストのモチベーションを維持させて経済支援するだけなく、ライブに行けない私たちも楽しめる。
そういったお膳立てを政府機関がしてくれるのが素晴らしいと思うし、ただお金を配るのではなく、パフォーマンスの対価として支払うというところに、アーティストたちのプロフェッショナリズムへの尊敬が感じられます。
明日はシャナキー(ストーリーテラー)のライブがあるので楽しみ。
半径2キロから世界に発信。もしかして、新型コロナ時代のグローバリズムの在り方ってこういうことかもしれない…と思うのでした。
- 関連記事
-
コメント
タエコ
ブログは毎日拝見していますが、コメントは初めてです。それもまたこんなに前の記事に対してどうかとは思ったのですが、ここでご紹介いただいた#Ireland Performsがとても楽しかったのでお礼申し上げたくなりました。ありがとうございます!
既に終了してしまってますが(ライブ動画はまだWeb上に残ってます)、かなりの数のライブを楽しみました、出来るだけリアルタイムで。正直、パフォーマーのレベルはピンキリで、「キリ」の時にはViewer数が6、とか表示されてたことがあって、このしょーもないパフォーマンスをいまいま見てる私以外の5人って、どこのどんな人達なんだろう?」と親近感湧きました(笑)。
伝統音楽だけでなく、いろんなジャンルの演奏があり、何より自宅からのライブが多かったのが、それこそアット・ホームで雰囲気よかったです。(スッピンのシャロン・シャノンも可愛かったです!)
観光業界にも明るい兆しが見え始めたようですね。早く、早くガイドのお仕事が再開できますように。
2020/06/07 URL 編集
naokoguide
そして嬉しいコメントありがとうございます!よかった、ご紹介させていただいて。
正直言って、私もしょーもないパフォーマンスをいくつか目にしまして、あら、こんなの紹介しちゃった…ってちょっぴり思っていたので、楽しんでくださったことが聞けて嬉しいです(笑)
個人的には、そのしょーもないのも含めて、アイルランドのパフォーマンスのふところの深さを実感したりして。世界でたった6人でも演じ続けることが大切かも、ですね。
本来アイルランドの音楽は暮らしの中にあるものなので、シャロンのすっぴんこそが正解なのかもしれませんよね!
温かいお言葉をありがとうございます。また皆さんをお迎え出来る日を楽しみに、今は出来ることをひとつづつしていきたいと思います。
これからもよろしくお願いいたします!
2020/06/07 URL 編集