日本は明日にも緊急事態宣言が行われるようですね、アイルランドのRTE(国営放送局)のウェブニュースでも速報されました。ほんの1~2行でしたが。
未知のことですから対策がパーフェクト…というわけにはいかないかもしれませんが、日本政府もやっと本腰を入れ始めたようで少し安心しました。ここからスピードをあげて、なんとか医療崩壊を防いで欲しいと願うばかりです。
ヨーロッパは相変わらず感染者、死者ともおびただしい数ですが、イタリア、スペイン、フランスは死亡件数が横ばいになりつつあり、希望の光がほんの少し見え始めた…と報じられています。
デンマーク、チェコなど制限を緩めることを発表する国も出ています。
イギリスはまだ上昇していて、日に500、600という死亡件数が発表されるので、なんだかも頭も気持ちもついていけなくなっています…。やはりヨーロッパ大陸の国々以上にアイルランドにとって身近な国なので、現状を直視するのがより辛いです…。
今日は陽性反応が出て自己隔離中のジョンソン首相が入院したとのニュースが報じられ、昨晩はエリザベスⅡ世女王の異例のビデオ・スピーチが放送されました。94歳の誕生日を間近に控えた女王は、ご自身の戦時中の体験を引き合いに出して英国民を激励しました。
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ウイルスとの戦いに「成功します」 英女王が異例の演説(BBC News Japan)
アイルランドはこのところ、日々の感染件数が300~400、死亡件数が20前後。累計の感染件数は5000を、死亡件数は170を越えました。予測される4月半ばのピークに向かってグラフは上昇し続けています…。
ただ、一昨日のハリス保険大臣の会見によると、再生産数(1人当たりが生み出す二次感染者数)は低減しているそう。この2週間で4.3人から2.5人に下がったそうです。
これが1人以下になれば収束が近い…んですよね。それにはどのくらいかかるのかわかりませんが、まだまだ現状の外出制限を続ける必要がありそうです。
日本でも海外の状況や取り組みがさまざまな形で報じられていることと思いますが、アイルランドにおける新型コロナ関連のニュースが日本語で報じられることはほとんどないように思います。
そんな中、昨日こちらで発表された我がレオ・ヴァラッカー首相に関するニュースが、複数のメディアで日本語報道されているようです。
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アイルランド首相、医師に復帰「コロナ対応手伝いたい」(朝日新聞DEGITAL)
週一回、現場勤務ではなく、電話診療の業務を担当するとのこと。
すでに国のリーダーとして素晴らしい働きをしてくれているヴァラッカー首相ですが、いち医師として居てもたってもいられなかったのでしょう。有言実行…なんて陳腐な表現しか思いつかない自分が歯がゆいですが、この人の政治理念は真に「人助け」であり、発する言葉に現実味があるのは行動を伴っているからだとあらためて思いました。
3月半ば、感染拡大の兆候が見え始めてすぐ、アイルランド政府は医療崩壊の危機に備えて動き始めました。現在は医療現場から離れているもと医師、もと看護師に復帰を呼びかけ、海外で医療活動をしているアイルランド人の医師、看護婦には「Be on call for Ireland(アイルランドの呼び声に答えて)」キャンペーンを立ち上げて帰国を呼びかけました。(ラグビー・アンセムの「Ireland's Call」を思わせるネーミングですね)
国内外から、一般ボランティアを含む6万人がそれに応じ、ヴァラッカー首相もそのひとり…というわけです。
もう一件、本日、目についた日本語でのニュースがこちら。イタリア人選手の次に、アイルランドの女子ラグビー代表のクレア・マックローリン(Claire McLaughlin)選手がベルファーストで医師として奮闘する様子が報じられています。
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「助けたいから」ラグビー選手、ウイルスと奮闘(日本経済新聞)
現在アイルランドの感染者の4分の一は医療現場のスタッフ。そんな中、自分の命をさらして「助けたい」と言える強さと勇気に励まされます。
アイルランドは今週来週が山場…と言われています。日本もこれからの数週間、想像し得ない事態となるかもしれませんが、こういう命がけの人たちのことを思えばなんでも乗り切れるような気がします。
手を洗って、家にいましょう。私を含む多くの人にとって、今できることはそれしかありません。

チューリップ、パンジー、スイセン、ヒヤシンスがいっせいに咲いた私の軒先。これは3~4日前の写真で、チューリップとヒヤシンスはそろそろ終わりかけ、なんとバラがもう蕾をつけ始めています…!
※アイルランドにおける新型コロナウィルス感染状況は、最新情報がこちらで確認できます
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COVID-19 National Summary
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