東京に来ています。
新幹線「あさま」に乗って東京駅まで1時間半ほど。単行本一冊を読むにはちょっと足りませんが、短編や雑誌を読むにはちょうどいい時間。先月、滋賀大学の真鍋晶子先生がお送りくださった『
季刊民族学』という雑誌を旅のお供としました。

『季刊民族学』170号・2019年秋、なんと「小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の怪異研究」特集!
本号に「ハーンとアイルランド」というタイトルでご寄稿されている真鍋先生は、W.B.イェイツを含むアイルランド文学のご専門。お仕事や研究でアイルランドにいらっしゃるといつもお声をかけてくださり、仲良くしていただいています。
津田塾大学でお話しさせていただいたハーンとイェイツの関わり、イェイツの『The Host of the Air』の「weeds」と「reeds」の話は、真鍋先生の本誌の解説をヒントにさせていただきました。
先月松江でお世話になった小泉凡先生のご寄稿も数多くあり、読み応えたっぷりのハーン研究完全版のような一冊。国立民族学博物館友の会の機関紙だそうですが、すごい雑誌ですね。過去にはどんな特集を組んでおられるのか、早速バックナンバーをチェックしてしまいました。
そういえば先日
「ほういちの耳まんぢう」のことを書きましたが、なんとその「耳」の行方…を論じる記事も!
視覚障害者の研究者の方による「芳一なし“耳”の話」というのがとても面白く、私の中でいろいろなことが腑に落ちて、「そうなのか!」と感激して新幹線の中で何度も読み返してしまいました。
文字が読めることが当たり前になり視覚中心の社会になっていく中で「目に見えない世界」が狭まっていく。芳一の失われた「耳」にそんなメッセージを読み取る視点がとても面白く、現代人がいかに五感をフル稼働させなくなっているか、「目に見えない世界」と隔たってしまったのか…うんうん、ふむふむと共感することしきり。
あの「耳まんぢう」、もっと感慨深い気持ちで食べるべきだったかも!(笑)
そんなことで今、「耳」がマイブーム。あ、左耳です。(そういえば、ゴッホが切り取ったのも左でしたね)
しばらくの間私と会う人は芳一の「耳」の行方論…を力説されるかと思いますが、どうぞお許しを(笑)。
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