
宍道湖に昇る朝日の美しさに感激
先日の青木村産業祭に続き、日本でのアイルランド活動第2弾。
山陰アイルランド協会の記念イベントにお招きいただき、島根県松江に行ってきました。
松江はアイルランド人の父、ギリシャ人の母のもとに生まれ、ダブリンで育った小泉八雲ことラフカディオ・ハーン(1850-1904)が日本に来て最初に暮らし、ニッポン愛を強めた街。来日後初の著書『知られぬ日本の面影』には、松江の景色や暮らしの様子、人々との触れ合いが感激をもって綴られています。
八雲のひ孫の小泉凡さんご夫婦より「松江は日本のリトル・アイルランド♪」とうかがっていたこともあり、かねてより訪れてみたい!思っていました。
イベント前夜に到着し、翌朝はホテルの部屋に差し込む朝日で目覚めました。八雲が、移ろう湖面の美しさをニューオーリンズの万博で見た「甲斐絹(かいき=山梨県産の高級絹織物)」に例えた宍道湖が窓の外に広がっているのを見て、感激。

朝焼けが空と湖面を美しく染めていました
早速、宍道湖畔を朝ラン。美しい朝日を拝みながら走り、「神々の国・島根」を身体の底から感じた後は、ホテルの温泉とおいしい朝ご飯。宍道湖で採れるしじみのお味噌汁と炊き込みご飯がおいしかったです♪
実はこのランニングで、「松江は日本のリトル・アイルランド」を体感。
日本に来てから、実家のある長野県上田でも数回ランニングしましたが、どうも調子がおかしかったのです。標高が高いせいか、乾燥しているせいか、普段ダブリンで走る距離の半分もいかないで息切れしてしまう…。
ところが松江ではそれが全くなくて、まるでダブリンで走っているかのような快適さ。そう、ほのかな湿気を含んだ空気感がアイルランドと同じなのです。

宍道湖を眺めながらの朝食。写真では見えにくいですが、遠くの山並みがディングル半島から見るリング・オヴ・ケリーみたいだなあ、なんて思っていたら、イェイツの詩に詠まれた「イニシュフリー湖島」にも似た小島を発見!「嫁ヶ島(よめがしま」)という島で、のちほど凡さんにうかがったところ、お嫁さんが島になっちゃった…という伝説があるそう
松江には八雲ゆかりの場所がそここにあり、それを、ご子孫である凡さんご夫妻直々にご案内いただいたり、教えていただけたのは本当に貴重なことでした。
松江に着いた夜は、八雲が松江で最初に泊まった旧・富田旅館に連れていっていただきました。

今は
大橋館という温泉旅館ですが、八雲が松江で最初に宿泊したことを記念する碑が建てられています。宍道湖畔のこの宿に3か月間逗留したそう

現在の宿の名前にもなっている「大橋」は目の前。八雲が松江に来た頃に建て替えられ、開通式のことが『知られぬ日本の面影』に書き記されています

館内のJames' Barにて、凡さんご夫妻や皆さんとディナー。ランチョンマットには八雲の文章や似顔絵も

サモア出身のシェフが作るお料理がおいしい。渦巻き柄のお皿や、アイルランドの国旗カラー(緑・白・オレンジ)のお料理に反応しては盛り上がっていました(笑)
こちらは八雲がビールを買いに来たという山口薬局。

凡さんのお話しでは、当時の八雲は40歳で月給100円(現在の100万円に相当!)という高給取りだったそう。日本食はなんでも食べたものの、ステーキやビールなど西洋のものがやっぱり恋しかったようです。山口薬局は今も漢方の店として営業しているそうです(私が行ったときは閉まっていて残念)
そして、八雲はやはり街のシンボルなのですね。「横顔」をあちこちで見ました。

近くの商店街の街頭にも、

閉店した店のシャッターにも!

そして、これがウワサの
ビアへるん、松江のご当地クラフトビール!限定醸造の「そばいつぇん」をゲット、お好みでふりかける「そば茶パウダー」が付いてきます。ラベルは凡さんのご子息、つまりは八雲の玄孫(やしゃご=ひ孫の子供)となる想(そう)さんが描いたそう。八雲愛、松江愛がいっぱい♪
肝心のイベントのご報告、小泉八雲記念館のこと、八雲が好きだった月照寺のこと…など、ほかにもご紹介したいことがいろいろありますが、長くなりますのでまた日をあらためて。
しばらくは『日本の面影』を読み返したりして八雲にひたりたいところですが、次のアイルランド活動が控えているので、ひとまずそちらの準備に集中することにします。
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