すばらしい日本のパフォーマンスでしたね!
待ちに待ったラグビーW杯の日本VSアイルランド戦は、日本の奇跡の逆転勝利に終わりました。いえ、奇跡などではなく、今日の日本代表チームはスピードも気迫もアイルランドをはるかにしのぐものだったと思います。
アイリッシュ・ラグビーのファンのひとりとして、脱帽。大きな拍手を送らせていただきます!
…とは言え、長きにわたってアイルランドのラグビーを応援してきた私にとって、今日のアイルランドの敗北はショックでした。
特に後半、もう一度アイルランドがチャンスをつかんでくれるに違いない!(
かつてのローナン・オガラのドロップゴールみたいなことが起こるかもしれない!)…と祈るような気持ちで観ていましたが、慣れない暑さと湿気のためでしょうか、アイルランド人選手はどんどん疲れていくばかり。
後半戦のドキドキでお腹がきゅーんと痛くなったまま、試合終了。しばし、ショックで呆然としてしまいました。

選手たちも負けちゃって呆然…(The Irish Times:
Rugby World Cup: Japan’s rising sons leave Ireland under a cloudより転載)
今日の試合はこちらでは朝8時15分キックオフ。早朝だったこともあり、出かけず、自宅でTV観戦しました。試合に合わせて早く開けているパブもあり、そこで朝食を食べながら観戦するのはどう?…と誘ってくれた友人もあったのですが、行きませんでした。
実は数日前まで、日本の試合なんだから私は日本を応援するんだ!…と思っていました。ところが日が近づくにつれて、とてもそんな心境ではないことに気が付いたのです。
私がこれまで観て応援してきたのはやっぱりアイリッシュ・ラグビーで、想いはそこにあるのだ、と。対戦国がいくら祖国とはいえ、それは変えられないのでした。
どちらの国が好き、とか、アイルランドに長く住んでいるから、とかいうことではなく、純粋な「ファン心理」。(笑)
そんなわけで、日本人なのに日本の対戦国を応援することの矛盾を問われて説明するのも面倒だし…という気持ちが先行して、今回は公の場で観戦することをあえて避けました。
試合終了後、アイルランド人の友人知人からメールやメッセージが続々と。「おめでとう!ジャパン」、「脱帽です!」、「(アイルランドが負けたのは)残念だけど、素晴らしい試合をありがとう!」、「今日は日本の方がいいチームだったから勝って当然」…などなど。
そう、やっぱり、アイルランド人からしたら私は日本人なのだから、こうなりますよね。アイルランドが負けちゃって呆然としてます、なんて逆に言えなかった(笑)。
でも、そんなふうに皆から「おめでとう!」って言われているうちに、日本の勝利が嬉しい…って気持ちもじわじわとわき上がってきたから不思議。
日本がぐんぐん追い上げた後半戦を、もう一度見直してみました。ああ、アイルランドの選手たち、蒸し暑くてヘトヘトなのかなあ、苦しそう、かわいそうに…って思いつつも、日本のパフォーマンスの凄さに感動。もうお腹も痛くならなず、世界屈指の強豪相手に見事な白星をあげた「ブレイブ・ブロッサムズ(Brave Blossoms=ラグビー・ジャパンのニックネーム)」を、日本人として誇らしく見ることが出来ました。
…ちょっと複雑ですが、そんな気分なのですよ。
アイルランドは気持ちを切りかえて、来週のロシア戦に向けてまた頑張ってくれることでしょう。
アイルランドと日本がそろって予選を突破して、決勝リーグに進んでくれることを願います!
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コメント
ようはっぱ
私はアイルランド贔屓で、「ジャパンに興味ないねん」って豪語してましたし、今日はアルゼンチンとトンガの試合見てたんですが、、、、
でも、じゃんじゃん「日本勝ったねー」「エコパで見てたん?」とかのメールが来ると、ワクワクして走って家に帰ったものです。
実際、試合見てると泣けてきました。
やっぱり長年日本人してる私。
日本が勝つと嬉しいです。
でも、同じフッカーの堀江さんとローリーベストさんがハグしてるのを見て、泣けてきました。
負けたけれど、日本をリスペクトしてるキャプテンとヘッドコーチのインタビュー聞いて、またまた泣けました。
やっぱり、ラグビーっていいねえー。
楽しいです。
2019/09/28 URL 編集
naokoguide
私は今日のジャパンに、在りし日のアイルランドを見た気がしました。
アイルランドが世界1、2になったのはここ最近であって、数年前までは六か国対抗でもそれほど強豪国ではなかったですよね。でも、ブライアン・オドリスコルみたいな天才的なプレイヤーがいて、時々、神がかったトライをして、勝利をあげたものです。何度も言うようですが、ストリンガーがつないで、ローガン・オガラのドロップキックで一発逆転!…となった2007年のウェールズ戦、あれなんかも神業でしたよね。
アイルランドもそんな時代があって、やっと実力が安定してきた。今日の日本を見ていて、そんなことを想いました。
実は今日、前半戦を見ていて、近いうちに日本がアイルランドを破る日が来るなあ、って思ってたんです。まさかそれが今日だとは思わなかったけれど。
2019/09/28 URL 編集
Fiona
言ったでしょう?(笑)
知ったかぶりですみません。でも、多くの
日本側の報道も盛り上がっていなかったし
意外なひとも多いと思います。
私はTBSラジオで、芸人のサンドイッチマン
がやっている「WE LOVE RUGBY!」を
この半年間ほど聞いていました。特に直前
には過去の日本チームキャプテンもゲスト
で来ていて、チームは最高の仕上がりに
なっていると言っていたのですが、本当でしたね。
東京駅では、緑色のポロを着たアイルランド
から来たと思われる叔父様がたが目だって
いましたよ。
2019/09/28 URL 編集
naokoguide
周囲が知らなかっただけで、日本の選手たちはこの試合、初めから勝つ気だったと思います!
「スクールウォーズ」のモデルになった伏見工業が、1年の猛練習で花園高校に勝利した実話を思い出しました。彼らが花園に勝った時のスコアが、今回の日本VSアイルランドの19‐12とよく似ていたような(笑)
アイルランドのサポーターたちは、勝ち負けだけでなく、ジャパンの雰囲気全体を思い切り楽しんでいるようですね。
さすがラグビー大国、自国チームの負けはともかく、日本代表の素晴らしいパフォーマンスを心から称えてくれているのが素晴らしい。
アイルランドとしては、この敗戦が予選リーグで良かったよー、次は気持ちを切りかえてがんばろー…って感じです♪
2019/09/30 URL 編集
アンナム
ドラマチックな試合でした。直子さんは板挟みだろうな、、と思いながら。
あなたの記事を読んで、心境よくわかり思わず笑みがこぼれました。
2019/09/30 URL 編集
naokoguide
アイルランド生活20年ですからね~。自分が日本人であることは忘れないけど、アイルランド人でないことはしばしば忘れます(笑)
アイルランドも世界一…なんて言われるようになったのは割と最近のことなんですよね。2009年の、61年にぶりにグランドスラムを成し遂げたシックス・ネイションズのDVDを再び見返していますが、ミスも多いし、スピードも今ほど速くない。
でも、素人目には、あの頃の方がスター性のある個性的な選手が多かったし、波乱万丈のドラマがあって面白かったかなあ…。
2019/10/01 URL 編集