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C.S.ルイスゆかりの地めぐり④~ダンルース城

先週より、「ナルニア国」のコマドリさんを見つけたり、古城ホテルに宿泊したりしていたのは、講師の先生と一緒に文学ゆかりの地をめぐる企画ツアーでした。
アイルランドゆかりの文学者は数えきれないほどいますが、今回の旅で主に取り上げられたのが、ベルファースト出身の『ナルニア国物語』の作者C.S.ルイス(C. S. Lewis, 1898-1963)。「ナルニア国」ファンの私にとっては、ご案内のしがいのある嬉しいツアーでした。

★C.S.ルイスゆかりの地に関する過去ブログ
C.S.ルイスゆかりの地めぐり①~イースト・ベルファースト&近郊
C.S.ルイスゆかりの地めぐり②~聖マーク教会
C.S.ルイスゆかりの地めぐり③~「ナルニア」の舞台は…
サイレント・バレー① 「ナルニア国」を探して秋の森を歩く
ベルファーストのC.S.ルイス広場

このテーマでのご案内は過去にも何度かさせていただいており、今回の訪問地も上記にまとめさせていただた場所を含むものでしたが、一か所だけ、ルイスとの関連でご案内するのは初めての場所があり、それがアイルランド北海岸の印象的な廃城、ダンルース城(Dunluce Castle, Co. Antrim, Northern Ireland)でした。
この城が、ナルニア国のケア・パラヴェル(Cair Paravel)城の描写にインスピレーションを与えた城かもしれないそう。

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世界遺産の奇岩ジャイアンツ・コーズウェイと同じ海岸線にたたずむ古城。廃城ぐあいが凄すぎて、岩とほぼ同化して見えるために見逃してしまう人も。背後にうっすら見えるのはアイルランド島最北端のイニシュオーエン半島

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何度も来ているダンルース城ですが、この日は「これがケア・パラヴェルなのね~」との特別な気持ちでお客様と一緒に城内へ。ワクワク♪

C.S.ルイスは1901年、3歳の夏に、お母さんに連れられて兄と共にダンルース城近くの海辺の町、キャッスルロック(Castlerock)を訪れています。その後も2度の夏をそこで過ごしているので、おそらくその時にダンルース城を訪れたのではないかと思われます。
しかし、大好きだったお母さんとは、たったの9歳で死別。その後のルイスの人生に大きな影を落とすことになります。
ダンルース城を含むアイルランド北海岸は、お母さんとの限られた思い出がいっぱい詰まった、特別な場所だったのかもしれませんね。

今回、講師の松本侑子先生のお話しを聞きながら、ナルニアにはケルトの世界観が散りばめられていることをあらためて感じました。『ナルニア国物語』はキリスト教的に読み解かれますが、自然との共存や、目に見えない世界への信頼…といったストーリーの大枠はきわめてケルト的ですよね。
だとしたら、ルイスが育ったケルトが息づくアイルランドを理解することは、物語を読み解く上でとても重要かもしれず、お話の世界を求めてはるばるこの地に足を運んだ皆さんには、貴重な体験をしていただけたのではないかと思います。ケルト的なものは抽象的で目に見えないことも多く、その土地に来て「体感」してこそ、あ~、これが、なるほど!と合点がいく場合が多いですから。

ちなみに、ナルニアの城、ケア・パラヴェル(Cair Paravel)の「ケア(Cair)」とは、「要塞」とか「城」を表すアイルランド語。
ケルトを意識して『ナルニア』を読み返したら、いろいろは発見がありそう。

ダンルース城の歴史にもちょっと触れておきますね。
城の発祥は13世紀にさかのぼりますが、現在の建物は1500年頃、マッキラン(McQuillan)一族が建てたもの。1550年頃には海の向こうのスコットランドから勢力を伸ばしてきたマクドネル(MacDonnell)一族の手に落ち、彼らのアイルランド支配の拠点となります。1600年代初めなると、小さな城下町にまで発展したそう。
実際に、ここからスコットランドは海の向こうに肉眼で見えるほど近く、40~50キロ程でしょうか。当時、緊急時にのろし火をたいてスコットランドの親族に合図を送ると、ガレー船をこいで援軍が駆けつけた…というのもうなずけます。

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見事な廃墟。城館の立派な暖炉や窓の跡が見て取れます。1639年の記録的な嵐で城のキッチンが海へ落ち、調理場の雇人がひとりを除いて全滅。それ以降、城主の妻が怖がってほかへ移りたがり、この地は徐々に廃墟に…

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おそらくこれが、1500年代のオリジナルの見張りの塔

近年は、ファンタジー小説をもとにしたTVドラマ・シリーズ、『ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)』のロケ地のひとつとして、また、先日近くのロイヤル・ポートラッシュ(Royal Portrush Golf Club)で開催された全英オープ・ゴルフのコース名が「ダンルース・コース」(グリーンから城が見晴らせるため)であることなど、何かと話題になることの多いダンルース城ですが、「ナルニア」との関わりについてはあまり知られていないよう。
今回、ナルニアの世界が好きな皆さんと想いを共にしながら訪れることが出来て嬉しかったです。

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コメント

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コメントは初めてですが、
ナルニア私もよく読み返しました。
このカテも大好きです。

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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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