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スケリッグ・マイケル上陸撮影 4日目(最終日)

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北の石段から見上げたサウス・ピーク。登るには危険度が高すぎて撮影許可が降りませんでしたが(上る場合は命綱をつけて登るそう)、尖った岩の上部にも修道士が住んでいた跡があります!

スケリッグ・マイケル(Skellig Michael, Co. Kerry)での撮影を終えて数日経ち、帰国されたディレクターさんは、息つく間もなく編集作業中。追加の映像手配など、私も遠隔でお手伝いしています。
あれから1週間経ちますが、上陸撮影撮影4日目(最終日)のことを書いておこうと思います。

スケリッグ・マイケル上陸撮影 初日!
スケリッグ・マイケル上陸撮影 2&3日目

スケリッグ・マイケルはその昔、死者の魂が行く「黄泉(よみ)の国」と考えられていました。
キリスト教の時代になると、神の国への扉がそこにある!と信じられ、争いや貧困がはびこる俗世を厭んだ修道士たちの目指すところに。
とは言っても絶海の孤島、たどり着くのも命がけなら、暮らすのも想像を絶する大変さです。スケリッグは骨のある、ストイックな修道士だけが行くことの出来る特別な地であり、そんな彼らはキリスト教世界全域で尊敬の的だったそうです。

今回の撮影に多大な協力をしてくれた、スケリッグ生活32年(!)のOPW(アイルランド公共事業省)職員のボブに、「いくら神に仕える者とはいえ、こんな岩だらけのところで暮らすのはつらかったでしょうね」と言うと、意外な答えが返ってきました。
スケリッグの修道士たちは、苦行をしているつもりはなかったと。あの世とこの世との盾となって俗世から神様をお守りする!という遂行な目的を持ってこの島におもむいた彼らは、神の国の扉の前に立ちはだかる戦士の気分であったのだと。厳しい環境での日常は苦どころか、祈りも労働もすべてが喜びだったというのです。

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撮影中、ボブと仲良く並んで待機。音を撮っていない時にはいろいろなおしゃべりをし、スケリッグのことをたくさん教えていただきました(ディレクターのEさん撮影)

この話を聞いて、スケリッグ・マイケルという地を本当の意味で理解したような気がしました。
この場所が今なお人々をひきつけるのは、ユニークな自然環境のせいばかりではなく、かつてそこに暮らした人々の「喜びのオーラ」のようなものがしみついているからなのだと。苦行をしいられて来たのではなく、魂の喜びを求めて来た修道士たちの熱い想いが息づく地なのです。
4日間も連続して通い、600段の石段を日々上り下りしたわりには身体が疲れなかったのは、土地の「気」が良いせいだったからに違いありません。本当の聖地というのはそういうものです。
(ちなみに、クルーのひとりの携帯アプリによると、毎日70階建てのビルに上ったと同じ運動量だったそう!)

今回の撮影で特に嬉しかったのは、通常は行くことの出来ない場所に行かせていただいたこと。番組のネタバレにならない程度にご紹介しますと…。
スケリッグ・マイケルには修道士が石をひとつひとつ積み上げて作った石段が3か所にあり、どれも山頂の石小屋(ビーハイブ・ハット)のあるエリアに通じています。通常、観光客として行った場合に上るのは南の石段。「スター・ウォーズ」で有名になった、レイがライトセーバーで切りつける天然の立石は、その途中にあります。
今回の撮影ではボブの計らいにより、通常は立ち入り禁止の東の石段、北の石段にも立ち入らせていただきました。

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撮影初日に行った東の石段にて。背後にリトル・スケリッグが見晴らせます。港からダイレクトに続くのがこの石段ですが、現在、下部は崩れ落ちてしまっています(ボブ撮影)

そして、撮影最終日についに行けた北の石段。『スター・ウォーズ』はここで多くが撮影されました。

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かなりの急勾配。ここから見上げるサウス・ピークは迫力満点

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観光客が来ないため、北の石段あたりにいるパフィンは人慣れしておらず、警戒心強め。ちょっと近づくと逃げてしまいます

この北の石段は下部が絶壁で、ちょっと怖かったです。撮影終了後、アマゾンプライムであらためて『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を観直したところ、ああここ!と細かいロケーションがよくわかりました。

天候によりボートが出ない日も多いスケリッグ・マイケル。風や波の具合で出航時間を直前に変更せざるを得ないことはあったものの、予定の4日間全日島に渡って撮影出来たのは、奇跡としか言いようがありません。
黄泉の国へこんなに毎日行ってしまい、思い残すことなし、って感じでしょうか(笑)。

今回の撮影の内容はあまりお待たせせずに放送される予定ですので、詳細が分かり次第、お知らせいたします。どうぞお楽しみに!

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アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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