FC2ブログ

記事一覧

ディングル遺跡めぐり④ キルフォーンテンの十字架の石

月末に撮影予定のテレビ番組のロケハンが始まりました。
今日は、昨晩日本からご到着されたディレクターさんをお連れしてディングル半島へ。半島先端のスレー・ヘッド・ドライブ(Slea Head Drive)の遺跡めぐりにご案内しました。

十字架や碑文の刻まれた石板や立石のきれいなものを探していて、私も未だ見たことのない「キルフォーンテンの十字架の石(Kilfauntain Cross Slab)」を見に行くことに。この石は道路から離れた牧草地の中にあるのでアクセスしにくいのです。

グーグルマップで石のありかの見当をつけて、牛が放牧されている牧草地に侵入。民家があれば「入らせてください」とお願いもできるのですが、廃屋となったあばら家があるのみ。こういう場合はゲートを自分で開けて入り、牛が外に出ないようにまた閉めておきます。

牧草地をしばしばウロウロしたのち、動体視力のとても良いディレクターさんが立石らしきものを発見。

kilfountainslabston0719
石がくずれてゴロゴロしている遺跡っぽい場所を遠くから見とめ、その横(写真右端近く)に立石を発見

イグサに刺されながらも草をかきわけて近づいてみると、なんとも美しい彫りが。やっと見つけた嬉しさも手伝って、斜めに傾きながら立つ高さ1メートル強の石板から、強いエネルギーのようなものが放たれている気が。

kilfountainslabston07192
円に囲まれたギリシャ十字(縦横の線が同じ長さ)。その下に渦巻きが

渦巻き(魂が永遠であることのンボル?)や円(太陽信仰?)は、キリスト教以前の精霊信仰の影響。そこへそろそろキリスト教の兆し(十字)が見え始めた頃の、過渡期のものでしょうね。完全に渦巻きや円でもなく、完全に十字架でもない、2つの文化や信仰のクロスオーバー。アイルランドの初期キリスト教がヨーロッパ大陸のものと違っておおらかで、精霊信仰を少しずつ飲み込みながら成長していったことがうかが知れます。

渦巻き模様の下に刻まれているのは、キリストの名を意味するギリシャ文字「chi-rho(カイ・ロー)」の2文字だとか。この「カイ・ロー」はラテンのアルファベットで「X、P」として『ケルズの書』に出てくる、それでしょうか。

kilfountainslabston07196
よく見ると側面にはオガム文字も(オガム文字については過去ブログ参照→ウェールズ「ケルト紀行」⑤ ラテン語並記のオガム文字

この地に教会を設立した(と言われる)聖フィンタン(St. Fintan)の名に読めるそうです。

kilfountainslabston07195
石をカメラに収めるディレクターさん

kilfountainslabston07194
石板横には初期キリスト教会らしき建物があったよう

牧草地をウロウロしてやっと見つけた遺跡。なんだか自分たちで発見したかのような気がして愛着がわきました。

※ディングル史跡めぐり 過去ブログ
ディングル遺跡めぐり① ビーハイヴ・ハット
ディングル遺跡めぐり② キルマルケダー教会
ディングル史跡めぐり③ クローシュテ・イーダのオガム石群


スポンサーリンク

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

全ての記事を表示する

スポンサーリンク

お知らせ ☘

新刊のお知らせ
「絶景とファンタジーの島 アイルランドへ」(イカロス出版)2017年5月29日発売

おかげさまで重版
ikarosbook0517
イカロス出版サイト
アマゾン

イベントのお知らせ
島根県松江市にてトーク・イベント予定
2019年11月23日または24日
→詳細は追ってお知らせいたします!

プロフィール

naokoguide

Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

Instagram  

カレンダー

06 | 2019/07 | 08
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

月別アーカイブ