ヨーロッパに熱波がきているせいで、アイルランドも晴天続き。
フランスなど大陸のヨーロッパでは日中30度台後半にまで気温が上がっているようですが、こちらは上がって23度ほど。日差しは強いですが空気はいつもどおり清涼で、なんともさわやかな日々です。
おとといのコーズウェイ海岸で見た夕焼け空があまりにきれいだったので、今日もお客様とご一緒に見に行くことに。
タラの丘(Hill of Tara, Co. Meath)近くのホテルに宿泊しているので、夕食後にドライブがてら丘へ出かけてみたところ、燃えるような真っ赤な夕日を拝むことが出来ました。

雲ひとつない空が見事なオレンジ色に染まりました

標高240メートル程の丘の中心。古代のアイルランド王を選定するのに使用したと伝えられる「運命の石」にて

石がオレンジ色に輝いて…。なにやら神秘的
日の入りは22時。思えばタラの丘で夕日を見るなんて初めてです。数えきれないほど訪れているのに…。
タラの丘の中心からはアイルランド島の4分の3を眼科におさめることが出来る、と言われ、ほぼ360度の広い空間が広がります。空を眺めるのには最適。これまでどうして、ここで夕日を見ることを思いつかなかったのでしょう。
タラの丘と言うと、やはり『風と共に去りぬ』ですね。小説/映画に出てくるタラ農場の名前の由来となった場所です。
主人公スカーレットのお父さん、ジェラルド・オハラさんはアイルランド移民。19世紀イギリス支配の時代、アイルランド人には土地所有が許されておらず、先祖代々の土地でも小作農として生きていくしか道がありませんでした。アメリカにわたり、土地を手に入れるというの夢を果たしたジェラルドさんは、故郷の大切な場所の名を「タラ」をアトランタ郊外の自分の農場の名とします。
『風と共に去りぬ』のラストで、レット・バトラーに去られたスカーレットが「明日タラへ帰ろう」と希望をつなぐシーンはあまりに有名ですが、この小説の重要なバックボーンがここにあります。恋愛ロマン、歴史ロマンとして有名な『風と共に去りぬ』ですが、アイルランド人の土地への執着や想いが、移民二世のスカーレットを通して昇華されていく物語…でもあるのです。
そんな『風と共に去りぬ』談義をしつつ、風の音を聞きながら、お客様とご一緒に夕日を眺めました。
約10日間ご一緒したご素敵なご家族様とも明日でお別れ。旅の最後を飾るにふさわしい、美しく雄大なタラの丘での、忘れがたいひとときでした。

ああ、沈んでいく…。お天気のいい夏の夜、地元の人たちもたくさん来て眺めていました
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コメント
ようはっぱ
時々、地元の人よりは観光客の方がよく知ってることも多いなあと思うので、タラの丘の夕日の美しさを地元の人が知ってて、なんだかほんわかしました。
2ヶ月の旅から地元大阪に戻ってきました。
まだ、日常生活は戻っていません。
でも、楽しかった海外の観光地のことを思い出しながら、これからどうここで生きていこうかなーっと考える昨今です。(^_^)
地元の美しさ、素晴らしさを発信できたらいいなと思っています。
2019/07/01 URL 編集
naokoguide
日本に戻られたんですね。外に出てみて知る地元の良さ…ってありますよね。
人も同じで、他者を知ることで自分のことを振り返ることが出来たり…ということがありますから、そういうことなのかなあと思います。
2019/07/02 URL 編集