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「ヤヌス像」のそっくりさん!キルギスの「石人」に驚き

何気なくインスタグラムを見ていたら、驚きの写真が目に飛び込んできました。

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中央アジア、キルギス共和国の草原にある「石人(せきじん)」の写真。世界の秘境をまたにかけ魅力的な旅づくり続けるユーラシア旅行社さんのインスタグラムへの投稿より

な、なんと、アイルランドのケルトの石像のそっくりさんではないですか!

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ボア島のヤヌス像(Janus figure, Boa Island, Co. Fermanagh)に酷似!

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上記写真は西面(女性)、こちらがその後ろの東面(男性)

ボア島のヤヌス像のことは、ずいぶん前の記述ですが、ご紹介させていただいたことがあります。両面に顔があることからローマ神話の入り口や門・扉の神様「ヤヌス」にちなみそう呼ばれますが、アイルランド島にはローマ人は来ていませんから、造ったのはローマ人ではなくケルト人だと考えられています。
1月の神様・アイルランドのヤヌス像 

身体に対して大きすぎる頭、見開かれたうつろな目、正面で交差する両腕…、キルギスの「石人」とうりふたつ。もしや、ルーツは同じ?
そう、キルギス共和国のある中央アジアこそが、アイルランド人の先祖であるケルト人の故郷なのです!

ケルト人はそもそも、中央アジアの草原から、戦車や馬車に乗ってヨーロッパに渡来した人たち。
キルギスの草原に点在する「石人」は、同じく馬をあやつる遊牧民族の戦士の墓だそうですから、その民族の一部が西方へ移動し、のちにケルト人と呼ばれる人たちになった…と考えると辻褄が合います。
ヤヌス像のそっくりさん写真を見て、一瞬、驚きと混乱におちいったものの、キルギスとアイルランドの「石人」がそっくりなのは偶然ではなく、故郷を同じくする人たちが造ったからなんだ!と腑に落ちたとたん、じわじわと感激がわいてきました。勝手な感情移入ですが、これまでひとりぼっちだったヤヌス像の生き別れた兄弟姉妹をついに見つけたかのような気持ち…(笑)。

そう、ヤヌス像はひとりぼっちなのです。(厳密には、近くのラスティ・モア・アイランド(Lusty More Island)から移されたちょっと小さめの似た石像が隣りにありますが)
それを思うと、キルギスの「石人」たちは仲間と一緒で楽しそう。少しずつ違った顔をした「石人」が草原ににょきにょきと点在しているのだそう。しかも世界遺産にも指定されているから、たくさんの人が見に来てくれることでしょう。
写真を見るにお天気もカラっとしているようですし、それに比べて、苔むすようなじめじめした墓地にぽつんといるヤヌス像がずいぶん気の毒に思えてきた…。キルギスのお仲間に入れてあげたいなあ、なんて思ってしまいました。

近頃のヨーロッパの学説では、ケルト人は本当はアイルランド島・ブリテン島には来ておらず、来たのはケルトの影響を受けたイベリア半島の先住民族であった…という説が強いそうです。私も「「島のケルト」はいなかった説」に傾倒しているひとりではありますが、この「石人」のそっくり度を見る限り、同じ感性を持つ人がケルト人の出発点(中央アジア)と到達点(アイルランド島)にいたことは疑いがないように思えます。ヨーロッパ大陸を飛びこして、トルコ辺りからいっきにアイルランド島へ来たんじゃないかしら…なんて、仮説を立ててしまいそうなくらい、血が濃い感じ。
ほかの民族を介して伝わった…なんて緩やかなものではなく、全く同じ彫刻家がつくりました、と言ってもいいくらいなので。

それにしても、今は民族も文化も全く異なる2つの地で古代のものだけが酷似しているなんて、ロマンがありますよね。
中央アジアにがぜん興味がわいてきて、ヤヌス像の兄弟姉妹に会いに行きたくなってきた!思わず、ユーラシア旅行社の募集ツアーに申し込みそうになったほど。(仕事がなければ本当に申し込んだかもしれません・笑)。

そういえば、昔聞いた話ですが、文明の交差点と言われる中央アジアには、ヒトコブとフタコブの両方のラクダが一緒に暮らしている場所があるそうです。添乗員時代、ラクダに乗ることがよくあり、中国ではフタコブで、アラビア半島や北アフリカではヒトコブだったので不思議に思い、誰かに尋ねたのところそう言われたのでした。中央アジアって文明だけでなく、ラクダの交差点でもあるのね~、スゴイ!と感激した覚えがあります。(笑)
あ、それから、20代の頃、中央アジアによくいる顔つきだ…と頻繁に言われた時期がありました。本当なのかな?

まだ見ぬ土地、中央アジア。波はないけど、ヒトコブ&フタコブラクダの融合と、ケルト人の故郷を訪ねて旅してみるのもいいかも…と新しい夢を見始めました。
私と同じ顔の人にも会えるかなあ、まるでヤヌス像と「石人」みたいに。

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コメント

石人にそっくりの像

こんにちは、今日の日記「「ヤヌス像」のそっくりさん!キルギスの「石人」に驚き」を読んで驚きました!
先月、5月中旬に天山北路を旅してきました。そこでこのキルギスの石人にそっくりの石の像?守護神?道祖伸?に出会ったのです。
ウィグル自治区の北西にある街ウルムチ(烏魯木斉)の北には天山山脈が聳え並び立っています。草原や土漠が広がり地平線まで続くその土地で見たのが石の像でした。放牧の民が縄張りを主張するために地境に置いた石像らしいのです。

土漠の果てを見はるかすような、おのれが立つ地面を見つめているような、素朴な顔です。まん丸な顔に心をひき付けられてその場を立ち去りがたい思いでした。
キルギスとウルムチは距離はあれども地続きで、中央アジアの一端を占めています。放牧の民が行き来した場所でしょうか。共通する感性を持っているようにも思えます、こじつけですが。

でもウルムチの石像はアイルランドのヤヌス像のように両面に顔を持ちません。
両面の顔で思い出したことがあります。
奈良県の明日香村には飛鳥時代に作られた猿石、石人像、人頭石などの石造物が今も残っています。なかでも今回注目したのは「二面石」。ヤヌス像のように裏表に顔があるのですよ。この時代のペルシャ、インドからの渡来人が、この両面に顔を彫るという考えをもたらしたのかもしれない、などと想像していました。面白いですね、もしそうなら。

もう一つお知らせ:
1978年第二回すばる文学大賞を受賞した森瑤子さん。受賞後日本の経済成長とあゆみを揃えるように多くの作品を輩出しまた。作品と人生を辿った評論、『森瑤子の帽子』を読んでいて目を引く内容がありました。

受賞作『情事』で内に溜まったものを噴き上げるように出し切って書いた森瑤子さん。次の作品に取り掛かるのに苦しんでいた、それを見た当時の編集者が、『赤毛のアン』の新訳、または評論を書いてみたらどうかと勧めたらしいのです。森さんはすこし心が動いたとのことです。

晩年(といっても52歳ですが)かの『風と共に去りぬ』の続編『スカーレット』を訳し終えたのちやはり担当の編集者が『赤毛のアンのその後(仮題)』を書いたらどうかと勧め、ご本人も病床で資料を繙きながら構想を練っていたとありました。
『スカーレット」はアイルランドが舞台ですね。この本は毎年一回冬ごもりの間に読むのです、島の景色を想像しながら。

もし森瑤子の命がこんなに短くなかったら、われわれは新しいアンの姿に出会えたかもしれません。人生の不思議を思います。
『森瑤子の帽子』  島崎今日子著 幻冬舎刊  2019.2.25  1700円

ウルムチ自治区や敦煌あたりのラクダは「フタコブラクダ」。こぶが一つより二つの方が乗りやすいかしら?
トルファンでラクダの肉を食べました、これはあとで「食べた」と言うために。ふ~。

Re: 石人にそっくりの像

Yamaさん、こんにちは。
なんと興味深いお話し!早速調べてみました。これでしょうか?
http://www.xiantabi.com/jyil10.html

遊牧の民の中に、西方へ向かった人たち、東方へ向かった人たちがいたのでしょうね。顔つき、スタイルはそっくり同じですね、スゴイ。こちらの石人は若干、アジアンな顔つきをしているようにも思えます。

私が添乗員として天山北路へ行ったのは今から25年も前。ウルムチ、トルファン、なつかしいです。
その時は、こういう石人の像はまだ注目されていなかったのか、見に行った覚えはありません。ああ、また行ってみたいです。トルファンの市場で食べた、「トルファンの真珠」と呼ばれているという、青い干しブドウがとてもおいしかったことを今も思い出します。

そして、奈良の「二面石」。これも調べてみました、驚き!面白いですね~
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9B%E9%B3%A5%E3%81%AE%E7%9F%B3%E9%80%A0%E7%89%A9#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Tatibanatera_Nimenseki_01.jpg

森瑤子さんの興味深いお話しもありがとうございます。
そうだったのですね。彼女が描く、アンのその後…、読んでみたかったですね。「風と共に去りぬ」の大ファンでいらしたという森さん、「スカーレット」の翻訳が遺作のような形になってしまい本当に残念でした。

「スカーレット」は私も大好きで、タラの丘へ行くといつも、その話をお客様にしています。19世紀のアイルランド事情がよく描かれた作品で、「風と共に…」の続編としてはもちろん、アイルランドを知るという点でも興味深い作品だと思います。
今度、Yamaさんと「スカーレット」談義をぜひ、させていただきたいです!


ああ、いつか。

Yamaさんと「スカーレット」談義をぜひ、させていただきたいです!

そうですね!
あれこれ話していると時間があっという間に過ぎていきそう!
ボイン川って案外小川っぽいんだ、なんて。

>奈良の「二面石」。これも調べてみました、驚き!面白いですね~

次回、万葉の地・明日香村へ出かけたら、あらためてそういう目で見てみます。
万葉時代初期の飛鳥の地には、ペルシャ、インド、ネパール、もちろん中国や韓国からの技術者たちがさまざまな技術を伝えるべく渡来していました。住民のなかのその割合は一説には約7~8割とも言われています。

(渡来人は当然でしょうが、日本人と混血を繰り返し、それが今の大阪人の精神性に大いに影響しているとも言われています。賑やか、派手、お喋りなどなどの。
私が住む栃木県は、その意味から原縄文人の性格が残っているのかもしれません。
面白い!)

夏のシーズンの始まりとともに、お忙しくなることでしょう。
どうぞお元気で、そしてその元気を皆さんにお分けになって下さい。

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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。

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