義民太鼓の響き アイルランドに
青木の小中高生 夏に現地で公演
青木村義民太鼓保存会の小中高校生でつくる「こまゆみ会」が今夏、アイルランドに渡り、初の演奏会を開く。保存会が10年近く定期的に演奏してきた埼玉県などにある商業施設ウニクスの親会社ピーアンドディコンサルティング(さいたま市)がアイルランド公演を提案し、渡航費用など1千万円を寄付したことで実現。子どもたちは、地域ゆかりの義民太鼓を現地の人に届けようと練習に励んでいる。
埼玉の企業の寄付を受け実現
寄付金の1千万円は当初、同社の創業20周年記念事情に充てる予定だったが、若い人たちに希望を与える事業に使おうと使途を変更。定期演奏で関わりの深い保存会に使ってもらおうーと村に贈った。同社の溝口隆朗(たかお)社長(70)が、妻とアイルランドを訪れた際に知り合った上田市出身でアイルランド政府公認ガイドの山下直子さんに渡航のコーディネートを依頼した。渡航日程は8月15日から22日まで。
義民太鼓は、江戸時代から明治初期にかけて青木村で起きた農民一揆を題材にし、演舞を伴う太鼓演奏。保存会は、最初の一揆から300年の1982(昭和57)年に発足した。こまゆみ会は現在17人で活動しており、保存会会長の宮入貞嘉さん(65)=青木村田沢=の指導の下、週2回練習している。10日夜には、村総合体育館で今年初の練習「初打ち」があり、威勢のいい太鼓の音を響かせた。
「アイルランドもかつてイギリスから独立を果たした国。義民に通じる部分がある」と宮入さん。こまゆみ会リーダーの深沢美衣奈さん(16)は「寄付の思いに応えられるよう、たくさん練習して現地に向かいたい」と意気込んでいる。
現地では農民一揆を題材とした曲「義民」などを披露するほか、ハーモニカがでいるメンバーが、太鼓に合わせてアイルランド民謡を演奏する予定という。ハーモニカを担当する富沢昊(こう)さん(13)は「アイルランドの人たちにすごいって思われるように演奏したい」と話している。
(写真 2019年の初打ちで太鼓の音を響かせるこまゆみ会の子どもたち)
naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。
Follow @naokoguide
コメント