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ボイン渓谷で新たな遺跡発見!巨石古墳と謎めいたサークル

古代遺跡の密集度がヨーロッパいちと言われるアイルランド。
ダブリンからの日帰り観光で人気のあるブルー・ナ・ボーニャ(Brú na Bóinne, Co, Meath/アイルランド語で「ボインの王宮」の意味)と呼ばれるエリアには、有名なニューグレンジ古墳(Newgrange)を含め、大小合わせて40の新石器時代の通路墓(Passage Tombs)が密集、ユネスコ世界遺産に登録されています。

数日前そのエリアで、5500年前のものと推定される新たな通路墓が発見されました。

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ダウス・ホール(Dowth Hall)という18世紀の館の敷地内で発見。写真は古墳の一部を成す巨石で、石器により刻まれた渦巻き文様がくっきり!写真は'The find of a lifetime' - megalithic passage tomb cemetery discovered at Meath world heritage site(7月16日付・Indepnedent.ie)より転載

石と盛り土の塚(墓全体)は直径40メートル。その中に2つの石室が見つかったそう。
墓の周囲にサークル状に置かれた巨石(Kerbstones)も今のところ6つ見つかっており、そのうちのひとつが文様が刻まれた上の写真です。
周辺にはさらに、サテライト古墳と呼ばれる巨大古墳に付随する小さな塚(墳墓)も2つ見つかっているとのこと。

発掘調査に当たった考古学者は「一生に一度の発見」と大興奮。
このような巨石古墳の発見は1980年代のナウス(Knowth)の調査以来、約40年ぶりの快挙だそうです。

実はブルー・ナ・ボーニャでは今月に入ってから考古学的な発見が相次ぎ、地元メディアはもちろん、世界の歴史・考古学ファンの注目を集めています。
通路墓の発見にさかのぼること約1週間前、地元の歴史家アンソニー・マーフィー(Anthony Murphy)さんがドローンを飛ばしていて偶然に発見したのがこれ。麦畑の中に浮かび上がったヘンジ(Henge)と呼ばれる不思議なサークルです!

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びっくりするほどきれいな円形。直径約200メートル、4500年前…と推定されています。写真はMassive unknown 'henge' at Newgrange discovered - thanks to drought and drone(7月12日付・Indepnedent.ie)より転載

定期的にドローンを飛ばして、遺跡パトロールを行っているというマーフィーさん。
今回このような発見がなされたのは、なんと、日々アイルランドの気象ニュースをにぎわせている40年ぶりと言われるこの日照りのおかげなんだとか。

古代にはヘンジに沿って、木の杭が立てられていました。腐敗した木の成分が土に残り、その部分だけ湿り気が強かったため、周囲の土は日照りで乾燥して麦の穂が枯れたものの、ヘンジ部分だけは枯れずにグリーンのまま。それが上空からくっきり見えた…ということのようです。
マーフィーさん曰く、麦を刈り取れば周囲とブレンドして見えなくなり、次回の日照り(また40年後?笑)まで表れることはないかも!?

マーフィーさんは、私もしばしば参照させていただいている「Mythical Ireland」というウェブサイトの管理人。
このヘンジ発見後の最新ブログにはさらに詳しい説明がされていて、発見されたヘンジはブルー・ナ・ボーニャの多くの遺跡同様、どうやら太陽の動きと関係しているらしいのです。

ニューグレンジは冬至の朝、ナウスやロッククルーは春分・秋分の正午の太陽の光が差し込むよう設計されていますが、このヘンジは春分と夏至の中間の日(5月始め)、夏至と秋分の中間の日(8月始め)の日没の位置を向いているというのです。
これは、古代アイルランドの暦で言うと、夏の始まりの「ビョールタナ(Bealtaine)」と夏の終わりの収穫時期の「Lughnasa(ルナサ)」に当たります。
ニューグレンジが冬仕様なら、こちらはまさに夏仕様の遺跡。そう考えると、めったにない夏の日照りで浮かびあがってきたのは必然…かも!?
あ~、古代のミステリーの香りがプンプンしますね~、なんだか背中がゾクゾクしてきました!

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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。
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