毎年この時期に、私がお月様に手を合わせてでもお願いしたいこと…それは、
その年の冬至の日のニューグレンジ見学のチケットが当たりますように!ということ。
紀元前3200年に建造された
ニューグレンジは、アイルランドが誇る世界最古のモニュメントのひとつ。
巨石を使った建築技術の素晴らしさもさることながら、ニューグレンジのもっとも驚くべきことは、
冬至の日の朝の太陽の光が、ルーフボックスと呼ばれる天窓から墓室に差し込むように特別な設計がなされていることです。
一年でもっとも日が短い12月21日の朝8時58分から9時15分までの17分間、一筋の線となった太陽の光が墓室へ一直線に差込み、死者の遺骨を照らし出します。
農耕民族だった当時の人々は太陽を神として崇めており、神の手が触れることにより死者の霊が弔われると考えていたようです。
普段の見学では、この神秘的な瞬間を
電気の光でデモンストレーションしてくれます。これでも十分感動的なのですが、やはり一度でいいからホンモノを見てみたい~!
そう願う人はもちろん私一人ではなく、
冬至の日のニューグレンジ見学者は、なんと抽選で選ばれることになっています。

ビジターセンターに設置されている抽選ボックス
今日、ニューグレンジへ行ってみると、今年の抽選がすでに終わったことを知らされました。
ここへ来るたびに、家族親戚などいろいろな人の名を書いて(うちの住所で!)抽選ボックスに入れていた私…
今年も当選案内はこなかった。がっくり。
実際には、12月21日その日を含め、前後合わせて5日間の朝にこの現象が起こります。一日25名、計100名がその年のラッキーな人々となるのですが、
膨大な数の応募者の中から選ばれるのは50名、ペアでご招待~となるわけです。
(関係者が優先になったり、ポリティクスが絡むという噂もあるので、正規の当選者はもっと少ないのかも)
昨年の冬至の日にラッキーにも見学出来た関係者の話によると、ホンモノの太陽の光の線は、
まるでダンスをしているように揺れながら入って来るんだそうです。
そして、差し込む時はゆっく~りなのに、消えていく時は一瞬で引っ込んでしまうとか。それはそれは神秘的で、忘れられない体験になったとのこと。うらやましい~。
しかし、
12月のアイルランドのお天気は不安定。
高い倍率をくぐり抜け見事当選したとしても、その日の空が曇っていたら、残念ながら、真っ暗な墓室の中でし~んと待つことに。
それでも5200年前の人々の落胆を体験できるのですから、やっぱり、うらやましいですね~。

ニューグレンジ全景(TAKAKOさん撮影・2006年8月)
※ ニューグレンジは一日の入場者数が制限されています。15名以上の場合は必ず事前予約要。個人での入場は、ビジターセンターに到着した人順。夏場は大変込み合いますので、早めにビジターセンターに到着するようにしましょう。
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2014/01/21 編集
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2014/01/21 編集