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妊娠中絶 YES or NO?

アイルランドでは今月25日、妊娠中絶の是非をめぐる憲法改正の国民投票が行われます。
先月半ばより始まったYES/NOキャンペーン。近頃アイルランドを旅された方は、各地でこのようなポスターを目にされたことでしょう。

abortionreferendum2018
左:「NO」→「イングランドでは5人にひとりの赤ちゃんが堕胎される、アイルランドには(それを)持ち込まないで」、右:「YES」→「(女性の)平等と自由と選択のために」

妊娠中絶を法律で全面的に禁じている国は世界で6か国、例外はあるけれども基本的に違法としている国はアイルランドを含め10か国あるそうです。(アメリカでは州によって禁じられているところもあります)
キリスト教カトリックの国であること(現在人口の8割)が根底にあって出来た法律かと思いますが、現状では、妊娠を望む女性が国外へ中絶手術を受けに行ったり、インターネットで必ずしも安全とは言えない中絶薬を購入して自分で処理したり。実情とそぐわないことになってきているのです。

妊娠中絶をめぐる国民投票は、私がアイルランドに住むようになって今回で2度目。
2002年、「Xケース」(レイプされた女の子が妊娠を苦に自殺した事例)に限り中絶を認めるかどうか…という国民投票がありましたが、僅差で過半数の支持を得られず改正に至りませんでした。
(現状のまま禁止→YES、Xケースの場合は認める→NO…という非常に分かりにくいYES/NOだったのでよく覚えています)

2013年には、その前年に起こった流産しかかったインド人女性が中絶手術を拒まれ死亡するという痛ましい事件を受け、母体に命の危険がある場合に限り(自殺の恐れがある場合も含む)、3人の専門医の証明があれば妊娠を中止できることになりました。
深夜に及ぶ激しい国会討論により決定され、ついにここまでこぎつけた!…とアイルランドにとっては大きな前進でしたが、女性が産むか産まないかを自分の意思で選択することは未だ認められていないわけです。

今回の国民投票で「YES」が過半数を占めた場合、妊娠12週目までの国内の医療機関での妊娠中絶が認められることになり(母体に危険がある場合は24週目まで、胎児の子宮外での生息が不可能な場合などは例外あり)、アイルランドの歴史上の大変革となります。

私自身はアイルランド国籍でないので投票権がありませんが、キャンペーンを見ていると、著名人などが「YES」に投票するよう呼びかけているのに対し、「NO」を支持する団体なども少なくないようです。
ヨーロッパの多くの国では、12週目までの中絶(イギリスは24週目まで)は認められる、というのが普通のようです。

結婚、妊娠に関することでは、アイルランドでは2015年に同性結婚が国民投票で合法化され、世界でも大きなニュースになりました。(民意(国民投票)で認めた国は世界初)
カトリック国のためか諸外国からは保守的なお国柄と思われがちなアイルランドですが、現状は若者人口が多くリベラル。今回の国民投票も、(危険な中絶が秘密裏に行われている現状がすでにあるので)女性の安全を守るためという理由などから、「YES」に傾くのではないかという気がしています。

【参考(英語)】
ABORTION: THE FACTS ‐ The Irish Times
Q&A: what happens after abortion vote on Friday? ‐ The Irish Times


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Author:naokoguide
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。
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