スライゴでベンブルベン(Benbluben, Co. Slito)に登り、ダークスカイ保護区のイヴェラ半島(Iveragh Peninsula, Co. Kerry)で星空を眺めたい!…というのが今回ご案内させていただいたごM様夫婦様のご希望。
それを叶えるべく、2泊過ごしたスライゴから大移動して、ケリー周遊路としても知られるイヴェラ半島の先端ウォーターヴィル(Waterville, Co. Kerry)へ。周囲に出来るだけ灯りのない、夜空がきれいに眺められる海辺の宿、スマグラーズ・イン(
The Smugglers Inn)に宿泊しました。

チャーリー・チャップリンも足しげく訪れたウォーターヴィルの町から徒歩10分程。海に面した、波の音が聞こえる宿です
スマグラーズ・インは宿よりもレストランとして有名。
家族経営のシーフードで知られる食事処で、3代目シェフのヘンリー·ハントさんは国内外の有名店で修行を積んだ腕利き。ご先祖が代々暮らしてきた18世紀の農家を、彼の祖父母がレストランに改装したのが始まりだそうです。
(ご先祖はウォーターヴィルの町で肉屋さんを経営していたそう)
思えば、今から20年前の1998年8月、私が初めてアイルランドに来た時にケリー周遊路の途中でランチに立ち寄ったのはここでした。当時のシェフはヘンリーさんのお父さんだったのではないかと思います。
それ以来、食事には何度も訪れていますが、宿泊するのは今回が初めて。おいしい食事をいただき、そのまま上階でゆっくり休める贅沢を仕事ながらも楽しませていただきました。

全7室のこじんまりした宿。ベッドリネンも可愛い。これはスタンダード・ルームですがスーペリアはもっと広め。個人的にはこのコンパクトさが好きです

全室マウンテンまたはシー・ビュー。私の部屋はマウンテン・ビューですが、M様のお部屋はシー・ヴューでより素敵でした

宿泊客が利用できる海の見えるラウンジ。撮影時は雨&曇りで海は荒れ模様でしたが、これもまた良し
レストランはカジュアルな雰囲気ながら、味は超一流。アイルランドの片田舎ともいえる西の果てにこんな洗練された料理があるの?と驚くほどです。(お値段もダブリン市街地のレストラン並み!)

前菜にいただいた日替わりスープはそら豆のスープ。豆がこんなに味わい深いなんて…!ひと口目から大感激

メインにいただいた日替わりのフィッシュはマトウダイのから揚げ。イエス・キリストの使途である聖ペテロがガラリヤ湖で釣り上げたので「セント・ピーターズ・フィッシュ」とも呼ばれる魚ですね。おだしのようなソースとからめていただくせいか、ちょっぴり和食みたいな味わい

お客様はアンコウのお料理を

左からニンジン(とカブのマッシュ)、ジャガイモ、ホウレンソウ。アイルランドのメインディッシュはこれが主菜、緑・白・オレンジのアイルランド国旗色です!

レストランは光がいっぱいに入るコンサバトリー。すでに夜10時近くまで明るいので、夕食時も昼間のよう。夏には満席となるレストランもこの時期はまだまだ静か。私たちのほかに3~4組いたのみでした
食事のあと、暗くなるのを待って、星空観測に出かけました。
イヴェラ半島は国際ダークスカイ協会に認定された「ダークスカイ保護区」で、北半球で初めて、最高ランクの夜空を示すGold Tierが与えられた場所。条件が整えば、世界いちの星空が眺められるのです。
スマグラーズ・インの周囲で十分暗いのですが、せっかくなのでもっと真っ暗な場所へ…と車を10分程走らせて湖の近くへ。
あいにくの満月と夜空を覆う雲のため、降るような星空…というわけにはいきませんでしたが、雲の切れ目に瞬く星が。このコンディションでこれだけ見えるのなら、空が晴れればすごいでしょう。
私はこのあと寝てしまいましたが、M様ご夫妻は、明け方には雲が晴れるとの天気予報を信じて夜明け前に起き、満点の星空を眺めることができたそうです!流れ星もたくさん見たそうで、ここまで来た甲斐があった!と喜んでおられました。良かった♪
そして朝食にもフィッシュ・メニューが。お客様はニシンのスモークを、私はヘイク(メルルーサ。タラ目の魚)を注文したら、朝からこんな豪勢な食事に。

ヘイクのムニエル。身がホクホクで、このまま食べ終わりたくない~と思うくらいおいしかった
海と星空とシーフードを満喫。
また近いうちにぜひ再訪したい…と後ろ髪引かれる思いであとにした、本当に居心地のいい宿でした。

朝食時のレストランからの眺め。ケリーの山々と海が美しい
- 関連記事
-
コメント