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法王の十字架

ダブリン市街地西にあるフェニックス公園(Phoenix Park)は、ヨーロッパ一敷地面積の大きな公園。
700ヘクタールというその広さは、ニューヨークのセントラル・パークの2倍、ロンドンのハイド・パークの5倍、さらに東京の日比谷公園の45倍に当たるというから驚きです!
その広大な敷地の一角に、ステンレス製の巨大な十字架が立っています。

popescross

青空に突き抜けるような、高さ27メートルの白い十字架。
これは「法王の十字架(The Papal Cross)」と呼ばれ、1979年9月29日に前ローマ法王ヨハネ・パウロ2世がミサをあげた場所を示すものです。

驚くべきは、その時のミサに参列した人々の数。その数なんと、125万人と言われています!
16年前のアイルランドの人口は、現在の400万人をはるかに下回るものでした。仮に350万人だったとしても、総人口の3分の一以上の人がこの地に集結したことになり、当時のアイルランドのカトリック熱&ヨハネ・パウロ2世の人気の高さがうかがい知れます。
(多少、水増しされているとしてもスゴイ数!)

「あの時、僕は○才で、父親に連れられてここにいたんだよ~」

なんてことは、アイルランド人からよく聞く話。
人・人・人の波で、えんえんと歩いてたどり着いたものの、法王の姿は全く見えなかったそうです…。それでもきっと、その場に居合わせたというだけで、神々しいような気持ちでいっぱいになったのではないでしょうか。

1979年にヨハネ・パウロ2世がアイルランドを訪問した理由は、カウンティー・メイヨー(Co.Mayo)のノック(Knock)でのマリア様出現100周年を祝うためでした。
1879年、ノックの教区教会に聖母マリアが出現し、15名の村人が目撃するという出来事がありました。以後ノックは、マザー・テレサも訪れるほどの世界的な巡礼地として知られています。

昨年、ヨハネ・パウロ2世がお亡くなりになった時、アイルランドのテレビでは、79年のご訪問の様子が盛んに放送されました。キリスト教徒ではないけれども、ヨハネ・パウロ2世が好きだった私は、その映像に感激して見入っていたものです。
「法王の十字架」へ来るたびに、クレーン車に乗って人々の熱狂の渦の中へ登場したヨハネ・パウロ2世のお元気な姿を思い出すのです。

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コメント

Uisce

>「法王の十字架」へ来るたびに、クレーン車に乗って人々の熱狂の渦の中へ登場したヨハネ・パウロ2世のお元気な姿を思い出すのです。
・・・このときナオコさんその場にいらっしゃったのですか?(驚)

naokoguide

Uisceさんへ
うまいつっこみ・・・!
自分で読み返して、笑ってしまいました。
あんまりたくさん、テレビの映像を見たので、そこに居合わせたかのような気分になっているのは確かです~。
非公開コメント

naokoguide

アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドの山下直子です。2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、アイススケート、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。長野県上田市出身。

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